ディスディスブログ

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朝ドラ『まれ』156話で最終回を迎えました。感想・総評を書きました

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NHK連続テレビ小説『まれ』の2015年9月26日土曜日の放送は156話、最終回でした。

 

www.nhk.or.jp

 

私は夢が大嫌いだった希(土屋太鳳)が「夢が大好きです」 と言って終わっていました。終わり良ければ〜を期待していましたが……。

 

toyokeizai.net

 

今週『東洋経済オンライン』さんに『まれ』に関する記事が掲載されていました。上に貼ったリンク先がそれ。東洋経済新報社の記者さんがかなり言いたい放題に言っていますので、気になる方はぜひご覧になってください。『まれ』好きの方にとっては辛辣な内容になっていますので、その点注意した方が良いでしょう。

私も今回『まれ』について書きたいことが山ほどあったのですが、こちらの記事に言いたいことの多くを言われてしまい、言うことがなくなりました。が、幾つか書いてみましょう。タイトルには総評とも書いていますけど感想ですね。

 

www.nhk.or.jp

 

やはり多くの方が仰っているように『まれ』は『あまちゃん』をかなり意識した作りになっている、と私も感じていました。大きな違いは何だろうと思ったときに、『あまちゃん』を見ていると岩手県久慈市に行ってみたいと感じさせたのに対して、『まれ』を見ても石川県輪島市に行きたいとは思えない点にありました。輪島の魅力が伝わってこないんですよね。

『あまちゃん』を見ていたときは、久慈駅に行ってみたい、三陸鉄道に乗ってみたい、海女さんの素潜りを見てみたい、“まめぶ”を食べてみたいと素直に思えたのですが、『まれ』を見ていても輪島に行きたいとも、漆器を見てみたい使ってみたいとも思いませんでした。唯一、塩田で作られた塩は食べてみたいです。そんな具合に輪島の魅力がいまいち伝わってきませんでした。その原因は、特に希が能登に戻ってからの物語の舞台が、希のフランス菓子店「プチ・ソルシエール」か、紺谷圭太(山崎賢人)の紺谷漆器か、桶作家かのいずれかでしか展開されていなかったから、輪島ならではの描写が圧倒的に少なく感じられたのかも知れません。

 

www.travelvoice.jp

 

でも、このような記事を発見しました。『まれ』の経済効果は66億円だそうです。輪島市への観光入込客数は34万人増だとか。北陸新幹線が2015年3月14日に高崎駅から金沢駅まで伸びたことも要因の一つとしてはあるのでしょうけど。それとも私のように感じた方は少数で、多くの方が輪島に行ってみたいと思ったのでしょうか。記事は3月末のものなので、それから半年経った2015年9月末時点でどうなのかも知りたいところです。

 

それと、希の信条である“地道にコツコツ”が、どうして“夢”と対立させるように描かれているのかが、私にはよく分かりませんでした。でっかい夢をモットーに一攫千金ばかりを狙っている父親の徹(大泉洋)のようにはなるまいと、希は夢であるケーキ職人になるための努力を“地道にコツコツ”と重ねて、横浜で修行をしフランス留学もし、結婚をして子供も産んで、世界一のパティシエになりました、おわり、でも良かったですよね。

フランス編を連ドラ内で描くことは、色々な制約があって難しいでしょうから、連ドラ内では簡単に済ませて、放送が終わってからスピンオフで描くなどすれば良いのでは、と思います。

結局は、徹も自己破産したり貝殻プロジェクトなどの失敗などで周りに散々迷惑をかけた後は、IT会社に就職して地道に仕事を重ね、すぐに倒産したものの独立起業まで行けたわけですから、一攫千金などではなく“地道にコツコツ”に転じていました。徹のでっかい夢が何だったのかが最後までいまいち分かりませんでしたが。

翻って、希が“地道にコツコツ”だったかというと、そんなことは全くありませんでした。高校時代に突然ロールケーキ甲子園に出場してみたり、市役所に就職したかと思ったら1年も経たずに辞めて宛もないのに上京するし、偶然知った「マ・シェリ・シュ・シュ」に何とか滑り込み、修行時代も修行もろくにせず恋愛にうつつを抜かし、せっかく師匠からフランス修行の機会を与えられたのにパティシエを中断してまで輪島に戻って女将修行を始めるし、女将修行を始めたと思ったら修行もそこそこに借金をしてまでお店を立ち上げるし、輪島の皆に食べてもらいたいと思っているのに横浜での高級路線をそのまま持ってきて地元民から総スカンを食らうし、開店間もなくまだ借金があるのに妊娠・出産して休業しているし、開業から8年も経ってから突然思い出したかのように再び世界一のパティシエを目指し始めるし……もう「地道にコツコツ」という言葉は「行き当たりばったり」という意味ではないかと思ってしまうくらい、希が行き当たりばったりで徹が地道にコツコツだったっけ?と設定を見返したくなるくらいに、希の行動には計画性がなかったです。

世界一のパティシエという大きな夢を実現させるためには、才能も必要でしょうけど、何より地道にコツコツと努力を重ねる必要があるわけで、決して対立させるようなものではないと私は思っています。でも脚本家の方はそれらを対立させて描いています。脚本家さんの考え方でいけば、希が“地道にコツコツ”の象徴だった公務員を辞めて、夢であるパティシエを目指した時点で、彼女は“地道にコツコツ”人間ではなくなっているはずですが、作中ではその後も“地道にコツコツ”人間として描かれていました。その証明が最終回の「夢が大好きです」のセリフです。これは脚本家さんが目的(夢)と手段(コツコツ)をごっちゃにしているから起こった現象と思われ、見ているこちらは余計、理解不能に陥った原因になっているかなぁと感じられます。『あまちゃん』もその辺は結構いい加減でしたけど。

そんなところでしょうか。他は上に貼った東洋経済オンラインの記事が私の言いたいことの多くのことを語ってくれています。

 

dysdis.hatenablog.com

 

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