ディスディスブログ

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「あきら」は陸上を再開するのか?店長は小説家になる夢を再び追うのか?が示唆されました - アニメ『恋は雨上がりのように』10話の感想

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毎週金曜日00:55(木曜深夜)より、フジテレビ「ノイタミナ」枠にてアニメ『恋は雨上がりのように』が放送されています。

2018年3月16日の放送は第10話「白雨(はくう)」でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

目次

 

 

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アニメ『恋は雨上がりのように』

www.koiame-anime.com

 

 

2018年3月16日の放送は第10話「白雨(はくう)」でした。

白雨とはにわか雨や夕立のような、明るい空から急に降る雨の意味。

 

 

10話「白雨」

前回9話で、本作のヒロイン、風見沢高校2年生の17歳「橘あきら(たちばな・あきら)」は、自分の右足首の怪我から部活を退部して以来、関係がギクシャクしていた同じ高校の陸上部「喜屋武はるか(きやん・はるか)」と、決定的と思えるような喧嘩をしてしまいました。

「あきら」が今恋をしている相手、アルバイト先のファミレス「ガーデン」の店長「近藤正己(こんどう・まさみ)」からスーパームーンは願い事を叶えてくれると聞いた彼女は、願いの内容こそハッキリとはわからないものの、願い事の一つであろう、店長との仲の進展を叶えるべく一つの行動に出ていました。

 

 

横浜赤レンガ倉庫の古本市でデート

www.yokohama-akarenga.jp

 

「あきら」は店長を、『横浜赤レンガ倉庫』で催されている「青空 古本市」にデートに誘いました。メールで。

デートと言うと正確ではないですね、あくまで「友人としてオススメの本を教えてもらう」と古本市に店長を誘ったのです。

もちろんお勧め本を紹介してもらうことは名目、あるいは口実で、「あきら」にとってはデートの意味合いの方が強いはずです。

店長と2人で居られるのなら、どこだって良いのです。たぶん。

赤レンガの青空古本市には、9話で閉まっていた高田馬場の古本屋も出店しており、店主のおじいさんと出会うことができました。

店主は「あきら」を見て、店長の娘かと思ったようでした。

店長は職場のアルバイトの女の子と言おうとしていましたけど、「あきら」が店長の言葉に被せるようにして「友人です!」と大きな声で自己紹介していました。

店長はやはり本が好きな人ですから、たくさんの古本に囲まれた気分が高揚したのか、「あきら」の存在を含めた全てを忘れて本の世界に没頭してしまっています。

「あきら」は店主から、店長が学生時代から本が好きであったことや当時から本を書いていたことなどを聞いて、その”人となり”が以前より少しわかったようです。

わかったというか、より鮮明になったと言った方が良いでしょうか。

 

 

夏目漱石『それから』

それから・門 (文春文庫)

『それから』は、夏目漱石の小説。1909年6月27日より10月14日まで、東京朝日新聞・大阪朝日新聞に連載。翌年1月に春陽堂より刊行[1]。『三四郎』(1908年)・『それから』(1909年)・『門』(1910年)によって前期三部作をなす。

定職に就かず、毎月1回、本家にもらいに行く金で裕福な生活を送る長井代助が、友人平岡常次郎の妻である三千代とともに生きる決意をするまでを描く。

- それから - Wikipedia

結局、「あきら」は特に本を勧められもせず、ある本を購入していました。

「夏目漱石(なつめ・そうせき)」の『それから』です。

前期三部作の一つ、で他は『三四郎』と『門』です。

ちなみに後期三部作は『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』ですね。

 

私は漱石の中では『こゝろ』かこの『それから』が一番好きかもしれません。

『それから』のラストシーンはどう解釈すれば良いのか?当時はわからなかったです。

『門』を読めば、主人公の「代助(だいすけ)」その後がわかるようになっていますよね、あれは。 

 

店長は本1冊と古葉書をセットで購入していました。

古葉書は「あきら」が選んで「あきら」にプレゼントして……いましたっけ?

 

 

あきらの足首は治っている!

