毎週月曜日-水曜日22:00から『tvk(テレビ神奈川)』で放送されている往年の名作ドラマ『俺たちの旅』が、2018年12月4日火曜日から始まりました。
私は初めて観るドラマで、それまで放送されていた『俺たちの朝』が大好きだったことから、本作も期待して見始めています。
目次
tvk『俺たちの旅』再放送
2018年12月4日火曜日より、『tvk(テレビ神奈川)』にてドラマ『俺たちの旅』の放送が始まりました。
tvkで往年の名作ドラマを放送される枠は放送日時が変則的で、毎週月曜日・火曜日・水曜日の22:00から放送されています。週に3日間のみ。
中村雅俊主演、1970年代の吉祥寺を舞台に現実世界の中でもがき苦しみながら成長していく若者たちの姿を描いた青春ドラマの最高傑作!
『俺たちの旅』の録画データの番組説明にはこのように書かれています。「青春群像劇」。
記事を書いている2018年12月7日現在、1話「男はみんな淋しいのです」と2話「男はどこか馬鹿なのです」まで放送されました。
『俺たちの旅』のオリジナル放送
『俺たちの旅』のオリジナルは、1975年10月5日から1976年10月10日まで放送されたとのことで、記事を作成した2018年からは40年以上も昔の作品ということになります。
年代的なこともあって、私は「俺たちシリーズ」を1作品も見たことがありませんでした。
俺たちシリーズとは、1970年代中期から後期に日本テレビ系列で放送されたドラマシリーズのことです。
具体的には本作『俺たちの旅』と、tvkで2018年12月3日まで放送され本放送1976-77年の『俺たちの朝』、1977-78年放映の『俺たちの祭』の3作のよう。
前述のとおり『俺たちの朝』は『〜の旅』が放送されるまで、同じ枠で放送されていたドラマです。
tvkの放送は『朝』が先で『旅』が後、本放送は『旅』が先で『朝』が後、逆なのですね。少々ややこくなっています。
『俺たちの旅』の登場人物
『俺たちの旅』の主な登場人物です。
半世紀近く昔の作品なので改めて書く必要もない気もしますけど、私自身まだ把握しきれていないところがあるので、自分の頭を整理するためにも書きます。
カースケ
主人公は「中村雅俊」さん演じる「カースケ」こと「津村浩介」です。
修学院大学4年で、バスケットボール部の主将。母親は既に亡くなっているようでした。
大学4年にもかかわらず就職活動をせずアルバイトに明け暮れている様子で、今が楽しければ良いと刹那的に生きるタイプの男性です。
カースケの名前の由来は、すぐにカーっとなって年上でも殴りかかる、いわゆる直情型のため、コースケがカースケと呼ばれるようになったようです。
性格は熱い男で仲間思い、女好きといったところでしょうか。
あだ名の設定は「長谷直美」さんが『朝』で演じていた「カーコ」の由来と同じです。キャラクターとしては「勝野洋」さん演じる「オッス」に近いタイプになりそうです。
また、『朝』ではオッスとチューとカーコの誰が主人公かは明確にはわかりにくくなっていましたけど、『旅』ではカースケが明確に主人公として描かれていそうです。まだ2話しか放送されていないため今後どう描かれるかはわかりませんが。
オメダ
カースケの相棒が「田中健」さんが演じる「オメダ」こと「中谷隆夫」です。
カースケと同じ修学院大学4年でバスケットボール部。女性ばかりの家で大事に育てられたこともあってか、大人しく・優しい性格の持ち主です。
また要領の悪さがあり、自分に自信を持つことができない、頼りない感じのする人で、これらの点はどことなく『朝』で「小倉一郎」さんが演じた「チュー」を連想させるキャラクターになっています。
あだ名のオメダは「ダメ夫」をひっくり返したもの。
父親はいるようですけど、母親は父のことを話さないみたいでした。家には母と妹と、女中さん(?)がいるようです。旅館か料亭を経営している?
