ディスディスブログ

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リリコと四郎は互いに思いやる気持ちがあるし、四郎は言葉じゃなくても伝えられるものがある、それが「しゃべらん漫才」の極意です - 朝ドラ『わろてんか』107話と108話と109話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2018年2月10日放送の109話はリリコアンドシローのしゃべらん漫才の初披露回でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

目次

 

 

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『わろてんか』第19週「最高のコンビ」

www.nhk.or.jp

 

2018年2月5日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第19週「最高のコンビ」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は先週と同じ昭和9年(1934年)と思います。

本作のヒロイン「北村てん(きたむら・てん、演:葵わかな)」は、17週に夫の「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」を亡くしました。

籐吉との間にできた子ども「隼也(しゅんや)」は、通っていた大学を退学して渡米し、「てん」の義理の母「北村啄子(きたむら・つえこ、演:鈴木京香)」のもとへ身を寄せていましたが、帰国しました。

「てん」は大阪と東京に寄席小屋「風鳥亭(ふうちょうてい)」を30軒も出している「北村笑店(きたむら・しょうてん)」のご寮人さん(ごりょんさん)、女将さんです。籐吉亡き後は社長に就任しています。

「てん」の従兄弟の「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」が専務、「てん」の経理を手伝っていた「トキ(演:徳永えり)」は風太と結婚した後は子育てもあって休職していましたが、再び「てん」と一緒に働き始めています。

「てん」のかつての見合い相手で、籐吉の親友でもあった「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」は、トーキー映画を扱う映画会社から不動産、百貨店など手広く手掛ける「伊能商会」を経営しつつ、北村笑店の役員として「てん」を支えています。

「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」は従業員のままでしょうか。

「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」は、現在は芸人を辞めて北村笑店文芸部の部長として、漫才のネタを書く作家業に専念、吉蔵の妻「万丈目歌子(まんじょうめ・うたこ、演:枝元萌)」は芸人からカフェ「マンマン」の経営者の専業に戻っています。

かつての「てん」のライバル「杉田楓(すぎた・かえで、演:岡本玲)」は、北村笑店文芸部に入って後述する「ミス・リリコ・アンド・シロー」のネタの台本を書いています。

藤吉の芸人時代からの仲間「キース(演:大野拓朗)」と「アサリ(演:前野朋哉)」はしゃべくり万歳でお笑い界のトップにいるようです。「岩さん(がん・さん、演:岡大介)」は芸人のまま?

 

 

ミス・リリコ・アンド・シロー解散?

「リリコ(演:広瀬アリス)」が映画俳優から女芸人に戻り、栞が連れてきた「川上四郎(かわかみ・しろう、演:松尾諭)」とコンビを組むことになりました。

コンビ名は「ミス・リリコ・アンド・シロー」です。

2人は北村笑店が主催する天下一決定戦「大漫才大会」に出場し、いきなりキース・アサリを破ってお笑いの頂点に立とうとしました。

しかし芸の世界はそんな甘いものではなく、会場の笑いは取れていたのものの結果は入賞すらできませんでした。

その後、ミスリリコアンドシロー、特に四郎は壁にぶつかっています。

元々しゃべりが得意ではない四郎はしゃべくりが上手くできないのです。

実は漫才大会は、四郎が緊張から全くしゃべれずにしどろもどろ、そんな話せない四郎の分までリリコがしゃべることで体裁を整えていた、偶然に取れた笑いでしかなかったのです。

そのことは四郎自身が最もよく理解していて、彼はしゃべくり漫才をものにするべく稽古に稽古を重ねています。

その様子を見て、リリコも風太も後押しをしたいと考えていましたが……やはり結果はなかなか出ません。

「てん」はそこで「しゃべらん漫才」を提案しました。

しゃべりが苦手なら無理にしゃべる必要はない、しゃべらないで笑いを取れる漫才、四郎とリリコに合った漫才がきっとあるし、それこそがしゃべらん漫才だと言うのです。

四郎にとってそれは「自分はいらない」と言われているように聞こえました。

漫才はしゃべくりで笑わせる芸なのに、しゃべらないのなら僕がリリコと組む意味がない、僕がここにいる意味がないじゃないですか、と怒ってその場を立ち去ってしまいました。

