先日『ホンダF1』が2021年いっぱいでF1への参戦を終了することが明らかになりましたね。
めっちゃショックでした。
目次
ホンダF12021年をもって参戦終了
ホンダF1は2021年シーズンをもって、F1への参戦を終了する報道がなされました。
2020年10月2日に発表されました。
リンク先は『本田技研工業』の広報発表のニュースです。
納得がいかない
私はどうも今回のホンダのF1参戦終了に対して、腑に落ちないと言いますか納得がいかない気持ちがあります。
2050年のカーボンニュートラルを目指す
ホンダのF1参戦終了の理由についてです。
上記リリースによれば、参戦終了の理由は「『2050年カーボンニュートラルの実現』を目指す」からだとあります。
カーボンニュートラルとはおそらく「二酸化炭素排出量ゼロ」の意味でしょう。
F1は2014年シーズンから2020年現在まで「パワーユニット」を動力としています。
パワーユニットとは「内燃エンジン」と「ターボチャージャー」、「エネルギー回生システム」、「バッテリー」によって構成されたハイブリッドシステムです。
2050年にカーボンニュートラルを実現させるためには、現行のF1パワーユニットの研究開発にリソースを注ぐ必要を感じなくなったということなのでしょうか。
2030年までのカーボンニュートラルを目指す
その一方で実はF1も昨年2019年に、2030年までのカーボンニュートラルを目指すと宣言しています。
上にリンクを貼った記事はそのことが書かれた記事です。
F1を続けた方が目標の実現が早くない?
F1もカーボンニュートラルを目指しているのなら、ホンダがこのままF1に参戦し続けても目指す道のりに変わりはないように思えます。
それどころか参戦をし続けた方がカーボンニュートラルの実現が早くのではないかと思えます。
ホンダは2050年、F1は2030年。
F1で期限内に達成できれば、その技術を市販車に転用するまで、さすがに20年もの年月はかからないでしょうから、ホンダが掲げた2050年より早く実現できるかもしれません。
もちろんF1に参戦し続けても2030年までにカーボンニュートラルを実現できないかもしれません。
しかしそれを言ったらホンダだって2050年までにカーボンニュートラルを実現できないかもしれませんよね。
それなら高い競争力を求められるF1に身を置いて技術を磨いていた方が、目標実現の近道になりそうな気がしてしまいます。
チャンピオンを取れたら?
ここからはさらに邪推ですけど、今年2020年にレッドブル・ホンダがF1のコンストラクターズチャンピオンになっていたら、参戦終了を発表したでしょうか。
今年マックス・フェルスタッペンがドライバーズチャンピオンになっていたら、チャンピオンを取りそうな位置にいたら、参戦終了を発表していたでしょうか。
私の推測では「否」です。
今年チャンピオンを取れていたら2020年以降もF1の参戦を続けていたのではないかと私は思っています。
あくまでも私の推測、憶測です。
シーズン前のテストやシーズン開幕直前の彼らの発言からは、今年本気でチャンピオンを取れると考えている、本気でタイトルを狙っている節がありました。
節だらけです。
ところがいざ蓋を開けてみると皆さんもご存じのとおり、王者メルセデスに対して昨年よりもさらに水を開けられてしまっています。
今年のタイトル奪取がほぼ絶望的になり、現行レギュレーション最終年となる来年は新型コロナウィルス感染拡大の影響から予算が削減されることもあって、今年のマシンの流用パーツが多くなると予想され、来年のタイトル獲得も厳しい現状です。
今年メルセデスに見せつけられた差は、ホンダの上層部に「このままF1を続けていても勝てない」と思わせるには十分だったのではないか。
それこそが参戦終了の一番の理由ではないかと私は思っています。
いえ、カーボンニュートラルの実現そのこと自体に嘘はないでしょう。
しかし先ほど書いたように、F1を続けていてもカーボンニュートラル実現への道筋はあったはずですから、その他にも理由があったと思ってしまいます。
参戦終了の決定がまずあって、その理由付けにカーボンニュートラルが使われているのではないかということです。
事実がどこにあるのかは私にはわかりません。
ブラックに限りなく近いグレーが多すぎる
しかし昨今のF1にはブラックに限りなく近いグレーと思える部分が多すぎると感じられます。
例えば、昨年のフェラーリの燃料流量疑惑とFIAとの謎の合意、それに対して他チームが徹底追及しなかったこと、今年のメルセデスのDASに関するFIAのレギュレーション解釈や同じくメルセデスの開幕後の謎の白煙疑惑、レーシングポイントのコピー問題とそれに対する各チームの抗議と却下の流れ。
どうして抗議を却下するのかといえば、却下することで何らかの利益を得られるからでしょう。
とまぁこの1年ほどの間に起きたことを挙げただけでも相当にドロドロしています。
今思いついたことだけを挙げたので、実際はまだまだあると思います。
ホンダはこれらにほとんど関与していないように見えます。
そこには「ヨーロッパ発祥の競技であるF1にアジアのメーカーが挑む」ことの限界があると捉えられなくもないです。
蚊帳の外感がありますから。
先ほど「このままF1を続けていても勝てない」と思ったのではと書きましたが、それは純粋に実力が足りないからという意味だけではなく、政治的に勝てないという意味でもあるかもしれません。
むしろそちらの理由の方が大きいのかも。
ホンダはそんな政治色の強すぎるF1の現状に嫌気が差したとも受け取れなくもなさそうです。
さすがにそのようなことは公に発言できないですからねぇ。
参戦終了の重み
「参戦終了」の言葉は重いです。
撤退ではなく参戦終了ですから、一時的なものではなく恒久的なものに受け取れます。
ホンダは今後F1に戻ることはないだろうと思わせる表現です。
前述したように、ホンダはやはり今の政治的なF1は自分たちの求めているものではないと判断されたのでは? などと邪推してしまいます。
おわりに
ということで、ホンダが2021年シーズンをもってF1を参戦終了する報道についての感想を書いた記事でした。
レッドブルがホンダの知的財産を買い取ってPUを自社生産するとか何とかという噂もあるようですね。
ルノーと喧嘩別れしたので再結成は難しいでしょうし、フェラーリやメルセデスは供給を躊躇しそうですし。
となるとなくはない噂に感じられます。
ホンダのエンジニアの中にもF1に魅力を感じて続けたい方はいらっしゃるでしょうし、ホンダの苦戦ぶりを見てしまっては他のメーカーも参戦しにくいでしょうから。