ディスディスブログ

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優勝は2度目のあの人。『プレバト!!』の2021年「春光戦」決勝の結果と感想。季語のアレンジを学びました

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『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年3月25日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。

春のタイトル戦「春光戦」の決勝が行われました。

視聴した感想を書いています。

 

目次

 

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MBS『プレバト!!』

テレビ番組『プレバト!!』についてです。

 

www.mbs.jp

 

人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。

 

公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。

あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。

中でも俳句がメインコンテンツと思われます。

 

放送時間

放送時間について。

放送は毎週木曜日の19時から20時までです。

 

出演者

出演者です。

メインの司会は「浜田雅功」さんです。

ダウンタウンの浜ちゃんですね。

 

アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。

ナレーションが「銀河万丈」さん。

 

俳句の査定員は「夏井いつき」さん。

俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。

 

2020年版 夏井いつきの365日季語手帖

 

最近見始めた

実は私は『プレバト!!』を最近見始めています。

継続して観ているのは1年ほど前、2019年末くらいからでしょうか。

 

番組の存在は何年も前から知っていました。

しかし当時はどうも夏井先生の言葉の強さと荒さが受け付けないと感じてしまい、少し観ただけでそれから全く観ていませんでした。

その後、夏井先生が『NHK俳句』の選者に就任されてから、あああれはやはりエンターテインメントとして、役として演じている部分も大きいのかと思い至りました。

 

それからは夏井先生の印象が大きく変わって、ずいぶんと間が空きましたが、2019年末くらいからようやく継続して観るようになっています。

元から民放のバラエティ番組を好んでいないことも理由としては大きいでしょう。

 

2021年「春光戦」

2021年2月18日から俳句の2021年春のタイトル戦「春光戦」が本格的にスタートしました。

何回かの通常放送と放送休止を含め、2021年3月25日の放送でようやく決勝が放送されています。

さすがに長過ぎです。

 

出場者と組み合わせ結果

2021年「春光戦」の出場者です。

 

  1. 梅沢富美男(永世名人)
  2. 東国原英夫(名人10段★4)
  3. 村上健志(名人10段★3)
  4. 藤本敏史(名人10段★1)
  5. 横尾渉(名人6段)
  6. 中田喜子(名人5段)
  7. 千原ジュニア(名人4段)
  8. 松岡充(特待生1級)
  9. 皆藤愛子(特待生2級)
  10. 向井慧(特待生5級)

 

敬称略で失礼します。

決勝に勝ち進んだ10人は上記のとおりです。

段位順、同じ段位の場合は五十音順です。

 

段位等間違いがあったら申し訳ありません。

 

中学校の教科書に掲載

2021年「春光戦」とは別に、2021年3月25日放送では俳句に関する大きなニュースがありました。

それは中学3年の国語の教材に、『プレバト!!』で扱われた俳句が3句、掲載されることになったことです。

掲載される3句を詠まれた方は、「皆藤愛子」さんと「横尾渉」さんと「梅沢富美男」さんのお三方とのこと。

以前もフルポン村上さんと藤本さんでしたっけ、教科書に掲載されたことが話題になっていました。

歳時記に載ったこともありましたか。

 

教科書ガイド 中学3年 国語 光村図書版

 

兼題「じゃんけん」

今回のお題は「じゃんけん」でした。

 

春光戦決勝の結果

2021年「春光戦」の決勝戦、その結果です。

優勝者は横尾さんでした。

 

  1. 横尾渉(名人6段)
  2. 千原ジュニア(名人4段)
  3. 梅沢富美男(永世名人)
  4. 村上健志(名人10段★3)
  5. 中田喜子(名人5段)
  6. 藤本敏史(名人10段★1)
  7. 東国原英夫(名人10段★4)
  8. 皆藤愛子(特待生2級)
  9. 松岡充(特待生1級)
  10. 向井慧(特待生5級)

 

敬称略で失礼します。 

 

4位までが次回のシード権を得られるようです。

次々回でしたっけ、秋の大会のシード権です。

横尾さんから村上さんまでがシード、中田さん以下が予選から。

 

感想

『プレバト!!』2021年「春光戦」決勝の放送を視聴しての感想です。

 

東国原さん

東国原さんの7位が最も意外で最も驚きました。

個人的には出演者の中で東さんが一番力のある方と思っていて、今回も優勝候補の筆頭にいらっしゃると考えていました。

 

東さんの詠まれた句は、お題の「じゃんけん」から一年ほど前に新型コロナウィルスの感染により亡くなられた「志村けん」さんへと想いを向けたものでした。

「志村けんさんの一周忌」と前置きをした上で。

 

志村さんというと「最初はグー」の発案者ですね。

今でも普通に使いますからすごいですよね、お一人のアイデアが文化にまで昇華しているのですから。

 

ただ今回の東さんの俳句は少々、レベルが高くなかったように感じたことも事実です。

どこかが明確に悪いという句でもなく、かと言って格別良くもなく。

これまで東さんが読んできた句に比べるとやや浅かったかなと。

他の人の作品を見てしまうと尚さらでした。

 

