ディスディスブログ

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季語が主役。『プレバト!!』2021年5月6日放送の俳句「昼寝」回を観た感想です

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『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年5月6日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。

視聴した感想を書いています。

 

目次

 

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MBS『プレバト!!』

テレビ番組『プレバト!!』についてです。

 

www.mbs.jp

 

人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。

 

公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。

あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。

中でも俳句がメインコンテンツと思われます。

 

放送時間

放送時間について。

放送は毎週木曜日の19時から20時までです。

 

出演者

出演者です。

メインの司会は「浜田雅功」さんです。

ダウンタウンの浜ちゃんですね。

 

アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。

ナレーションが「銀河万丈」さん。

 

俳句の査定員は「夏井いつき」さん。

俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。

 

俳句

『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年5月6日の放送でも扱われました。

今回のお題は「昼寝」です。

大人の女性でしょうか、昼間、リビングかどこかで横になり、顔にハードカバータイプの本を被せて遮光して寝ている様子を捉えた画像が画面に表示されていました。

 

昼寝は夏の季語です。

季重なりに注意が必要ですね。

 

この回ではミュージシャンの「大友康平」さん、俳優・タレントの「菊池桃子」さん、Kis-My-Ft2の「宮田俊哉」さん、お笑いコンビ「おいでやすこが」の「おいでやす小田」さん、俳優の「東野絢香」さん。

 

東野さんは朝ドラ『おちょやん』に出演されている朝ドラ俳優さん。

「岡田みつえ」役でのご出演です。

物語も終盤ですね。

 

レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと、お笑いコンビ「フルーツポンチ」の「村上健志」さんが出演していました。

 

順位

まずは今回の出演者さんの順位戦の結果です。

5位が東野さん、4位がおいでやす小田さん、3位が大友さん、2位が宮田さん、1位が菊池さんでした。

 

菊池さんは今回が2回目のご出演。

前回は「凡人」査定で、放送を受けてご家族で落胆していたそうです。

2回目の今回は見事才能アリで1位、菊池さんは大いに喜んでいらっしゃいました。

 

大友さんの句が気になる

今回気になった句は大友さんです。

今回出場した中では3位、凡人査定でした。

点数は60点と悪くない点を獲得しています。

 

句は、ご自身の少年時代の夏、自宅にクーラーなどがないので、野球をした後に図書館へ行って本を読むふりをしてでしたっけ、涼みながらうたた寝をしている、その特別感のようなものが詠まれました。

 

梅沢さんからは勿体ないと言われていました。

句は大友さんの少年時代の思い出を詠もうとしているのに、目の前で起こっていることのように受け取れる、と指摘されていたでしょうか。

句の少年が誰なのかがわからない、大友さんの人が句から見えないという意味でもあるでしょう。

 

夏井先生による添削もまさに梅沢さんのご指摘の点に触れられていました。

句材は良いと褒められていたでしょうか。

原句の「嬉し」を削除し、同じ3音で「遠き」として若き日の思い出を回顧するようにしていました。

 

どうしてこの句が気になったかと言いますと、私は俳句というものは目の前のことを詠むと思い込んでいたからです。

過去の出来事であっても今、現在進行形で起こっていることのように詠むべきだと。

以前どこかでそういうことを指摘していた俳人さんがいらした記憶があります。

俳句とはこうあるべきだなんてことは、プロの方でも人によって異なるのでしょうけど。

 

大友さんの句の添削は過去を振り返ったものです。

こういう句もありなんですね、個人的に新しい発見でした。

 

東野さん

気になると言えば東野さんが詠まれた句もそうです。

順位は5位でした。

点数は35点。

 

句は、ドラマなどの撮影は前日緊張していて、当日に移動の車内で台本を抱きしめなが居眠りしてしまったことを詠まれていました。

 

村上さんは「揺れる隈」としていた下五がわからないと言っていました。

東野さんが乗っていた電車は新幹線だそうですけど、寝不足でできた隈のある自分の顔が、新幹線の揺れと一緒に揺れていることを詠んでいるようです。

説明がないと理解しにくい句かもしれないですね。

 

夏井先生は東野さんは初心者にありがちなミスをしていると言っていました。

どのようなミスかというと、それは「17音に収めるには材料が多すぎる」ことです。

 

dysdis.hatenablog.com

 

以前、当ブログではEテレの俳句番組『俳句さく咲く!』のことを書きました。

このときも田中要次さんの句が、今回東野さんと似たミスをしていたかと思います。

 

東野さんは「若楓」を季語に採用していました。

若楓は若手俳優であるご自身を比喩しています。

新幹線に乗っていて、台本を抱いて、居眠りをしていて、そして寝不足で隈ができている、揺れている。

季語に5音を使いましたから、残り12音でこれだけのことを表現しなければ、東野さんの言いたいことがすべて収まりません。

まぁ無理ですよね。

 

