ヴォーカルユニット「Voice」のアルバム『♮ (natural) 』をAmazonで購入しました。
CDジャケットの紹介や曲を聴いた感想を書いています。
目次
「24時間の神話」
1993年と思いますが、TBSの音楽番組『COUNT DOWN TV (CDTV) 』を観ていました。
確か、同時期に「class」の『夏の日の1993』などがランク入りしていたので、1993年と記憶していますが、定かではありません。
番組を観ていたところ、「Voice(ヴォイス)」というバンド名の『24時間の神話』という曲がランクインしていました。
初めて聴いた瞬間に「この曲良いわぁ。好きだわぁ」と、一目惚れならぬ一耳惚れをしたのです。
見逃しているだけかもしれませんけど、他の音楽番組ではこの「Voice」を観たことがなく、毎週CDTVのランキングで映る一瞬だけを楽しみにしていた記憶です。
10位以内に入れば1曲10秒から15秒くらいは扱うのでしょうか? もっと?
ですから、どのような人なのか、そもそも1人なのか2人なのか3人、4人なのか、そこからしてわからない始末です。
一耳惚れをしたにも関わらずCDなどは買わずにいました。
今思うとどうしてCDを買わなかったのかわかりません。
当時まだ学生だったので、アルバイトをしていなったのか。
あるいは、JPOPをあまり聴いていなかった時期でしたから、邦楽CDを購入することがダサいと考えていたのかもしれません。
しかし、あれからもう25年も経つ間も、時折「24時間の神話」のことを思い出していましたから、忘れることができない曲だったのです。
最近は「井上陽水」さんなど、1970年代や80年代の楽曲をよく聴いています。
その流れから、今回「Voice」の『24時間の神話』をCDという形のある状態で手元に置いておきたい、そういう衝動が走りました。
止められなかったですね。
『♮ (natural) 』
今回紹介するCDはタイトルが『♮ (natural) 』となっています。
「ナチュラル」。
画像がジャケット(ブックレット)の表とジャケット裏。
クラシックのアルバムかのような、優しいデザイン。
ブックレットの裏表紙とCD。
状態はカバーに若干のひび割れがあったものの、中身は良好でした。
購入店と価格
本作は『Amazon』で購入しました。
価格は387円(税抜き)でした。
プラス送料で719円。
説明
本作の簡単な説明です。
『♮ (natural) 』は「Voice」のファーストアルバムだそうです。
1993年9月9日リリース。
レーベルは『ソニー・ミュージックエンタテインメント』。
「♮」は音楽記号ですか。
シャープやフラットを戻すみたいな意味があったような。
「Voice」
「Voice」は「別所秀彦」さんと「別所芳彦」さんによる双子のヴォーカルユニットだそうです。
北海道出身。
双子だと今知りました……。
一卵性双生児だそう。
どうりで声が似ていると思った。
曲リスト
『♮ (natural) 』の曲リストです。
- ベルが鳴るように…
- 泣きながらKissして
- 24時間の神話
- 空に投げかけた夢を忘れない
- LOST A GAME
- Friend's Song
- [bu:m]
- MOON 〜月夜は女神もさまよう〜
- 幕切れのレイニーダンス
- はじまりはALONE
曲のリストは上記のようになっています。
全10曲、トータル48分。
作詞は秀彦さん、作曲は芳彦さん。
編曲は「梅垣達志」さん。
2曲目のみ「松本隆」さんが作曲を担当されているようです。
色々なところに登場しますね、「はっぴぃえんど」関連の方々は。
聴いた感想
『Voice』の1stアルバム『♮ (natural) 』を聴いた感想です。
これから書くことは、あくまでも私の感想です。
絶対的な評価ではないことをご了承ください。
見当違いなことを書いていたり、認識に誤りがあったりしたら申し訳ありません。
感想は「とても良い」です。
極めて良いと言っても何ら差し支えないです。
アルバム全体の世界観が統一されています。
また1曲1曲の完成度が非常に高いと感じました。
音楽のジャンルは?
音楽のジャンルは何になるのでしょう?