リリコも四郎に追従してしゃべらん漫才を否定します。

「てん」はそういう意味で言ったのではないと、何とか2人の説得を試み、リリコの理解は得られました。

リリコは四郎を説得してみると言い、実際にカフェ「マンマン」で説得をしましたが、四郎は信じていたリリコにまで裏切られたと感じたようで、とうとう言ってしまいます。

「ミスリリコアンドシローは解散や」

 

 

四郎は言葉じゃなくても伝えられるものがある

四郎は社長の「てん」と専務の風太に、ミスリリコアンドシローの解散と、それだけでなく自身の北村笑店の解約を願い出ました。

「てん」は栞に言われたこともあって、もう一度どうしてリリコと四郎にしゃべらん漫才を提案したのか、その真意を伝えます。

大漫才大会の2人を見て、女が男を言い負かす様子が面白いと思った、でもそれは女からしたら面白い男からしたら面白くない、そういうものではなくて……

「ミスリリコアンドシローだったらそうはならない」

……そういうのです。

どういうことか?

それはリリコと四郎にはお互いに思いやる気持ちがあるから。

リリコが四郎にきついことを言っても、お客さんは安心して笑える、漫才は人と人がやるもので、お互いが支え合う気持ちがないといけない、しゃべらん漫才は2人で初めて成立するもの。

漫才大会で客が笑ったのは、四郎がセリフを忘れて怒られている姿がみっともなかったからではない、そんな四郎を何とかしなければと頑張るリリコの形振り構わない姿がウケたのだと言うのです。

2人でちゃんと漫才をしていたからウケた。

四郎はしゃべくり以上の誰にも持っていなものを持っている、言葉じゃなくても伝えられるものがあるじゃないですか、「てん」はしゃべらん漫才に四郎が必要な理由をこのように伝えていました。

四郎の言葉じゃなくても必要なもの、それは「アコーディオン」です。

 

 

しゃべらん漫才初披露

楓が書いたしゃべらん漫才の台本から、四郎本人の提案でもっと大胆に四郎がしゃべらない台本に仕上がったしゃべらん漫才が、109話で初めて披露されました。

風太の計らいで、大入りのタイミングで高座に上げられたミスリリコアンドシロー、2人が披露した漫才は大漫才大会のように四郎がしどろもどろなものでした。

しかしそれは芸として台本通りの「しどろもどろ」である点で、漫才大会とは大きく異なる漫才になっていました。

実際に四郎のセリフはほとんどなく、顔芸で焦る緊張する演技(だけではないでしょうけど)をし、その代わりにアコーディオンを弾く手指は動かす、でも(リリコにとって)いらんところ「(リリコさんと結婚したい)それだけは止めた方がよろしいで!」のセリフだけはしっかりを言う、そういう漫才です。

会場はオオウケ、大成功でした。

 

 

隼也の丁稚奉公

隼也は北村笑店で丁稚奉公として下っ端から日本のお笑い、寄席、興行の仕事を学んでいくことになりました。

109話現在の隼也は売店の売り子を任されていて、自分のアイデアで出演者の似顔絵が焼印された紅白饅頭を出したり、「てん」の実家「藤岡屋」の化粧水を置いたり、自前の月刊誌「キタムラ」を置いたり、商品ラインナップを豊富にすることで、売店の売り上げはこれまでにないほどだったようです。

普段の3倍の売り上げと言っていたでしょうか。

結果を出したことで、いよいよ本格的に経営に参画できるようになるかなと期待していた隼也でしたが、風太はまだまだ下っ端として仕事を教え込むつもりでした。

嫌な予感がします。

 

 

おわりに

ミスリリコアンドシローの漫才はとても良かったです。

広瀬アリスさんも松尾諭さんも、他のお仕事もあって忙しいでしょうに、よくぞここまで仕上げたなと驚くレベルで。

『わろてんか』は落語といい漫才といい、演者さんが本当に頑張っておられるなと思います。裏で相当な努力をしているはずです。

そういえば109話ラストに籐吉の幽霊が登場していましたね。毎週出てくる流れでしょうか? 

ということは成仏していないということですよね。

それはそれでどうなのか……「てん」が亡くなるときに2人で一緒に天に昇る感じで成仏するのでしょうか?

さて、次週は第20週「ボンのご乱心」です。隼也は今回目に見えた結果を残したのに評価されなかった、という思いがあるでしょうから、その不平不満が爆発するみたいです。

 

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