NHK連続テレビ小説『半分、青い。』、2018年6月13日放送の63話は鈴愛の漫画道です。
以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
目次
『半分、青い。』第11週「デビューしたい!!」
2018年6月11日月曜日から朝ドラ『半分、青い。』の第11週「デビューしたい!!」の放送が始まりました。
物語の舞台は東京、時代は1990年(平成2年)です。
本作のヒロインは「楡野鈴愛(にれの・すずめ、演:永野芽郁)」です。
鈴愛は楡野家の長女。1971年(昭和46年)7月7日生まれの、第10週現在18歳か19歳、高校を卒業した年です。
鈴愛の実家の楡野家は、岐阜県にある東美濃市、東美濃(ひがしみの)という架空の町の、梟(ふくろう)商店街という場所で「つくし食堂」を経営しています。
鈴愛の母が「楡野晴(にれの・はる、演:松雪泰子)」、父が「楡野宇太郎(にれの・うたろう、演:滝藤賢一)」、弟が年子の「楡野草太(にれの・そうた、演:上村海成)」、祖父が「楡野仙吉(にれの・せんきち、演:中村雅俊)」です。
祖母「楡野廉子(にれの・れんこ、演:風吹ジュン)」は、1980年時点で既に他界していて、空の上から声(ナレーション)のみの出演に変わっています。
鈴愛と同じ日同じ病院で生まれた幼馴染みが「萩尾律(はぎお・りつ、演:佐藤健)」です。
律の母が「萩尾和子(はぎお・わこ、演:原田知世)」、父が「萩尾弥一(はぎお・やいち、演:谷原章介)」で、律の家は写真店「萩尾写真館」を営んでいます。
鈴愛と律の同い年には「ブッチャー」こと「西園寺龍之介(さいおんじ・りゅうのすけ、演:矢本悠馬)」と、「木田原菜生(きだはら・なお、演:奈緒)」がいます。
ブッチャーの家、西園寺家は不動産屋を経営しているお金持ちの家です。
父が「西園寺満(さいおんじ・みつる、演:六角精児)」で、母が「西園寺富子(さいおんじ・とみこ、演:広岡由里子)」、姉が「西園寺麗子(さいおんじ・れいこ、演:幸田雛子)」です。
菜生の家は梟商店街の洋品店「おしゃれ木田原」です。
菜生の父は「木田原五郎(きだはら・ごろう、演:高木渉)」、母が「木田原幸子(きだはら・さちこ、演:池谷のぶえ)」です。
「岡田医院」の院長「岡田貴美香(おかだ・きみか、演:余貴美子)」も登場します。
鈴愛が小学3年生時、おたふく風邪が内耳に感染して急性発症する「ムンプス難聴」なる症状を起こして、左耳を失聴しました。
鈴愛は1990年現在、東京にある漫画スタジオ「オフィス・ティンカーベル」が登場しています。
ティンカーベルには、鈴愛が律から勧められてドハマリした漫画家「秋風羽織(あきかぜ・はおり、演:豊川悦司)」と、秘書の「菱本若菜(ひしもと・わかな、演:井川遥)」、アシスタントにユーコこと「小宮裕子(こみや・ゆうこ、演:清野菜名)」とボクテこと「藤堂誠(とうどう・まこと、演:志尊淳)」等がいます。
律は、上京後住んでいるマンションで、同じ「セイホク大学」の法学部1年「朝井正人(あさい・まさと、演:中村倫也)」と出会っています。
9週終了時点で、鈴愛は正人と、律は「伊藤清(いとう・さや、演:古畑星夏)」と出会っていて、それぞれが付き合いそうな距離感にいます。
『月が屋根に隠れる』
前回62話で秋風に対して鈴愛は、律と別れたことの強烈な感情の揺れを重ねた、『月が屋根に隠れる』という物語のネタを話したところ、それを漫画にしろと秋風に急き立てられて机に向かいました。
しかし、描きあげた漫画は秋風から、やれ構成がなっていない、やれ台詞に溺れるな、視点誘導ができていない、吹き出しの位置が違う、見開き(ページ)が弱い、ベタが雑、パースが取れていないetc...何度も何度もダメ出しをされていて、何時まで経っても完成を見ません。
そうこうしているうちに1年が経ち、1991年になりました。
1991年は平成3年ですか。
1年経っても自分の漫画は出来上がっていませんけど、その間、秋風のアシスタントを続けていることで漫画のスキルは向上していて、秋風の原稿の人物も任される様になっていました。
マグマ大使の笛とキレる鈴愛
眠れない夜、鈴愛は未だ律のことを思い出してしまいます。
吹っ切るためにも、鈴愛は律との繋がりの象徴的な物である「マグマ大使の笛」を捨ててくれるように、ユーコとボクテに頼みました。
