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店長の「この感情に名前をつけるのはあまりに軽薄だ」のポエムが良かったです - アニメ『恋は雨上がりのように』7話の感想

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毎週金曜日00:55(木曜深夜)より、フジテレビ「ノイタミナ」枠にてアニメ『恋は雨上がりのように』が放送されています。

2018年2月23日の放送は第7話「迅雨(じんう)」でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

目次

 

 

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アニメ『恋は雨上がりのように』

www.koiame-anime.com

 

2018年2月23日の放送は第7話「迅雨(じんう)」でした。

迅雨の意味は何でしょうか?

そのまま受け取るなら非常に激しい雨になるかと思います。

Twitterに書かれている「激しく打ちつける雨」が意味ですか。

 

 

7話「迅雨」

前回6話で、本作のヒロイン、風見沢高校2年生の17歳「橘あきら(たちばな・あきら)」が、アルバイト先のファミレス「ガーデン」の店長「近藤正己(こんどう・まさみ)」と、地元にある大きな図書館で偶然に出会いました。

店長は図書館で「波の窓辺」という本に気がついてから何か様子がおかしかったです。

「あきら」のことも目に入らず上の空、というかその著者が「九条ちひろ」のことを考えているようです。

 

 

 

君が俺の何を知っているの?

7話では、仕事中も九条ちひろのことが気になってしまうようで、ガーデンの事務所のパソコンでもAmazonと思われるWebサイトのレビューを見てしまっています。

「あきら」は店長に元気がなかったことに気がついていて、そんな店長を元気づけたい、また店長との距離もさらに縮めたいと考えていることから、図書館でのことを話し始めます。

「あきら」は図書館で夏目漱石の『坊っちゃん』を借りていたので、その話をしつつも店長が借りた九条ちひろの本の感想を求めてしまいます。

店長は知り合いの書いた本なのだと答えると、「あきら」はプロの作家と友だちなんて凄いと褒めるのです。

しかしその言葉は今の店長には重く……

事情を知らない、または気づけない「あきら」は、店長が凄い人だと褒めるのです。

本を書いた人が凄いのであって、俺が凄いんじゃないと答える店長……

店長のその台詞を謙遜と受け取ったのか、「あきら」は尚も褒めてしまうと……

 

「君が俺の何を知っているの?」

 

……つい、店長はそう言ってしまうのでした。

うなだれる「あきら」……辛い。

 

 

どうして胸が千切れそうなの?!

「あきら」はそれ以来意気消沈しています。

そんなある日、店長が風邪でガーデンを休んでいることを知ります。

その日は荒れた天候で暴風雨でした。

店長は自宅アパートで独り寝込んでいると部屋にチャイムが鳴り響きます。

最初は居留守を使うつもりでしたが、チャイムは何度も鳴らされるので仕方なく玄関ドアを開けると、玄関の先にはずぶ濡れの「あきら」が立っていました。

店長は「あきら」を部屋に入れ、彼女にガーデンで何かトラブルでもあったのかと聞きます。

「あきら」は無言で首を振ります。

「あきら」はテーブルに上半身を多い被すようにして顔を伏せているため、表情は全くわかりません。

すると突然「あきら」は「私は店長のことを何も知りません」「だから知りたいです、店長のこと、私」と言いました。

これで店長もどうして「あきら」が突然家を訪れたのかの理由がわかりました。

店長はゴメンと謝ってから、でもやっぱり自分は大したことない人間で人に誇れることなど何一つない、「あきら」が思うような「大人」じゃないんだ、と丁寧に説明します。

「あきら」は「店長は素敵です」と尚も言います。

店長のことが大好きですから、そう簡単には揺るがないのですね。

店長は「俺からしたら橘さんの方が遥かに素敵だよ〜」「若くて希望に満ち溢れてて、キラキラ輝いてる」と褒めると、「あきら」は……

 

「じゃあ、どうしてこんなに胸が千切れそうなの?!!」

 

と絞り出すように、そして語気を強めて言うのでした。

 

 

掛け替えのない財産

「若さっていうのは、時に乱暴で凶暴なものなんだよ……それでもその時感じた感情というのは、いずれ掛け替えのない財産になる。今はわからなくても」

と「あきら」の“叫び”に答える店長。

 