大きく分ければジャンルは「J-POP」と思います。
取り込んだiTunesにもジャンル欄に「Pop」と書かれていました。
アルバムを聴くと歌謡曲やフォークの香りも漂いますし、5曲目「LOST A GAME」はロックテイストなアレンジですし、ニューミュージックやシティポップとも言えそうですし。
ポップスと言ってもアバウト過ぎるような気がしないでもないです。
クリアな声
一番に感じるのは、別所兄弟の声の「綺麗さ」です。
メインで歌っているのは芳彦さんの方だそうです。
芳彦さんだけでなく秀彦さんも、淀みないがない声です。
タンが喉にからむなんてことを人生で経験したことがないのではないかと思ってしまうくらい、声が何もどこにも引っかからずに喉から出ているように聴こえます。
お二人のハーモニーが素晴らしいです。
先ほど少し書いたように、双子だからなのか、まるで一人がメインヴォーカルとコーラスを両方行って多重で録音をしたかのようにピッタリ。
でもやはり一人で録音をしているのとは異なり、別の人の声だとわかることはわかります。
その混ざり具合とわずかな異物感、この絶妙なマーブル具合が、「Voice」の歌声が綺麗に聴こえる秘訣なのかもしれません。
それと特に芳彦さんの歌が非常に上手ですね。
巧い。
H2OとVoiceとゆずの系譜
「Voice」は「H2O(エイチ・ツー・オー)」とか「ゆず」とかの男性ユニットを想起させするヴォーカルとハモリです。
私がそう思った主な理由は、同じデュオの音楽グループだからでしょう。
80年代が「H2O」、90年代後半からが「ゆず」、その間にいるのが「Voice」であり「class」の印象が私の中にあります。
「コブクロ」もデュオという意味では同じです。
でも彼らは少々毛色が異なる感じがしますので、この系譜には属さないですね、私の中では。
タイトル「♮」の意味
声のクリアさに通じることは、本作のタイトルにもあります。
散々書いているとおり本作は『♮ (natural) 』のタイトルです。
読みは「ナチュラル」。
音楽記号としての♮の意味は、「♯(シャープ)」や「♭(フラット)」を解除するものだったと思います。
また、シャープ、フラットでアレンジされた社会、日常、自分自身の心を本来あるべき姿に戻す。
ブックレットには上記引用部のように書かれていました。
「米山智美」さんが書いた文章のようです。
本作のタイトルがどうして「♮」なのか。
その理由・意味はこの一文にあるのだと私も思います。
声にしても歌詞・メロディにしても、ニュートラルな状態にあるような。
クリアでセンチメンタル
本作は「クリアでセンチメンタル」な楽曲で構成されています。
秋から冬にかけての、人肌恋しい、淋しさ、切なさを覚える季節にとてもよく似合うアルバムです。
お二人とも透明感のある歌声ですから、楽曲にマッチしています。
そういったイメージは楽曲や歌声だけでなく、お二人が北海道出身という情報を得たことで、より強くなりました。
アルバムを聞いていると、冬の北海道のイメージが私の脳内に広がります。
「24時間の神話」
これですよ、「24時間の神話」。
3曲目に収録されています。
CDTVを観ていたときはフルコーラスを聴いたことがありませんでした。
今回長年の念願が叶ってフルコーラスを聴くことができました。
イントロからしてセンチメンタル、メロウなAメロ、サビへと展開するBメロの盛り上げ方、そしてドラマチックなサビ、ラストの締めるところも全てが完璧です。
これは後世に残して欲しい名曲の1つではないかと。
タイアップ
本曲「24時間の神話」はドラマとタイアップされた曲でもあったようです。
フジ・東海テレビ系ドラマ『誘惑の夏』の主題歌とのこと。
『誘惑の夏』は午後のメロドラマですか。
私は今回初めて知ったドラマでした。
ちなみに2曲目「泣きながらKissして」もタイアップのようです。
「日本メナード化粧品『コラックス』CFイメージソング」と帯に書かれていました。
こちらも覚えていないですね……見ていないのかも。
「泣きながらKissして」はクリスマスを感じさせる曲です。
「空に投げかけた夢を忘れない」「LOST A GAME」
「24時間の神話」の次と、次の次の曲も名曲でした。
4曲目「空に投げかけた夢を忘れない」と5曲目「LOST A GAME」のことですね。
アルバムを通して良い曲ばかりなのですが、この3曲は中でも突出しているように思います。
4曲目「空に投げかけた夢を忘れない」は、初めにAメロとBメロを聴いたときにはそれほど心に止まりませんでした。
本曲は大きなメロディで展開されているため、大味な印象を持ったのでしょうか。
「24時間の神話」の余韻が脳内にまだ残っていたのかもしれません。
ところが、サビを聴いて「おっ、これも良いじゃないか!!」と思わせられました。
大きなメロディ展開を大味なものに留めない、それどころかワッと大きく視界が広がっていくようなサビになっていました。
お見事。
本曲もサビのハモリがとても綺麗です。
「24時間の神話」以上に気持ちよく歌っているように聴こえました。
この曲は合唱コンクールで歌うと映えるでしょうね。
5曲目「LOST A GAME」は唯一と言って良いほど、他とは毛色の異なる楽曲です。
メロディもアレンジも、他よりAOR的な大人っぽい曲でした。
異質ではあるのですが、かと言って悪目立ちするようなことはありません。
クリアでセンチメンタルなアルバムイメージの枠には収まりつつも、のレベルにあって、さじ加減が絶妙です。
「24時間の神話」しても「空に投げかけた夢を忘れない」にしても「LOST A GAME」にしても、芳彦さんと秀彦さんのハモリが綺麗に決まるためのメロディ構成にしているのだろうと感じます。
歌っていてとても気持ちよさそうですし、聴いているこちらもとても気持ち良い。
統一感がありすぎる
本作の難点があるとすれば、統一感がありすぎることでしょうか。
全曲が同じとまで行かないまでも、似た・近いテイストになっています。
ですから彼らの曲調にハマれば全曲を楽しめるでしょうけど、好きでない方はずっと同じような曲を聴かされていると思われるかもしれません。
おわりに
ということで、「Voice」の『♮ (natural) 』を購入したので、聴いた感想を書いた記事でした。
いやぁ、1,000円しない値段でこのような素晴らしい音源を聴くことができるとは……感激です。
他のアルバム作品も聴いてみたくなりました。