自分で捨てようとしたけど捨てられなかったからと。
ユーコとボクテは流石にそんな重いことができる訳がなく断ると、秋風が脇からやって来て、鈴愛の手から笛を取り上げて、思いっきりオーバースローで笛を投げてしまいます。
鈴愛としては願ったり叶ったりかと思いきや、秋風に向かって涙目で怒り始め……
秋風から、もう一度律にフラれた頃の気持ちに戻って『月が屋根に隠れる』を描いて完成させろ、と言われたことでキレてしまいます。
師匠に対して……。
「先生はロボットです!漫画を描くためのロボット、私は人間です!」
「漫画を描くためにわざと悲しくなるようなことはしたくないし、悲しいときは悲しむ」
「悲しいことを喜ぶ変態にはなりたくない」
「先生は漫画のために何だってする」
「先生は漫画を描くために人の心を捨てたんだ!」
「だから先生はいい歳して独りもんで家庭もなくて友だちもいないんだ!!」
さすがに言い過ぎですね。
人格や人生までも否定するようなことは、どんな事情があれ言ってはならないと私は思います。
そもそも笛を捨ててくれと頼んだのは自分なのに、それを実現してくれた人にキレるなんて……しかも師匠に対して……という。
暴言を吐かれた秋風は、しばらく間を置いてから……
「そんなものは創作の邪魔だ」
と言い残してその場を立ち去りました……。
絶対傷ついているやつですよ、これ。
私たちは先生が好き
その後、落ちたと思われる場所を、ユーコとボクテで探しています。
そこへ秋風がやって来て、ユーコに「マグマ大使の笛」を手渡しました。
秋風はウサギ(の植木)の後ろに落ちていたと言うのですが、ユーコはそこはさっき見たとツッコミます。
投げたと思われた笛を、秋風は捨てずに持っていたのですね。
ユーコの指摘を受け、「楡野(鈴愛)が月屋根(『月が屋根に隠れる』)を描き終えたら返すつもりでした」と正直に白状します。
ユーコとボクテはそんな秋風に……
「先生、家族がいなくても、友だちがいなくても、私たちは先生が好きです」
……と言うと、秋風は少しはにかんだ笑顔を見せ、戻っていきました。
ユーコいい子。
ユーコがガーベラ・デビューを果たす
さらに1年過ぎた1992年 (平成4年)、とうとう秋風塾から『月刊ガーベラ』のデビュー作家が誕生しました。
ガーベラの元ネタは『マーガレット』でしょうか?
ガーベラのデビューを果たした人は、残念ながら鈴愛ではありませんで、見出しにも書いているユーコです。
ユーコの描いた『5分待って』がガーベラに載りました。
何でも、大御所作家さんの原稿が落ちて、つまり締切に間に合わず、そのピンチヒッターとして『5分待って』が掲載されたとのこと。
読み切り、ということですね。
きっかけが何であろうと関係ないですね、デビューすることが大事で、あとは描かれた漫画が面白ければ連載の依頼もくるはずです。
鈴愛はユーコの漫画家デビューを自分のことのように喜んでいましたが、ボクテはそうではありませんでした。
いえ、笑顔でユーコのデビューを祝福していましたけど、ユーコにバレるくらいぎこちない笑顔でした。
当然です。秋風塾の3人は仲間でも友人でもあると同時に最も身近なライバルなのですから、焦りが生じたのです。
先週土曜日の第11週の予告で、ボクテが秋風に対して土下座をしていたシーンが頭をよぎります。
ボクテはこれから何をしでかすのでしょう?
おわりに
う〜ん……最近、特に鈴愛の自分勝手さが悪目立ちしていませんか?
子どもの頃から鈴愛は無神経なところがあると描写されてきてはいますけど、1991年というと鈴愛は20歳くらいですよね、それなのに小学生のままの無神経さではいけないと思うのですが……。
その設定を免罪符にして言いたい放題・やりたい放題。
人としての生き様が漫画に反映されると劇中で言っていたのですから、それこそ鈴愛の人としての成長が見られなければ、とも思いますし……。
大事な笛をあんなにあっさりと捨ててしまった上に、辛い過去を思い出せなどと言われれば、鈴愛が怒る気持ちはわからなくはないです。
でも、だからと言って何を言い返しても良いということにはならないですよね。
本文中にも書いたように、人生や人格、価値観まで否定してしまうのは違います。
言い過ぎたことを謝る描写も今のところなかったですね……う〜む。
今回はこれまで以上に酷いです。