ファッションの話。私はメンズファッションは労働者の服装が好きなようです。
ファッションのためのファッションも嫌いではないのですが、やはり必要にかられて作られた服、機能美、そういったものの方が私の目には格好良く映ります。
一つ例を挙げると、こちらです。1952年にCharles W. Cushmanさんが撮影した写真だそう。写っている男性はJack W. Holleyという人で、撮影場所は米国ユタ州モアブの彼の棲家のそばとあります。
Cushmanさんはかなり早い時期、1930年代(?)からカラーフィルムで米国の各地を撮影してこられた方なのだとか。貴重なカラー写真の数々が遺されています。
さて、冒頭のJack W. Holleyさんに話を戻しますと、彼のファッション、と言うと違うかも知れません、服装はデニムのシャツとパンツです。シャツはデニムではなくシャンブレーでしょうか? それともダンガリーでしょうか? 画像からではちょっと分かりませんけど、この服装がめっちゃ格好良くてお気に入りです。
ジーンズの脚部に施された数々のリペアの痕がえらい格好良いですね。当て布も格好良さを追求したのではなく、単に彼の手元にあった生地を当てただけなのだと思いますが、だがそれがイイ。
私がジーンズを好きな理由の一つは、新品(あるいはデッドストック)の状態から着て、オーナーの身長や体重などのサイズ、仕事などの生活スタイルがアタリとして服に現れてくるところだと思っています。オーナーの人生が洋服などに現れるという。ジーンズはそれが一番強く現れるアイテムだと。
このJack W. Holleyさんの写真にはそれが見事に表れています。リペアの他にも、ジーンズのボタンフライの上から2番めのボタンが外れていますが、ここにも彼の生活スタイルが垣間見えます。
これはおそらく、彼は小さい方の用を足すときにボタンを上2つだけ外してしていて、留めるのはトップだけなのではないかと想像します。脱ぐときも2番目までを外しているので、それを毎日繰り返すうちに2番目のボタンホールだけ負荷が強くかかってしまい、結果、他より穴が大きくなっているのだろうと。トップのボタンホールは他より生地が厚く縫製がしっかりしているので保ちが丈夫のはず。
彼のファッションはジーンズのサイズ感だけでも参考になりそうですね。でもそのまま真似たら単なる汚らしい男になってしまう可能性があり、なるべく汚らしくしないためには特に髪型には気をつけたいところです。
こちらの先にJack W. Holleyさんについてのレポートが書かれています。ゴートマンの人生が。英語サイトです。