個人的な考えを言わせていただくと、季語にアレンジを加えることは良しとはしません。

東さんは「山笑う」ではなく「山も笑う」としていました。

季語の「山笑う」とは、春になって山には若い草が生えてきて、木々からは花が咲き始め、若い葉も出て、鳥などの動物も活動的になってきた、それはまるで山が笑っているようだと表しているのでしょう、たぶん。

志村けんさんの一周忌を詠むことで、志村さんの芸に山「も」笑っているとしたのだと思いますけど、季語の本意からは離れているように私には受け取れます。

 

梅沢さんも、東さんと同じ句材を選んでいらっしゃいました。

「最初はグー」から志村けんさんの一周忌を詠んでいます。

梅沢さんは添削がなく、東さんの句よりも上位でした。

東さんも梅沢さんの句は自分の句より上であると認めていらっしゃいました。

お互い敬意を感じられるやり取りでした。

 

村上さんの「に」

個人的に『プレバト!!』で一番推しているのは村上さんです。

切り取り方や言葉選びのセンスが図抜けているように思えます。

 

しかし今回村上さんは優勝ならず、4位でした。

シードは獲得できましたが、残念でした。

 

句は、ケイドロ(警泥)をしている子どもたちの牢屋に使っていたのは、花の咲いているお寺の鐘楼であることを詠まれたものでした。

 

添削は原句の「牢に鐘楼」の部分を「牢は鐘楼」と助詞を変更されています。

先生はこの「に」が散文的であると指摘していらしたでしょうか。

「牢屋に鐘楼が使われています」と言っている「に」になってしまったと。

なるほど。

助詞は難しいですね、私には添削後の「は」が説明的に感じられ、これはこれで良くは思えませんでした。

私の助詞の理解が足りていないのでしょう。

 

ただ、下五を「花の寺」としたところ、これはさすが村上さんだなと感じました。

子どもたちがケイドロをしている比較的狭い様子から始まって、最後は視点をぐっと引いて桜の花が咲き乱れているお寺という壮大な締め方をしていました。

「花」は俳句の世界では桜を指すはず。

スケールの小→大を、わずか5音でここまで表現できるものかと、映像的な締めくくりに感服しました。

 

夏井先生も助詞の問題さえクリアされていたら、村上さんが1位だったと仰っていましたね。

 

中田さん

中田さんが村上さんの次、5位でした。

 

礼を失する

俳句以前に、今回の中田さんの礼を失した言動を見て失望しました。

 

中田さんは、予選では村上さんたちと敗者復活戦にまわりました。

敗者復活の勝ち抜けが誰になるか決まるとき、村上さんは自分は添削を受けていないから添削された中田さんより有利であることを主張しています。

中田さんはそのことが強いストレスだったようで、決勝戦では村上さんを目の敵にするかのような言動を何度かしました。

 

一番気になったことは、村上さんが4位と発表されたときです。

そのときは1位がまだ発表されていなかったため、村上さんが優勝するかもしれない状況でした。

村上さんが優勝ではなかったと知るや否や、中田さんは満面の笑みで、大きな拍手までして喜んでいました。

 

はっきり申し上げて極めて下品な行為と感じます。

 

嫌なことをされたから、同じように相手に嫌なことをし返してやろうということですよね。

相手と同じレベルにまで品位を落として。

いえ、全然同レベルではないですね。

村上さんは言い方こそあれですけど、指摘そのものはごく当たり前のことでした。

添削された句よりも添削されなかった句の方が優位であると言っただけですから。

そして、村上さんは中田さんが5位になったときに、笑ったり拍手をしたりして喜ぶ素振りを見せませんでした。

 

しかも今回の結果は村上さんが4位で中田さんが5位でした。

つまりご自身は俳句で村上さんに負けています。

シードからも落ちています。

 

そんなに悔しかったら優勝までいかなくとも、村上さんと同等か上回る句を作れば良いでしょう。

しかし作句でも討論でも敵わないから、せめて彼が優勝できなかったこと喜んで・拍手をしてやり返そう、彼女の言動からはそんな思考が読み取れます。

 

そんなことをする人が本当にいるのですね、驚きます。

1ミリも理解できない、理解したくもない行為でした。

低劣ですよ、あのようなこと。

 

エンタメとして見ても、私にはどこが面白いのかさっぱりわかりませんでした。

 

アクリル板越しじゃなく直接

申し訳ありません、もう少し書きます。

これまで書いたことよりもっと印象の悪かったことです。

 

それは村上さんが4位の席についたときのこと。

中田さんが5位、村上さんが4位でしたから2人は隣同士です。

席は、最上段の1位から最下段の10位まで順番に階段状に並べていて、一画面になるべく多くの出演者を収めたいからでしょう、席と席の間隔が狭くなっていました。

新型コロナウィルスの感染対策としては、席の間にアクリル板を設置して対処していました。

 