後日、「あきら」は通っている接骨院で、定期検診を受けていました。

「あきら」が検診を終えて診察室を出て行った後、主治医の先生と看護師が言うには、「あきら」の右足首の怪我は既に治っているそうです。

やろうとすれば、また走れるようになるのに、と。

しかし医師が言うには、陸上を再開するためには肉体的な問題ばかりでなく、本人にその意志がなければなかなか難しい、と言っていました。

 

この流れで言えば、「あきら」は今後、陸上を再開させるでしょうね。

店長が執筆活動を再び本格化させるのも既定路線でしょうし。

 

 

飛べないツバメ飛ばないツバメ

ある日、ガーデンの事務所で店長と「あきら」が2人きりになり、そこで「あきら」が古本市で購入した本の話になりました。

『それから』は「あきら」にとっては難しいらしく、まだあまり読み進められていないようです。

 

店長がその古本を借りてページをめくっていると、栞(しおり)が出てきました。

本と同様に年季の入った栞で、クローバーの絵(?)が描かれていました。

しかしよく見ると「ツバメ(燕)」も一緒に描かれていて、ツバメが1羽、クローバーを咥えている様子が描かれていたようです。

経年とともに色が落ちてしまい、クローバーのみが残っていました。

 

以前、ガーデンの事務所裏の勝手口の庇にもツバメの巣があったのだけど、飲食店ということもあって今は取り除かれている、と店長が話をします。

昨年、ツバメの雛が1羽だけなかなか巣立たずにいたという店長の話を聞いて、「あきら」がこう言います。

 

「もしも、仲間と一緒に飛び立てなかったら、そのツバメはどうなってしまうのでしょうか?」

 

巣立っていないツバメは「あきら」自身のこと。

 

「飛び立てなくても、その地に留まって得る幸せというのもあるかもしれないね……仲間たちのことも忘れて……」

「でも、そのツバメの飛び立たなかった理由が、ただの諦めであったとしたら、きっと毎日空を見上げることになる……ずっと……永遠に…………なんてな!」

 

と店長は答えました。

諦めたツバメは店長自身のこと。

お互いが自分のことを話していつつ、相手のことも話しています。

 

 

こんな店長だから

話しすぎたと反省の言葉を述べる店長に、「あきら」は店長の言葉が聞けて嬉しい、もっと聞きたいし、店長の言葉を読んでみたい、と言います。

店長は普段からメモを取る習慣があります。

それはいつか書く小説のため。ネタ帳。

こんな俺の?と聞く店長に、「あきら」は「こんな店長だから」だと言い、さらに先ほどのツバメの話に戻って……

 

「本当に飛ぶことを諦めたツバメは、きっと空を飛ぶことも忘れてしまうでしょうから」

 

と言いました。

自分が「はるか」とギクシャクしたり足首のこと陸上のことを思い出すのは陸上を諦めていないから、店長が書斎に多くの本や自筆の原稿を残しているのは小説家になる夢を諦めていないから。

 

「ツバメは知っている。雨の当たらぬ場所は陽も当たらぬ場所だと」

 

……とは店長の心のポエム。

 

「あきら」は店長の書く小説がきっと好きだと言った後、事務所から出てフロアに戻って行きました。

彼女の言葉を聞いた店長は……

 

「許されたい、なんてそんな大袈裟なことじゃない。けれどずっと誰かに言って欲しかった、それでも良いと……ありがとう」

 

……と「あきら」へ感謝するのでした。

 

どうして店長がそんなことを言ったのかというと、店長はかつて結婚をして子どももできたのに、生活を犠牲にし周りの人間を傷つけてでも、自分の夢に向かって邁進してきました。

しかし、気がついたら周りに誰もいない、何も残っていない(と彼は思っている)状況に陥っていたのです。

そんなただの「片思い」になってしまった小説を書くことを、「あきら」は肯定してくれたのです。

 

「あきら」は店長が書く小説はきっと好きだと言った理由は、単に彼のことが好きだからというだけではないでしょう。

店長を好きになった理由が「あきら」にそう言わせたのですね。

 

 

おわりに

原作漫画の『恋は雨上がりのように』は次回が最終回だそうです。

アニメもそろそろ終わりですけど、どういう終わりになるのでしょうね。

漫画と同じ終わりにするにはおそらくかなり時間をジャンプさせたり端折ったりしなければならないでしょうから、全く同じにはしないと思います。

原作を知らないのでどういう物語の展開になっているのか想像できていないですが。

 

ただ、今のアニメの展開から、「あきら」は陸上を再開するでしょうし、店長は小説を書き始めるでしょう。本格的に。

そうなったとき、お互いがお互いを恋人として見られるのかどうか……。

お互いの心の隙間ができたときにお互いが出会っている訳で、隙間ができた部分を隙間ができた理由(陸上と小説)で再び埋められるのなら、そこにはもはや他の要素(恋)が入り込む余地がなくなるかもしれず……。

 

映画の『恋は雨上がりのように』も5月25日に公開されるのですね。

店長は「大泉洋(おおいずみ・よう)」さんですか……う〜ん、イメージが大分異なりますけど、大泉さんの店長も見てみたいです。

やはり映像的なギャップはありますが、私が店長のキャスティングをするなら「加瀬亮(かせ・りょう)」さんが良いかなと思いました。

憂いのある雰囲気がマッチしそうかなと。 

 

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