ディスディスブログ

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大森望さんのSF年表が出来過ぎていて怖かったです。Eテレ『ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ』第2回「SFは何を夢見るか?」を観ての感想

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Eテレ『ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ』が昨日2015年10月9日金曜日に放送されました。第2回は「SFは何を夢見るか?」でした。

 

www.nhk.or.jp

 

2014年に放送された『ニッポン戦後サブカルチャー史』が、1年経って第2シーズンとして帰ってきました。第1シーズンでは映画や音楽、漫画、広告、デザイン、アニメなど様々な第2次世界大戦後に日本で育まれたサブカルチャーを扱ってきました。第2シーズンでは一つの事柄を深く掘り進める「深掘り進化論」として全6回で放送されることになります。

 

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前回第2シーズンの第1回は、開講スペシャルとして『不思議の国の「女子高生」』が扱われていました。講師は第1シーズンを通して講師を担当していた劇作家・演出家・作家の宮沢章夫さんです。今回は第2シーズンの第2回「SFは何を夢見るか?」で、講師はこの番組始まって以来、宮沢さんではない方でした。第2シーズンは1回だけ宮沢さんで、2回以降は全て異なる講師の方なのかもしれません。第2回の講師は、大森望(おおもり・のぞみ)さんです。書評家、翻訳家、SFアンソロジストだそう。私は不勉強のため大森さんのことは全く知りませんでした。

今日のSFに関して最も驚いたことは、今年が映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー PART2』の未来の舞台が2015年ということです。つまり今年2015年は、第1作が公開された1985年からもう30年も経っているということです……何てこった……。

第1作では1895年から1955年へタイムスリップしていましたね。私はおそらく10年どころか20年近く作品を観ていないと思います。なので、主人公のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)が、どうして過去に行ったのかすら覚えていないのですが、自分の母親に惚れられるというとんでもない危機を脱し、何とか時計台に落ちる雷のパワーを使って戻ることができた……という物語だったと思います。

第2作のPART2は1作目の続きで、マーティが1985年に無事戻ってきたところに、博士のドク(クリストファー・ロイド)がデロリアンに乗って現れて、マーティは今度は30年後の未来に行くことになる……という話ですね。とか書いていますけど、こちらももはやほとんど忘れてしまっています。でも確か、未来にスポーツ年鑑を捨ててしまったことで、それを誰かに拾われて過去が変わってしまったのだったと思います。車が空を飛んでいましたか。

ニッポン戦後サブカルチャー史に話を戻しますと、最後の方に「SF年表」なるものがホワイトボードに書かれていました。それは下記のようになっています。

第2次世界対戦集結が1945年から25年経った1970年に大阪万博が開催され、そこから25年経った1995年に『新世紀エヴァンゲリオン』が放送され、それから25年経ったのが今年2015年です。WW2集結から『SFマガジン』が創刊された1959年が、日本におけるSFの幼年期、そこから大阪万博までが青春期、大阪万博からエヴァまでが成熟期、そして今年2015年が第二次青春期に入っているということでした。

この25年周期の流れがとても興味深かったです。スタジオの風間俊介さんも「よく出来過ぎていますよね」と興奮気味でした。大きな転換期は1970年に開催された大阪万博で、ここが戦後の手塚治虫から始まる日本のSFの飽和点にあるのではないかという話でしたね。

私は大阪万博の頃はまだ影も形もないので現実感が全くありません。『ウルトラマン』も再放送を観ていた世代ですから、『ウルトラQ』は当然リアルタイムではないですし、番組で取り上げられた『宇宙戦艦ヤマト』も再放送で観……ていたと思います。“と思います”と書いたのは、ヤマトは断片的には覚えているのですが、詳細な内容は覚えていないんですね。私の世代の男子はヤマト(再放送)をほぼ観ていると思いますけど、私はそれほど興味がなかっただけかもしれません。こちらも番組で取り上げられていました『鉄腕アトム』も、私は白黒のアニメは観たことがないです。