グズ六
カースケとオメダが1話で出会った人物が「秋野太作(当時は津坂まさあき)」さんが演じる「グズ六」こと「熊沢伸六」です。
カースケとは同郷で、同じ小学校の4年先輩(カースケが後輩)。1話時点で勤めていた会社をクビになっていました。部長でしたか、上司を殴って。
2話では小学校の教師をしていた厳格な母親も登場していて、カースケはグズ六の母の教え子でもありました。
グズ六は『朝』で同じ秋野さんが演じていた「ヌケ作」と似たようなキャラクターです。
しかしヌケとの大きな違いはグズ六はモテること。『旅』の1話時点で、『朝』で想いが届かなかった「美沙子」さんとお付き合いをしています。名前は美沙子ではなく「紀子」さんですが。
大会社で課長になっている兄と、外務省に勤める弟の板挟みにあって、劣等感を抱いている様子を窺えます。
カースケとオメダとグズ六、この3人が本作『俺たちの旅』のメインを張る登場人物のようです。
その他
ここからは他の登場人物を紹介しましょう。
グズ六と付き合っている人が「上村香子」さん演じる「竹内紀子」です。
グズ六が暮らしているアパートの大家一家の一人娘ということで良いでしょうか。離れだった建物をアパートとして提供しているみたいでした。
紀子は1話の時点で彼氏・グズ六と結婚する気満々で、両親に結婚の許可をもらおうとしていました。
何とかグズ六に「お嬢さんを僕にください」と言わせようとしていましたが、両親の反対もあって、グズ六は名前のとおりグズなようで、言えませんでした。
でもまぁ女性側からこれだけ積極的にアプローチを書けているのですから、いずれ2人は結婚すると思われます。
『朝』では、スナックのママをしていた美沙子さんは、いつからかオッスに想いを寄せるようになっていて、美沙子のことをずっと思っていたヌケは、そんな美沙子の想いもわかった上で尚も一途に想い続けるのですよね……片想いの連鎖。
そんな2人が『旅』では物語序盤から付き合っているという……感慨深い。いや、先ほど書いたようにオリジナルの放送では『旅』が先で『朝』が後なのですけど。
記事作成時点で、『朝』で「ツナギ」を演じていた「森川正太」さんは登場していません。ところがキャストを見ると「ワカメ」というあだ名で登場するみたいですね。「浜田大造」役で。
「金沢碧」さん演じる「山下洋子」が、もしかしたら本作のヒロインになる女性かもしれません。
洋子はカースケやオメダと同じ修学院大学4年で、バスケットボール部のマネージャーをしています。カースケのことを好きな様子。オメダのことは対象外っぽい。
1話のロッカーでの着替えシーンはなかなかに刺激的でした。70年代当時のそういう描写は現在よりずっとオープンですね。オープンというか配慮がないというか男尊女卑というか、価値観の違いを感じます。
ヒロインになるかもと書いていますけど、『朝』のカーコのような存在までにはならないでしょう。カーコほどは物語の本筋に食い込んで来ない予感がします。
「南美江」さんがグズ六の母「熊沢しの」を演じ、「岡田奈々」さんがオメダの妹「中谷真弓」を、「八千草薫」さんがオメダの母「中谷美保」、「北村和夫」さんが紀子の父「竹内健太郎」、「津島恵子」さんが紀子の母「竹内綾子」をそれぞれ演じています。2話終了時点ではこのようなところでしょうか。
私は八千草薫さんが好きなので、出演しているのを知って嬉しかったですね。可愛らしい。
『俺たちの朝』との類似点
『俺たちの旅』は『俺たちの朝』との類似点が多いですね。
まず両作品に共通の俳優さんが多く登場します。
秋野太作さんや森川正太さん、上村香子さん、岡田奈々さん、北村和夫さんが両作品に出演していますか。
『朝』では森川さんはツナギで、上村さんは美沙子さん、岡田奈々さんはオッスの妹「岩崎杏子」、北村さんはオッスの父「岩崎晧一郎」でしたね。
カースケとカーコのあだ名の由来も同じです。『朝』での秋野さんと上村さんの関係も、前作『旅』を強く意識したからこそでしょうし。
それと主役たちの多くが大学生であることも共通でしょうか。『旅』の主役3人の中ではグズ六だけが異なります。
彼らが大学生ということもあって、モラトリアム真っ只中といいますか、夢を追うのか現実を受け入れるのか、自分らしさを貫くのか社会に迎合するのか、そういう悩みを作品を通して抱えていくことになりそうです。
『朝』では、特にチューが夢であった俳優の才能がないことを他人から通告され、道を諦めざるを得ない厳しい現実に直面していて、残酷にも特別な光明を見い出せないまま物語が終わってしまいました。
