今回は「自作ネルドリップ」をご紹介します。
以前紹介した「簡易ネルドリップコーヒー」を、もっと簡単にできないかと考えた結果、自作のネルドリップに行き着きました。
自作ネルドリップの道具と方法、コツなどを書いています。
目次
ネルドリップ
コーヒーの抽出方法の一つに「ネルドリップ」があります。
ネルドリップとは?
ネルドリップは「布ドリップ」とも呼ばれます。
布フィルターを使用してドリップする「透過式(とうかしき)」の抽出方法になります。
ネルとは?
ネルとは「フランネル」のことで、柔らかく軽い「毛織物」のことを指します。
ネルドリップで使用するフランネルは綿素材を使いますから、正確には「綿フランネル」になるでしょうか。
布と紙の材質の違いからペーパードリップよりもコーヒーに含まれる油分がより抽出されるのでペーパーでの抽出に比べてまろやかでボディ感のある味となる傾向があり、またペーパードリップのように紙の影響を受けない。味と香りは、抽出方法に大きく左右される。
コーヒーのWikipediaにはこのように書かれています。
ペーパードリップと比べてまるやかなボディ感となる傾向があるそうです。
簡易ネルドリップ
当ブログでは以前、ネル生地と茶こしを使った「簡易ネルドリップ」を紹介しました。
リンクを貼った記事がそれです。
これはこれでとても簡単にネルドリップを楽しめる方法になりました。
しかし、茶こしの大きさではカップ1杯分のコーヒー粉10グラムほどを作るので精一杯のため、2杯分以上淹れることができません。
2杯分以上淹れられる簡単な方法はないものかと試した結果、普通のネルドリップにいきつきました。
試したと書きましたが、淹れ方は難しくありません。
自作ネルドリップに必要な道具
今回紹介する自作ネルドリップでコーヒーを淹れるために必要な「道具」を紹介しましょう。
画像が道具一式です。
緑色のバンダナは使いません。
- コーヒー粉:20グラム
- 湯:300ミリリットル
- コーヒーポット
- ネル生地
- ワイヤードリッパー
- サーバー
- キッチンスケール(秤)
- マグ
- 皿
※分量はカップ2杯分を想定しています。
一つ上の画像では少しわかりにくいですけど、白いネル生地を外すと画像のような「ワイヤードリッパー」が出てきます。
100円ショップの『Seria(セリア)』さんで購入しました。
ネルドリップは、簡易ネルドリップ1で使っていた「茶こし」をワイヤードリッパーに変えた、それだけです。
要するに、既成のネルドリップの道具を使うのではなく、自分で道具を集めて淹れる普通のネルドリップですね。
煮沸消毒したネル生地を、ワイヤードリッパーの上に乗せて……
上から指で押して、凹みを作ります。
横から見ると2枚目のようになります。
使用した豆は『業務スーパー』さんで購入した「ラグジュアリッチ」の「モカブレンド」です。
今回は2杯分のコーヒーを淹れますから、豆の量は20グラムにしています。
コーヒー粉の粒度は「中挽き」ほどで良いです。
コーヒーポットはヤカンでも構いません。
でも、できればコーヒー専用のポットを使った方が淹れやすいと思います。
お湯の太さをコントロールしやすいので。
お湯は沸騰させた後、少し落ち着かせた状態のものを使いましょう。
ケトルでお湯を沸かしてから、ポットにお湯を入れ替えれば、温度は適度に下がっています。
これがポットにした方が良い理由の一つですね。
サーバーとマグは事前に温めておくと、コーヒーを入れたときに温度を急激に下ること防げます。
キッチンスケールはコーヒーを淹れるときに使います。
皿は、サーバーの下に置いてネル生地から落ちてくるお湯やコーヒーを受ける、受け皿として用意しました。
ネルドリップの淹れ方
自作ネルドリップを淹れ方を紹介してまいります。
以降、コーヒー2杯分の300ミリリットルを淹れる想定で書いています。
0 ネル生地を準備する
前段階として、ネルドリップするためのネル生地に処理を施します。
まず、私はAmazonでネル生地を購入しました。
片面起毛のものを。
ネル生地を、一辺が「25センチメートル」の四角形にカットします。
正確でなくて構いません。
次にカットしたネル生地を「煮沸(しゃふつ)」します。
以前紹介した画像をそのまま使っています。
沸騰したらネル生地を入れて、20分ほど煮ます。
火加減は私は弱めの中火にしました。
火を使っているときは換気を忘れずに!