問題はここから。

村上さんが4位の席に座って句に関してあれこれ話をしているときです。

マスクなどをしていない中田さんが、アクリル板の前まで身を乗り出して、村上さんを覗き込むようにして、興奮気味に声を張り上げたのですね。

アクリル板越しではなく、飛沫が直接、村上さんに飛んだことでしょう。

 

皆さんご存知のとおり、放送時点では新型コロナウィルスの問題が解決していません。

そして先述したとおりに、番組では2020年に新型コロナウィルスで亡くなられた志村けんさんのことに触れていました。

 

その上で。

その上で、番組スタッフが出演者の新型コロナウィルス感染から守るための施策を、彼女は意図的に無いものにしました。

ご自身の言いたいこと・やりたいことのために、あるいは憂さを晴らすために、他人の生命の危険すら顧みない行動をとった。

先ほどのこと以上に、私にはまったく理解できなかったです。

 

仮にあの行為によって村上さんが新型コロナウィルスに感染なんてことになったら、志村さんを始め、新型コロナウィルスにより亡くなられた方々が浮かばれませんよ。

東さんや梅沢さんが故人を偲んで詠まれた意味がない。

酷い行動でした。

 

ちょきを「だす」

気を取り直して、句にも少し触れましょうか。

じゃんけんで「ちょき」を出す子が春の陽光を突き破るほどの活発さを持っている、そういうことを詠んだ句だったと思います。

 

彼女の句は、4位以上の順位の方々が詠まれた句とは大きな差がありました。

目の前で起こっている「じゃんけん」から、最後に空へと目線を向けさせることで、村上さんのような映像的な壮大さを演出したい気持ちは伝わりました。

私が彼女の狙いどおりに解釈できているか自信はありませんけど。

しかし「『ちょき』だす」の「だす」が不必要なことは、素人の私にも気づけたので、そこに気づけない時点でシードから落ちるのは当然かなと感じます。

 

ジュニアさん

2位はジュニアさんでした。

番組では最初に2位は誰かが明らかになっていました。

ジュニアさんは自身が2位とわかった瞬間に、まるで優勝したかのように喜んでいらっしゃいました。

 

それはそうですよね、段位を考えれば。

梅沢さんや東さん、村上さん、藤本さん、横尾さん、中田さんといった自分より段位が上の出演者の6人うち、放送時点で既に少なくとも5人に勝っているのですから。

 

dysdis.hatenablog.com

 

私は既にジュニアさんの実力は段位より上にあると思っています。

段位が実力を反映していないだけで。

 

【季節の傑作選:「秋編」】2005/10/30放送

句は、アニメ『サザエさん』のエンディングのジャンケンのとき、幼いお子さまが後出しジャンケンをしたのに「あいこ」になっていた様子を詠んでいました。

2020年金秋戦で優勝されたときもお子様のことを詠まれていました。

 

添削はなし。

ジャンケンというより画面に出た指の形を真似ただけでしたっけ、可愛らしい句です。

 

横尾さん

優勝は横尾さんでした。

2回目の優勝ですか、1回目の優勝がまぐれではないことを自ら証明してみせました。

 

句は、浜風とスクイズと土埃としたことで、明確に高校野球の春の選抜を想わせる句になっていました。

 

季語としての「風光る」の意味は何でしょう。

春の風が光るように感じられるほど、世の中の生命という生命が活気づく、生命力にあふれる様子を指しているでしょうか。

以前も書いたと思いますけど、春の季語はそういった期待感や高揚感と一緒に、卒業など別れの寂しさや切なさを含んでいると思います。

だからこそ輝いているのですよね。

 

東さんと同様、横尾さんも季語をアレンジしてきました。

風光るを「浜風光る」として。

ところが横尾さんのアレンジはありと感じられます。

ありと感じられる理由は、浜風光るとしても風光るの季語の本質的な意味を損なっていないように受け取れるからでしょう。

甲子園は負ければそこで終わり、中には野球部を引退する生徒もいるでしょうし、野球を辞める生徒もいるかもしれません。

青春の輝きと別れの切なさを持ったアレンジで、中七・下五とよく響き合っていました。

勉強になります。

 

季語の科学

 

2021夏のタイトル戦のルール

2021年夏のタイトル戦はこれまでとはルールが異なるようでした。

 

今まで番組に出演して才能ありに選ばれた全ての方に参加資格があるようです。

資格を持つ皆さんから俳句を募って、上位10名で争う感じになるみたいでした。

 

才能ありには「又吉直樹」さん等も含まれているそうで、参加されるのか楽しみですね。

 

気になる点は、1人つき1句しか投句できないのか、制限なく投句できるのか、です。

どうなのでしょう。

 

ちなみに今回のシード権は2021年秋に適用されるとのことでした。

 

おわりに

ということで、MBS『プレバト!!』の2021年「春光戦」決勝を視聴した感想を書いた記事でした。

 

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

 

 

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