2018年4月4日水曜日23:00より、Eテレにて『ふるカフェ系ハルさんの休日』の新シリーズの放送が始まりました。
2018年6月6日放送の2018年度シリーズ第10回(再放送を除けば第8回)は「栃木・黒磯~ワケあり石造りの銀行カフェ」でした。
目次
ふるカフェ系 ハルさんの休日
今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。
こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。
ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。
台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。
当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。
ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。
栃木・黒石編のカフェは「カフェ・ド・グランボワ」さん
カフェ ド グランボワ - 那須塩原市 - 喫茶店 | Facebook
2018年6月6日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の栃木・黒磯編で、ハルさんが足を運んだカフェは「カフェ・ド・グランボワ」さんです。
グランボワは大きな森という意味のフランス語でしょうか。
以降、カフェ・ド・グランボワではなくグランボワ表記させていただきます。
番組内では「大正モダン!築100年の元銀行カフェ」と紹介されていました。
今回のカフェは紹介にあるように元々は銀行だった石造りの建物でした。
「グランボワ」の場所と営業時間・定休日
今回ハルさんが訪れたカフェ「グランボワ」さんのある場所は長野県那須塩原市です。
グランボワさんのFacebookページによると、住所は「那須塩原市栃木県那須塩原市本町5-19」とあります。
劇中でハルさんが降りていた駅は「黒磯駅」です。
JR東日本の、東北本線、あるいは宇都宮線になるのでしょうか、。
Webで地図を拝見したところ、黒磯駅からほど近くにあり、徒歩5分前後、10分もかからず着きそうな距離感に見えました。
電車待ちなど時間調節にも使えそう。
営業時間は……FacebookページにWebサイトのリンクがあったので行ってみたところ、広告の検索結果のみが表示される変なページに行き着いてしまい、カフェの情報がわかりませんでした。
検索エンジンで検索をかけたところ、影響時間は11:00-21:00、ラストオーダー20:00で、定休日が火曜日とのことです。
予約ができるかはちょっとわからなかったので、来店前にFacebookや電話で連絡を取ると良いかもしれません。
放送後のお昼前後は特に混雑が予想されますので、来店前にお店と連絡を取っておくと良いかもしれないですね。
「グランボワ」は元銀行の石造り建築
ハルさんが今回訪れた「グランボワ」さんの建物は、大変に立派な石造りの建物でした。
外観は、通りに面した一面は、ルネサンス期のイタリアで宮殿建築に多様された、こぶ出しで石に陰影をつける手法「ルスティカ様式」を用いています。重厚感。
正面壁に使われている石材は、耐火性・耐熱性に優れ那須町芦野で算出される安山岩「芦野石(あしのいし)」です。
他の三面は別の凹凸のない壁で、使われている石は多孔性で柔らかく加工がしやすい、火山灰が堆積してできた凝灰岩「大谷石(おおやいし)」だそうです。
正面の窓は、明治から大正にかけて流行した、東京駅舎にも採用されているゴシック様式の「半円アーチ窓」です。
内部はそれほど広さはないです。
また古民家カフェにあるような、天井や襖などを取り払って柱や梁を丸見えにするといったこともしない・できない建物ですから、全体が見渡せます。
お金を扱う元銀行ということで、死角があってはならないから、とハルさんは考察していました。なるほど。
天井は、社寺・書院造りなど格式の高い建物に用いられる和の建築様式「格天井(ごうてんじょう)」が採用され、洋の建築だけではない大正期などによく見られる「和洋折衷」です。
屋根は瓦だそう。これも和洋折衷。
