『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年4月15日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが、2021年4月15日の放送でも扱われました。
今回のお題は「リュック」です。
番組では赤いリュックの画像が掲載されていました。
画像のものとは商品は異なります。
リュックそのものは季語ではないようです。
リュックを詠んでも、リュックから発想を飛ばしても良いですが、季語は入れないと俳句にはなりません。
この回ではお笑いタレントの「石塚英彦」さん、俳優の「本上まなみ」さん、Kis-My-Ft2の「二階堂高嗣」さん、お笑いコンビ「アインシュタイン」の「稲田」さん、フリーアナウンサーの「鷲見玲奈」さん。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「森口瑤子」さんが出演していました。
レベルが
前回「あくび」回は出演されていた皆さんの俳句のレベルが比較的高かったです。
「才能なし」判定をされていた方はいらっしゃらなかったと思います。
今回は前回に比べると採点が低い傾向にありました。
「才能アリ」と「凡人」がお一人ずつ、「才能ナシ」が三人でしたか。
最下位はアインシュタイン稲田さん。
稲田さんは花粉を「春粉」として詠んでいらっしゃいました。
春粉が稲田さんの造語で、読み手に何を詠んだものか伝わらない評価。
まぁわからないですよね、説明を聞いて何とかという。
句材に詩心を感じられませんし。
4位が二階堂さん。
ご健在のお父様が亡くなったというフィクションを詠んでいらっしゃいました。
釣りをしていて亡き父のことを思い出した句でしたっけ。
お父様はご健在だそうですけど。
原句では「思い昂ぶる」とか「亡き父」とか詠んでいました。
そこを詠まずに亡くなったのかなと読み手に思わせることが俳句であるとの先生のご指摘でした。
二階堂さんは俳句カテに結構な回数出演されているみたいです。
しかし根本的なところでの俳句の理解が足りていらっしゃらない気がしてなりません。
3位が鷲見さん。
旅鞄を枕にして朧月を眺めていたことを詠んでいらっしゃいました。
原句では「枕に寝て見る朧月」としていたことが余分であると指摘されていたでしょうか。
枕と書いたのなら寝るものだろう、月は見るものだろうということですね。
余分な4音を別のことに使えるでしょうと。
2位は石塚さん
2位は「石塚」さんでした。
60点。
句は、暦の上では雪解けをしていても実際に雪はまだ解けていない、鞄に仕事道具を詰め込んでも仕事に出られない現状のもどかしさを詠まれたものです。
新型コロナウィルス感染拡大のために、ロケの仕事に出たいのに出られない心境のようでした。
梅沢さんは、原句の「真の雪解」としている点に触れていらっしゃいました。
季語としての「雪解」は雪が解けること、あるいは解けるときのことを意味しています。
つまり雪解けに真も何もないというご指摘ですね。
先生もまさにその点をご指摘していらっしゃいました。
季語を信じること。
前回「あくび」回で、梅沢さんご本人が先生から指摘されていたことです。
俳句で雪解を用いるならば、否応なしに季語として認識されます。
先ほど書いたとおり、雪が解けている状態やその様子が雪解なのですから、「時期」かどうか、「真」かどうかではないのです。
作者がそれを意識しているかしていないかの問題でもなく。
自分の解釈で季語をアレンジすることは良しとされないですね。
先生は、石塚さんが「真の」に使った3音を、「旅支度」が途中なのか整ったのかを描写するために使う添削をなさっています。
具体的には「真の」を削除して「旅支度整う」とし、それでは1音多くなりますから「雪解」を「ゆきげ」と読むことで音を整えていらっしゃいました。
1位は本上さん
俳句カテゴリで今回1位を獲得したのは「本上まなみ」さんでした。
得点は「70」点。
句は、お子様が2歳のこと親の真似をしてリュック使いたがり、せっかくなので小さなリュックにおむつを入れ、そのリュック背負わせて親子で山を楽しく歩いた様子、それを詠まれていました。
季語は「山笑う」を採用していらっしゃいました。
牧歌的な雄大さと朗らかさのある、個人的に好きな季語です。
先生による添削はなし。
「これが俳句ですよ」と絶賛していらっしゃいました。
季語が引き立つ良句でしたね。
俳句は季語が主役であることがよくわかる、私のような初心者が参考したい句と感じます。
昇格試験
今回は「森口瑤子」さんの昇格試験がありました。
森口さんは試験を迎えて「特待生3段」のため、昇格なさったら特待生2段になるようです。
名人まであと少し。
句は、花見や花の時期に出かけて疲れて帰宅したとき、鞄にしまった家のカギを探すけどなかなか見つからない、そんな様子が詠まれていました。
季語は「花疲れ」。
結果は「1段昇格」。
「リュックの底の底に」とした助詞の使い方が効果的で「手の感触が伝わる」句になっていると評価されていました。
確かにカギを手の触覚だけで探すことのもどかしさがよく表れています。
中身をすべて取り出した方が、結果早かったんじゃないかってこと、多くの人が経験したことがあるかと思います。
季語の花疲れとも響き合う良い句でした。
私なら「リュックの底の底に」を「リュックの底のそこに」にしたかもしれません。
「底」と「there」の両方を意味を持たせる狙いで。
それがより良い狙いかはわからないものの、こういうアイデアが思い浮かびました。
梅沢さんの俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんの句です。
梅沢さんの句集に入れる俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
今回は「ボツ」でした。
連続でボツですね、このところ。
句は、キャンプをしていて飯盒(はんごう)でご飯を炊いていて、しばらく飯盒を逆さにして蒸らしているときに、ふと空を見上げると雲雀(ひばり)が飛んでいて、それを眺めてのどかだなぁと感じた、そんな様子を詠まれていました。
ほんわかした春の陽気を想わせる句です。
先生がボツとした理由は「配慮が足りない!」。
飯盒炊爨は、以前は蒸すときに飯盒を逆さまにしていましたが、現在は逆さまにしないで良いのだそうです。
私はこの辺のことをまるで知りませんけど番組によるとそうみたいです。
梅沢さんは中七を「逆さにしばし」としていました。
なので逆さまにしていたことの理由が欲しいみたいです。
飯盒炊飯で飯盒を逆さまにして蒸らすことを知らない世代が育っているのだから、その情報を入れた方が良いということ。
添削は「逆さに蒸らし」としていました。
蒸らしているとすれば、逆さまにする理由がわかりますし、蒸らし終わるのを待っている時間を内包する言葉になりますから。
そういう小さな配慮が欠けていたからボツ。
理由を聞くとなるほどと納得できます。
中七の終わりを「蒸らし」とすることで、下五の「揚げ雲雀」への音の流れも若干良くなった感もあります。
勉強になりました。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「リュック」を視聴しての感想を書いた記事でした。
『プレバト!!』を観れば観るほど、自分で俳句を詠めば詠むほどに、季語の重要さを痛感します。
助詞の難しさも。