『旅』ではカースケとオメダ(グズ六もでしょうか)が、『朝』のチューと同じような悩みを抱えることになるでしょう。彼らがどういった人生の選択をすることになるのか、この点に私個人としては注目して観賞したいです。
『俺たちの朝』との相違点
相違点ももちろんのこと、あります。
キャストのうち主役級の3人は全く異なります。
中村雅俊さんと勝野洋さん、小倉一郎さんと田中健さん、秋野太作さんと長谷直美さん。
主役3人が『旅』では男だけ、『朝』はドリカム状態の男2人女1人。
この3人の中に1人女性がいるかどうかで、主役たちの間の恋愛模様が直接絡むか絡まないかが決まるため、大きな違いに感じられます。
3人の間の恋愛が絡むことで仕事だけでなく結婚の選択も出てきて、カーコはどちらを選ぶのか選ばないのか、そこにもフォーカスが当たっていました。最終回でカーコは……でしたね。
う〜ん、最終回はあの選択で本当に良かったかどうか難しい気がします。長い目で見て、あの選択がカーコやチューの幸せになるのか、と考えると決してそうではないように思えるので。
本作は主役3人が全員男ですから、3人の中での恋愛はないでしょう。たぶん。
カースケとオメダは大学を卒業したら会社に就職するのか、それともその日暮らしを選ぶのか。カースケは就職してもオッスのように長続きしなさそうですからね……では3人でその日暮らしをするのか、そういうところにフォーカスが当たっていきそうな雰囲気です。
恋愛は?
そう考えていくと、『俺たちの旅』では『朝』ほど恋愛模様は描かれないように思えます。
私は『朝』の男の友情と男女の友情、そして三角関係に作品の面白さを見出していましたし、カーコに魅力を感じてもいましたから、そういう意味では『旅』には『朝』ほどの期待を持てていません。
マネージャーの洋子がいるにはいるのですが、洋子だけではちょっと弱い気がします。単に好みの問題でしょうか。
本作は恋愛ではなく男の友情物語と、私の頭を切り替えて楽しんだ方が良さそうです。
まだ2話が終わった段階ですから、今後追加キャストがあるかもしれず。そこで長谷さんクラスの女性が登場するかもしれず(切り替えられていない)。
70年代の吉祥寺の風景
『朝』で良いところは、1970年代の鎌倉の様子、70年代の時代そのものが画面から伝わってくること、と以前のブログ記事に書いていました。
それはもちろん本作にも言えることで、物語の舞台は吉祥寺で、当時の東京の様子がより良くわかって、観ているだけで楽しいです。
しかし、私は吉祥寺やその周辺には疎いので、当時と今との比較はあまりできておらず、そういう楽しみは『朝』ほどできていません。
『朝』は、作品の舞台であった鎌倉が個人的に好きな土地で、若い頃から何度も行っていたことから、当時と今を比較する楽しみがより多くあったのですが……。
洋服も70年代中期当時の様子を窺えて楽しいです。
『朝』よりも『旅』のキャストの方がよりスタイリッシュな雰囲気がありますから、個人的にはこの点では『旅』を観ている方が楽しく感じられています。
オッス役の勝野洋さんもカースケ役の中村雅俊さんもベルボトムを穿いていましたけど、正直オッスは髪型的にベルボトムがあまり似合っていませんでしたから、その点中村雅俊さんの方が洋服とマッチしていると感じさせます。
中村雅俊さんは身長が高く脚も長くてベルボトムが様になっていますね。下駄もかっこいい。田中健さんもオシャレで古着の着こなしの勉強になります。
OP・EDは小椋佳さん
『俺たちの旅』のOPは作品タイトルと同じ「俺たちの旅」です。
作詞と作曲が「小椋佳」さんで編曲が「チト河内」さん。歌が中村雅俊さん。
EDは「ただお前がいい」です。作詞・作曲・編曲・歌ともにOPと同じ。
両曲ともに良曲(!)です。
小椋佳さんはこの頃から既に活躍されていたのですね。いやでも、小椋さんが作詞・作曲をし、「布施明」さんが歌って大ヒットした曲『シクラメンのかほり』は1975年のリリースですから、まさに売れていた頃ですか。
どうも記憶同士が上手くリンクしないです。
おわりに
ということで、tvkで再放送が放送されている『俺たちの旅』についての記事でした。
『俺たちの旅』はかねてから一度観てみたいと思っていた作品なので、『朝』の最終回の中で「明日は『俺たちの旅』を放送します」的なテロップが表示されたときは嬉しかったですね。
できれば3部作を全て放送していただければありがたい。