皆さんもそうだと思うのですが、自分が生まれた時代を境にして、その前と後とでは時間的な分断があります。当然といえば当然です。なので、私が生まれる前に放送・出版されていたものなどは、極端な話、お伽話を読んだり聞いたりしているようなものなんですね。圧倒的に現実的ではない。私にとって大阪万博やウルトラQ、白黒のアトムはお伽話の世界の話のように感じられます。ウルトラマンだけは子供の頃に何度も観ていたせいか、全然お伽話ではないですし、ヤマトにも現実感があるので、もしかしたらモノクロかカラーかの違いが大きな差になっているかもしれないです。

アニメの『鉄腕アトム』第1作が放送されたのが1963年で、『宇宙戦艦ヤマト』が放送されたのが1974年、わずか9年しか経っていないんですね。もっといえば漫画『AKIRA』の連載が始まったのが1982年だそうですから、ヤマトの放送開始から8年しか経っていないんです。今年2015年を基準に考えれば、9年前なんて2006年、8年前なんて2007年ですよ。つい最近です。

何か、同じスピードで時間が流れているとは思えないくらい、当時は一気に科学や映像などの技術が進歩しているように感じられます。番組でも取り上げられていたように、高度成長とか東西冷戦とかの影響なのでしょうか。今は鈍化している気がしなくもないですが、でも例えばPCやスマホの普及によってインターネットがこれだけ進むなんてことは、当時考えられていなかったでしょうから、鈍化しているとは一概には言えないですか。

そんなことを『ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ』のSF回を観ていて思っていました。印象的な言葉がありまして、それは風間さんが言っていた「万博の頃の日本の発展途上の“こんなこともできます、こんなこともできます”の繰り返しで多分高揚感だったと思うんですけど、逆に僕らの時代って“こういうものを作ったけれども、これがとんでもないことになりました”っていうエピソードが立て続けに来るから‥‥…」という部分です。現代の、というかここ20年くらいのSFはまさにこれかもしれないですね。

SF作品というと、私は『ドラえもん』が最も馴染みがあります。人語を理解するネコ型が未来からタイムマシンに乗ってやってくる話ですものね、SF漫画・SFアニメです。『機動戦士ガンダム』シリーズがSFのジャンルに入るなら、それもそうでしょうか。この10年くらいでいうと『シュタインズ・ゲート』や『涼宮ハルヒの憂鬱』といった作品、私はアニメでしか知りませんけど、です。

実は小説はSFジャンルをあまり読んだことがないです。とはいっても星新一さんのショートショートは読みましたし、安部公房さんの『人間そっくり』なども読んでいます。宮部みゆきさんの『蒲生邸事件』も好きでした。北村薫さんの『スキップ』『ターン』『リセット』がSF作品なら、それらも読みました。それくらいでしょうか。

ネットでよく取り上げられるSF作品というと『星を継ぐもの』ってあるじゃないですか。ジェイムズ・P・ホーガンさんの。あれは一度読んでみたいです。傑作らしいので。あとはダン・シモンズさんの『ハイペリオン』も読んでみたいです。ハルヒで長門有希が読んでいたと記憶しています。

『星を継ぐもの』で思い出しましたけど、1995年に週刊少年ジャンプで短期連載されていた漫画『惑星をつぐ者』という戸田尚伸さんの作品があります。全1巻。これが私は大好きでして、1995年当時購入した単行本を今も持っていて、たまに読み返しています。バラダット・ナイブスの自在剣(スパイラルナイフ)。あれは傑作のSF漫画、スペース・オペラですので超お勧めです。

SFのゲームでいうとATLUSの『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』を思い出します。こちらは近年プレイした中では屈指のRPGです。ニンテンドーDS。映画『遊星からの物体X』を思わせるストーリーですが、南極に登場するのは未知の宇宙生物ではなく悪魔です。グラフィックがドット絵で、ならではの雰囲気を味わえます。

『ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ』の第2回「SFは何を夢見るか?」、気になった方はぜひ再放送を見ていただきたいです。再放送はいつになるでしょうか。第Ⅰ回もまだ再放送されていないと思いますけど、NHKさんなら必ずしてくれる……はず。たぶん。

 

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惑星をつぐ者 (ジャンプコミックス)

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星を継ぐもの (創元SF文庫)

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