先生は2つに分けることを提案していました。

若楓と台本で一句、若楓と隈で一句。

今回は台本で添削をしていました。

 

私も近頃少し俳句を詠むようになりました。

なので勉強になりました。

より実感のこもった勉強になった感じがします。

 

夏井先生は東野さんを観て「みつえちゃん」とわかったみたいです。

朝ドラを観ていて応援していると。

テレビは『プレバト!!』と朝ドラしか観ていないと仰っていました。

つまりは『NHK俳句』を観ていない。

以前、選者をお務めだったはずですが。

 

1位は菊池さん

1位は菊池さんでした。

点数は70点。

 

句は、お子さまが小さい頃に、子どもの昼寝の時間に自分も眠たくなって、子どもに本を読み聞かせのために持っていた『ぐりとぐら』の絵本をご自身の顔に乗せたことがあった、そのことを詠まれたようです。

日差しを避けるためですね。

 

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

菊池さんは絵本のタイトルをそのまま俳句に用いることへの抵抗があったようで、挑戦したなどと仰っていたかと思います。

先生はこの点、『ぐりとぐら』は有名な絵本で知らない人はいない、つまり俳句に用いて問題はないとのご判断でした。

 

添削は基本的にはなかったです。

ただ万が一『ぐりとぐら』を絵本と知らない人のために、「ぐりとぐら」とカギカッコで括ってあげると良いとのこと。

それで作品名だとわかります。

原句はカギカッコがありませんでした。

 

俳句はカッコや句読点は基本的には使わないです。

何が何でも使ってはいけないのではなく、今回のように読み手の配慮のために用いるなど、理由が明確であるならば使ってOKということでしょう。

 

昇格試験

今回は「村上健志」さんの昇格試験がありました。

村上さんは試験を迎えて「名人10段☆3」でしたっけ。

昇格なさったら名人10段☆4になるようです。

 

句は、外国人の庭師の方は普段流暢な日本語を話されるのに、休憩時に寝ているときの寝言だけは母国語だったことを詠まれています。

 

結果は「1つ後退」。

理由は「季語への配慮が足りない」でした。

 

私は原句を最初聴いたときにとても良い句と感じました。

こういうシーンを俳句の句材と気づけて、切り取る能力は、出演者の中でも抜きん出ていると思います。

先生も、状況そのものに詩があると評価なさっていました。

 

しかし、先生からの査定の理由や解説、添削を拝見・拝聴すると仰るとおりでした。

季語が主役になっていないのですね、原句は。

原句は庭師が主役になっています。

 

俳句はあくまでも季語が主役です。

言い換えますと、季語は単なる飾りではなく働かせる必要があります。

 

季語が主役になっていない、それはそのとおりと感じました。

ところが今回、先生が添削した後の句が良いかと言われると、私にはそうは思えませんでした。

添削句は「句またがり」の8音+9音です。

その結果、通常の中七の言葉が「寝言庭師」と続いて、熟語と熟語がぶつかっています。

 

『プレバト!!』では便宜上、句の上五・中七・下五がそれぞれ改行して表示されます。

ところが実際の俳句は17音がすべて一行で書かれます。

作者の狙いがない限りスペースも入りません。

 

添削句を一行にまとめて書いてみると、添削句は綺麗に見えないのですよね。

一行にしたときの文の美しさは原句の方が良いと思います。

ぜひ皆さんも紙でもネット上のメモでも良いので、一行に句をまとめてみてください。

フルーツポンチ村上健志の俳句修行

 

ここからは査定とは別の話になります。

村上さんは『フルーツポンチ村上健志の俳句修行』なる本を出版なさいました。

番組では本のことも取り上げられていましたね。

永世名人が句集作りをしているのに、名人10段☆2に落ちた村上さんが先に俳句本を出すという。

 

梅沢さんの俳句史に残る句集作り

永世名人である梅沢さんの句です。

梅沢さんの句集に入れる俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。

 

今回の判定は「ボツ」でした。

前回は採用でしたが今回は残念ながら。

 

句は、ご自身の3人のお子様が小さいとき、3人揃って昼寝をしていてもじっとしておらず、縦横斜めに寝相を変えている、そんな様子を詠まれていました。

 

先生がボツとした理由は「大切な情報が足りていない」です。

発想は良いとした上で。

 

大切な情報とは子どもの人数だそうです。

「子ら三人」として、さらに縦横斜めの後に「逆」とし、もう少し展開させると面白いと添削していらっしゃいました。

先生はここからさらに手を加えて、改作をしています。

それは昼寝をしている子を梅沢さんのお子様と限定せず、「三人」に用いた3音を「園児ら」としていました。

園児らが縦横斜めになって昼寝をしている、それを保育園の先生が観てくすっと笑う、このようにしたらどうかと。

なるほど、改作の園児の方が良い句になりましたね。

 

おわりに

ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「昼寝」を視聴しての感想を書いた記事でした。

 

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

 

 

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