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西野ジャパンが目指す「日本化した日本のフットボール」とは何か?ザッケローニと同じなら日本サッカーの後退です

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2018年4月9日に、サッカー日本代表の「ヴァヒド・ハリルホジッチ」監督が解任され、新監督に「西野朗」氏が就任しました。

昨日2018年4月12日、西野新監督の会見が行われ、「西野ジャパン」のサッカーがどのような内容になるのかが少しだけわかってきました。

 

目次

 

 

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田嶋会長のハリルホジッチ監督解任会見

headlines.yahoo.co.jp

 

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2018年4月9日、日本サッカー協会の「田嶋幸三(たしま・こうぞう)」会長は、ヴァヒド・ハリルホジッチ日本代表監督を解任し、同協会技術委員長「西野朗(にしの・あきら)」氏を後任とする発表を行いました。

上記リンクが会見の全文(前後編)なので、興味のある方はご覧になってください。

 

西野朗監督就任会見

russia2018.yahoo.co.jp

 

こちらの記事が2018年4月12日に行われた西野監督の会見内容です。

 

  • 監督:西野朗
  • コーチ:手倉森誠
  • コーチ:森保一(U-21日本代表監督)
  • GKコーチ:浜野征哉
  • GKコーチ:下田崇(U-21日本代表GKコーチ)
  • コンディショニングコーチ:早川直樹
  • コンディショニングコーチ:小粥智浩(U-19、U-16日本代表コンディショニングコーチ)

 

西野ジャパンに入閣したコーチ陣は上記のとおりです。

外国人が一人もいないことが特徴になっています。

 

 

西野ジャパンのサッカー

挑戦―ブラジルを破るまでの軌跡

西野さんの会見から、西野ジャパンがどのようなサッカーを展開することになるのか、その一端、本当に一端でしたがわかりました。

 

日本化した日本のフットボールというものがあります。その中には、技術力を最大限に生かしたり、戦い方においても規律や、結束して化学反応を起こした上で戦っていく強さがある。そういうものをベースにした上で、構築していく必要があると思います。

 

会見で西野さんはこのように語っています。

具体性に欠ける発言で正直言うと落胆もしたのですが、わずかなヒントも見えてきています。

それは西野ジャパンは「コレクティブなサッカー」を目指している、ということです。

ハリルさんの代名詞のような、体格を含めた高いフィジカルを伴う「デュエル」と、「縦に速いサッカー」、これらだけに頼らないで「集団」や「組織」で戦うことを目指すということですね。

ハリルさんのサッカーを捨てるということではなく、ハリルサッカーをベースにしつつも、必要なときには1対1のガチンコの勝負をするよりも数的優位を保つことを優先するしパスをつなげるよと。

簡単に言うと4年前の「アルベルト・ザッケローニ」監督指揮下の日本に近いサッカーになるのでしょうか。

4年前のブラジル大会は、選手が自分たちのやりたいサッカーを貫いて無残な結果になりましたが……。

 

フィジカルと個人戦術に劣る日本が目指すサッカー

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個人的には、ザック・ジャパンが挑んだブラジル大会は日本のポゼッションサッカーの限界というより、選手が自分たちを過信したことと、監督も選手を過信したことが原因による「自滅」かなと思っています。

 

残念ながら今の日本のチームだけではなく選手個人レベルでも、世界に比べるとまだまだ「戦術」的に劣っていると思います。

なので、試合中に自分で判断してポジションを変えたり戦い方を変えたりするといった「戦術的柔軟性」に乏しい印象を受けます。

代表戦の試合後のインタビューで、「一辺倒になってしまった」「もっと柔軟に対応しなければ」というような声が選手からよく聞かれますよね。あれです。

 

高難度の足技を使ったリフティングとか、並べたコーンをジグザグにドリブルするとか、一つ一つには上手さを持っていても、サッカーの試合で相手からのプレッシャーを受けた状態だったり荒れたピッチだったり荒天だったりトップスピードで走っていたり、そういう練習とは異なる状況に陥ると練習でできていたことでも途端にできなくなる。

そういう「スキルはあるけどサッカーは下手」という日本人特有の問題があるかもしれないです。

リフティングが上手い人、コーンドリブルが上手い人なだけで、それをサッカーの試合に活かせなければ、サッカーが上手い人とは言えないよということ。

それはおそらく、育成レベルから戦術的にサッカーをすることを選手に定着させる、という問題も含まれてきますから、一朝一夕で解決できることではない可能性がありそうです。根深そう。

 

例えば、選手個人で見てみると「本田圭佑」選手(以下選手を省略)がイタリアの「ACミラン」に、「長友佑都」がイタリアの「インテル」に、「香川真司」がイングランドの「マンチェスター・ユナイテッド」やドイツの「ボルシア・ドルトムント」に、といった欧州でも有数のビッグクラブ・メガクラブに所属し活躍する人が出てきました。

「長谷部誠」や「吉田麻也」、「岡崎慎司」、「酒井宏樹」、今は日本に戻っている「内田篤人」などもそうですね。

こうして見るとまるで日本人が世界基準に到達したかのようです。

しかし、そんな彼らであっても日本人だけで構成された日本代表チームとして世界の場で輝けないことは、先ほど書いたような側面があるのではなかろうかと私は睨んでいます。

 

クラブでは、周りの欧州・南米の選手たちが子どもの頃から戦術的に鍛えられて育っているので、一人くらい個人戦術に乏しい日本人がチームに入ってもそれがバレにくい。

ただし、攻撃の選手に比べて失敗が許されない守備の選手はそうはいきません。

誰とは言いませんけど、ある選手は時折凄い「ポカ」をやりますよね。あれは個人の戦術レベルが劣っていることが原因で発生しているのではないかと思えるのです。

 