どうして煮沸するかと言いますと、消毒の意味合いと、生地にノリがついていることがあるから、それを落とすためです。
画像が煮沸した直後のネル生地です。
先ほども貼った画像で恐縮です。
手で水を絞りました。
1 お湯を沸かし豆を挽く
お湯を沸かし、それと並行して豆を挽きます。
お湯は、1杯飲むときも2杯飲むときも、常に同じ量を沸かします。
沸かした後にポットに移す量も同じです。
理由は、同じ重さ感覚でコーヒーを淹れた方が安定したお湯の投入ができるから、です。
コーヒー粉の粒度は先ほども書いたように「中挽き」ほどです。
2 ネルにコーヒー粉を入れる
キッチンスケールの上にサーバーを乗せ、サーバーの上にドリッパーを乗せます。
さらにその上からネル生地を乗せます。
ネル生地の上下は、私は起毛していない側を上、つまりコーヒー粉と接するようにして置いています。
起毛している側を粉と接触させると、淹れ終えた後の処理に困ると思ったからです。
粉が生地にからみつきそうなので。
ワイヤードリッパーの上にネル生地を乗せて手で「くぼみ」を作ります。
その上からコーヒー粉を全て入れます。
ドバーーッと。
粉を全て入れたら、手で粉の表面を平らにならします。
力を入れてギュウギュウにはしないように、優しくならしましょう。
ドリッパー全体を軽く揺らしてあげると良いですね。
3 お湯を投入する(1投目)
コーヒー粉にお湯を投入します。
淹れ方は基本は「4:6式」です。
以前記事にしていますので合わせてご覧になってください。
といっても正確にすることはありません。
気楽に行きましょう。
1投目は「50ミリリットル」淹れます。
粉全体に行き渡るように、優しくそっと回し淹れていきましょう。
4 蒸らす
1投目のお湯を淹れ終わったら「蒸らし」の段階です。
私は1分ほど待って蒸らしました。
待っている間にもコーヒーの茶色が生地に広がっていきます。
私はこの蒸らしの時間がとても好きです。
粉がガスを出して、全体がもこもこ盛り上がっていく様子を見るのが好き。
5 2投目から5投目
蒸らしが終わったら2投目から5投目までを淹れていきます。
2投目を淹れています。
2投目は「70ミリリットル」です。
こちらが3投目。
3投目は2投目終了から時間をかけず、表面が少しへこんだら次を投入して良いと思います。
その辺はお好みで。
3投目から5投目までは「60ミリリットル」ずつ淹れます。
4投目。
60ミリリットル。
5投目、これが最後です。
3投目から5投目は60ミリリットルを3回の計180ミリリットルでも良いですし、5投目を無くして3投目と4つ目を90ミリリットルを2回の計180ミリリットルでも良いですね。
お好みでどうぞ。
5投目を淹れ終えた直後です。
コーヒー色が生地に広がっています。
生地の端からお湯がポタポタ落ちていましたから、下に何か敷いた方が良いかもしれません。
5.5 出来上がり
5投目のお湯がある程度落ちたところでネルドリップコーヒー抽出は終わりました。
ドリッパーを外すと画像のような感じです。
サーバーからマグに移して、あとはそのままだったり、砂糖やミルクを入れたりして飲むだけですね。
私は1杯目を120ミリリットルほどと決めています。
手順はこれだけ。
簡易ネルドリップ2、簡単でしょ?
6 ネル生地の後処理
ネル生地の後処理です。
私は淹れたらすぐに洗っています。
でも、その間にもコーヒーが冷めているはずで、飲むのを先にした方が良いのか、毎回迷っていて正解は見つけられていないままです。
後始末の方法は、ネル生地に乗せていたコーヒー粉をゴミ箱に捨てて、ネルをお湯で洗って、天日干しします。
注意点は洗剤は使わないことです。
乾かしたらジップロックのような密閉できる袋に入れて保管。
水に漬けたりしません。
これだけです。
飲んだ感想
自作ネルドリップで淹れたコーヒーを飲んだ感想です。
ペーパードリップよりも少し重みを感じる味わいになります。
ネル+茶こしで淹れた簡易ネルドリップ1との比較でいうと、1の方が今回の2より出来上がったコーヒーに滑らかさやまろやかさが出るような気がしないでもないです。
2の方が若干さっぱりしているかも。
今回は豆に「モカブレンド」を使いました。
酸味をそこそこ感じられる豆のようですけど、ネルドリップで淹れると少し酸味が抑えられ、苦味が出る感覚を持ちます。
自作ネルドリップのコツ
今回紹介した「自作ネルドリップ」でコーヒーを淹れるときのコツは……それほど多くないです。
淹れ方
淹れ方のコツは、自作ネルドリップに限らずに存在します。
お湯を細くしたり、1投目のあとに蒸したり、サーバーやマグをあらかじめ温めておいたり、お湯の分量だったり……といったところですね。
自作ネルドリップで淹れると、ペーパードリップで淹れるより濃い味になりがちです。
なので、豆の挽き方を粗めにするとか、お湯の投入回数を5回から4回に減らすとか、そういう工夫も必要になってきそうです。
お好みで調整してみてください。
豆の種類
豆の種類は何が良いか、についてです。
豆はドリップに使えるものなら何でも良いでしょう。
豆の挽き加減
豆の挽き加減についてです。
挽き加減はお好みで良いと思います。
私は「中挽き」です。
淹れたコーヒーが濃く感じられる場合は粗く挽き、薄く感じられる場合は細く挽きましょう。
お湯の温度
お湯の温度についてです。
私は温度計で計っていないのであれですけど、お湯の温度は沸騰させた直後のものより、若干下げた方が良いと思います。
豆の焙煎の度合いにもよるみたいですけど、90℃前後くらいまで下げると良いでしょうか。
私は少し温度を下げて淹れた方が、コーヒーの味をしっかり感じやすくなります。
一般的には浅煎りほど温度を高めに、深煎りほど温度を低めに設定するようです。
私は気にしていません。
おわりに
ということで、簡易ネルドリップに手を加えたら普通の自作ネルドリップに行き着いたよの記事でした。
茶こしで濾さなくてもネル生地だけで十分ドリップできることが、個人的には発見でした。
フランネル生地はAmazonで売られています。
気になった方は試してみてください。