内装もそれほどいじっていないみたいで、当時の雰囲気が残っているのかなと思います。
直径1mほどの大きな掛け時計が特徴的。
黒磯銀行
グランボワさんの建物は、黒磯駅ができたときに、駅前移住第一号となった初代・高木慶三郎が大正7年に開いた「黒磯銀行」が元です。
建物の正面にはハッキリと「KUROISO BANK」と刻まれていました。
昭和10年に銀行の役目を終えたそうですが、現在は国の登録有形文化財として今も黒磯の街のシンボルとなっているそうです。
グランボワの話
グランボワさんのマスターとママの夫婦は、37年間カフェを経営していらっしゃいます。
マスターが22歳のときから店を始めたと言っていましたか。
始めは別の場所で店を開いていて1996年まではその場所で営業をしていましたが、店の建物の取り壊しが決定してしまいました。
ちょうどその頃、今の元銀行の建物が空き家になっていることを知り、現在の場所で再オープンをすることができたということです。
グランボワさんは、黒磯のジャズ喫茶の元祖とも言われているそうです。
グランボワさんでは、国内外のアーティストを呼んでセッションを楽しむ社交場にもなっている、と番組内では紹介されていました。
マスターたちがジャズを披露しているシーンもあったり。
一方向だけ石造りの理由
ハルさんがグランボワさんへとたどり着くまでに、この黒磯の街の建物の幾つかが、一面だけ石造りになっていることに気が付きました。
カフェに来店した事情に詳しい方が教えてくださったことによると下記のような理由があるそうです。
それは、店の北西の方向に那須連山があり、那須連山から吹き下ろす風が台風よりも強く、そんなときに上手で火事が発生すると大火事となってしまう。
実際に明治35年、明治38年、明治44年、昭和6年に大火が発生しているそうです。
類焼(他の家からの火が広がって焼けること)を免れるために、山の方向に大谷石が張られている、ということでした。
「グランボワ」の???
ハルさんは「グランボワ」さんでオススメされていた料理を頼んでいました。
出てきた料理は大きなお皿に乗ったライスメニューです。
料理の名前は……何でしたっけ?
料理名は言っていなかったような。
それは、きざみ海苔と大葉、ひき肉と野菜の餡がバターライスに乗っている料理でした。
「うわ〜。バターライスのコクと甘辛いひき肉の餡の組み合わせが最高だ!」
「上品な洋食屋さんの味と、懐かしい和の安心感が絶妙に合わさっている」
「まるでこの建物と同じ。和と洋の高度な融合を感じるなぁ」
……とはハルさんの感想です。
- 豚ひき肉をよく炒め、軽く炒めたパプリカ・なす・玉ねぎと合せる
- 醤油・みりんで味付けし、片栗粉でとろみを付ける
- バターで炒めたご飯に大葉を加える
- 盛り付けたら大葉・白ごま・刻み海苔を添えて完成
マスターオリジナル、元賄い料理のライスメニューの材料と作り方でした。
さらにガラムマサラやクミン、シナモンといったスパイスを加えたらより美味しそうだなと観ていて感じました。
おわりに
記事を書いて思ったことは何よりまずWebサイトをきちんとしたものになさった方が良いということです。
簡単な情報、例えば営業時間と定休日、メニューと料金、連絡先と地図だけの、文字情報だけでもワンページサイトでも良いので、あると良いかなとおもいます。
知りたい情報にできる限り少ないクリック・タッチ数でたどり着けるように。
Facebookページがあるからいいと言えばいいのですが、FacebookにもWebサイトへのリンクを貼ってもいるのでそこは、と。
私の調べ方などが悪かったのかもしれませんが、レンタルサーバの契約が切れた状態なのでしょうか?
だとするとそういう部分を放置するのは良くないですね、ビジターを迷子にさせてしまうのですから。
お店の建物については、もう少し内装が凝ったものにできそうな気がしました。
建物が石造りであることと、それと有形文化財ということで、あまりいじれないのでしょう。
でもその分オブジェとか古道具、古家具などで雰囲気を出しても良いような……少々物足りなさがあったように思いました。
私は素人なのでインテリアに関してはよくわからないですが……。
マイルス・デイヴィスのジャズの進化のように、シンプルにすることもまた重要なのでしょうか。