個人戦術に劣る→予測できないことが増える→予備動作・準備が遅れるorできない→慌てて対応する→ポカ。

個人戦術に優れる→より正しい予測がより早く行える→予備動作・準備がより早く行える→ポカしにくい。

 

そんな日本代表は、チームが監督の厳格な統制の下で与えられた戦術を忠実にこなす、そういうサッカーをしない限りはワールドカップの舞台では勝てないどころか戦えないと感じられます。

特に守備戦術は監督が様々な引き出しを持っていないと厳しい。

日本も世界のうちの一つなのですから、世界のサッカーの潮流を掴んで流れに乗ることは無視できないことですけど、自分たちの実力、強みや弱みを読み違えて、または無視してまで流れに乗ろうとしたって成功はないよと。

あえて書きますが、それで失敗をしたのが日本代表におけるハリルホジッチでしょう。 

そういう意味では、西野監督が会見で言った「技術力を最大限に生かしたり、戦い方においても規律や、結束して化学反応を起こした上で戦っていく強さ」をもって「日本化した日本のフットボール」を体現すること、モヤがかかった表現ではあるものの、現状で目指す方向性として間違ってはいないのではないかと私には思えるのです。

もっと具体的な表現であって欲しいですけど。

 

田嶋会長の考える日本らしいサッカーとは?

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日本らしいサッカーというのは、しっかりとボールを繋いでいくこと。

ハリル解任会見のおいて、個人的な見解と前提した上で、日本らしいサッカーとは何かについて田嶋会長が上記のように語っています。

会長がこのレベルのことしか発言できないことにかなり失望したのですが、基本的には西野監督の言っていることと齟齬が生じるものではないと信じます。

 

サッカーは大雑把に分ければ「ボールを持っているとき」と「ボールを持っていないとき」の2パターンあります。

田嶋さんはそのうち「ボールを持っているとき」のことしか言わなかった、そのことに私はガッカリしました。

 

アジア予選とは異なり、ワールドカップでは基本的に日本が格下になります。

日本が格下ということは、日本が「ボールを持っていない」時間帯の方が「ボールを持っている」時間帯よりも多くなる可能性が高くなることは容易に想像できますよね。

それにもかかわらず会長は「ボールを持っているとき」の話しかしなかったこと、その内容も稚拙なことに失望しました。

サッカーは得点をしなければ勝てません。しかし得点より多くの失点をしてもやはり勝てないのです。

ピッチ上には「サッカー」があるだけなので、どちらか一方だけ語ってもそれは片手落ち、サッカーを語ったことにはならない。

「ボールを持っているとき」のことばかりを考えていては、ロシア大会もブラジル大会の二の舞になってしまうのではないでしょうか。

どちらも等しく大事です。

 

実際のところ、会見はかなり強いストレスを強いられる場だったはずですから、会長が言いたいことを全て言えなかった、意図とは異なる内容の発言をしてしまった、そういうこともあったのでしょう。

それでも田嶋さんが執筆した『「言語技術」が日本サッカーを変える』は皮肉になっています……。

 

トルシエが語ったハリル解任の真実?

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2018年4月13日には、かつて日本代表を率いてワールドカップ日韓大会でベスト16進出を成し遂げた「フィリップ・トルシエ」さんが、ハリルホジッチの代表監督解任について触れた記事がネットに出回りました。

 

日本代表監督の仲間はここ数カ月、プレッシャーに苛まれてきた。それはスポンサーも含むものだ。日本で協会に資金をもたらしているのはスポンサーだということを忘れてはいけない。国によるものではないんだ。彼らは大企業で、かなり重要な力を持っている。日本サッカー協会が決定する重要事項においてもだ。

 

記事内でトルシエさんがこのようなことを言っていました。

おそらくこの発言はかなり真実に近いものかなと私は思っています。

解任の原因の全てとは言わないまでも、一因にはなっているだろうなと。

 

昨年12月にホームの韓国戦に1-4で負けた。これが日本のシステムでは汚点となる。日本での友人から感じた内部事情だ。

 

このようにも言っていますね。

2017年に行われた「東アジアカップ (E-1) 」の韓国戦のことを指しています。

 

dysdis.hatenablog.com

 

当ブログでも何度も書いているので、詳しいことは過去の記事を読んでいただければと思いますが、私もあの試合はハリルさんにとってターニングポイントになっていると思っています。

ワールドカップ出場を決めたとかワールドカップのための試験期間とか、そういうエクスキューズを全て霧散させてしまうレベルの試合内容でしたし、試合後の彼の発言だったのですね。

 

おわりに

仮にザックや「岡田武史」さんが監督をしていた時代の選手やサッカーに戻ったとしても、それだけでは後退とは言えないのではないかと私は思います。

物事には失敗はつきもの。

後退と呼ぶ場合は、ハリルさんがもたらしたことや、もたらそうとしたことを省みずに、ザック以前のサッカーに戻った場合に限るのではないでしょうか。

それだけに西野監督を筆頭としたコーチ陣、そして選手たちは、「ハビエル・アギーレ」さんのサッカーを含めた過去4年間の分析や検証をし、反省もして、それを踏まえた上でチーム作りをしなければならないでしょう。

そうでなければ本当に無駄な4年間になってしまいますし、本物の後退になってしまいます。

経験をしたことは無視しようとして無視できるものではないと思いますけど。

 

私はサッカー素人なので見当違いなことを書いていたら申し訳ありません。

 

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