「私が店長のことを好きなのは迷惑ですか?」

「私では駄目ですか?」

 

「駄目な訳ないじゃないか!橘さんは誰から見たって素敵に違いないよ!駄目なんてことは決してない!俺は……っ」

 

とまで店長が言ったときに停電が起こります。

 

薄暗い室内に店長と「あきら」が二人きり。

窓は風でガタガタを音を立てています。

 

店長の言葉は決して彼女を慰めようと都合の良い言葉を並べたのではないでしょう。

心から「あきら」に感謝をしています。

彼女は「掛け替えのない財産」を思い起こさせてくれる存在だから。

 

 

店長のポエム炸裂

顔をあげる「あきら」、頬に一筋の涙を流します。

「良かった……」

自分は嫌われていないとわかって安堵した涙です。

 

そんな「あきら」を見た店長が心の中で語ったポエムは、とても文学的で素晴らしいものだったと思います。

 

この感情に名前をつけるのはあまりに軽薄だ

 

それでも、今彼女が抱えている不安を

取り払って救ってやりたい

例え自分にそんな資格があるとは思えなくても

 

この感情を、この感情を、この感情を「恋」と呼ぶのはあまりにも軽薄だ

 

今、このひととき、傘をとじて君の雨に濡れよう

どこまでも青く、懐かしさだけで触れてはいけないものを

 

今、僕だけが守れる

 

今、このひととき、降りしきる君の雨に、君と濡れよう

どこまでも青く、青く輝き続けられるように

 

今、僕だけが祈れる

 そう心で言いながら、店長は思わず「あきら」を抱きしめるのでした。

 

 

友だちとしての

ポエムが終わると我に返ったのか、抱きしめていた「あきら」の肩を掴んでぐいっと引き離しました。

ちょうど停電からも回復して、部屋に明かりが灯ります。

 

「友だち!友だちとしてのハグ!!」

 

と店長は顔を真赤にして弁明するように言うのです。

それは決して熱だけで赤くなったものではないでしょう。

「あきら」も顔を真っ赤にして「友だち……」と言うのでした。

 

 

加瀬は空気の読める子

今回はガーデンの厨房のバイトをしている大学生「加瀬亮介(かせ・りょうすけ)」が良い役割を担っていました。

先述した「俺の何を知っているの?」のシーンでは、実は加瀬も休憩のために事務所に入ろうとしていました。

でも通路にいる段階から店長の言葉やその前の「あきら」とのやり取りも聞こえていたようで、ドアノブに手をかけたところまで行っていましたが空気を読んで事務所に入るのを止めています。

後日、落ち込む「あきら」に対してこう言いました。

 

「あんまり店長のことを追い詰めたら気の毒だよ」

「あの人にも立場ってのがあるし、明らかに困ってんじゃん?」

「それとも追い詰められてるのは橘ちゃんの方だったりして」

「楽しいことがまた消えてしまわないように」

 

と言ったのです。

楽しいことがまた〜の部分は、彼女が怪我をしたため陸上を諦めざるを得なかったことを指しているのでしょうか。

 

自分のことばかり店長を追い詰めてはいないか、それを考えるきっかけを「あきら」に与えています。

その結果として、その後風邪を引いて寝込んでいる店長のアパートに押しかけているのですから、「あきら」が本当に加瀬の言ったことを理解できたかはわかりませんけど。

 

 

おわりに

今回も「あきら」の怖いくらいに一途な恋のお話でした。

いや怖いですよね、「あきら」……私が店長なら引いてしまうかもしないです。

 

「あきら」は店長をハグをできたことは嬉しくても、「友だちとして」と言われたことで引っかかりが生じたはずです。

友だちからもう一段上に上がるために何をすれば良いのか、それは次回のお楽しみです。

そうそう、後日「あきら」は店長の風邪が感染って寝込んでしまいました。「あきら」のことですから感染ったことは嫌じゃないでしょうね。

 

アニメはどういう最終回を迎えるのでしょうね。

私は、店長とあきらの2人は恋愛関係に発展しない、あるいはそこに行く手前で終わると思っていますけど。

 

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