ディスディスブログ

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北村笑店と寺ギンの決着が着いた良い最終回でした。最終回じゃないけれども - 朝ドラ『わろてんか』71,72話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2017年12月23日放送の72話は「てん」たち北村笑店と寺ギンの決着が着きました。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

『わろてんか』第12週「お笑い大阪 春の陣」

www.nhk.or.jp

 

2017年12月18日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第12週「お笑い大阪 春の陣」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は大正5年(1916年)に移っています。本作のヒロイン「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は、「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と結婚をして北村姓「北村てん」となり、「隼也(しゅんや)」という名前の男の子もいます。

「てん」は大阪・天神にある寄席小屋「風鳥亭(ふうちょうてい)」を2店舗経営する「北村笑店(きたむら・しょうてん)」の御寮人さん(ごりょんさん)として家事と育児と仕事で忙しい毎日を送っています。

現在は夫婦と、「てん」の実家「藤岡屋」の女中であった「トキ(演:徳永えり)」、元席主の「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」、藤吉の芸人時代からの仲間「キース(演:大野拓朗)」や「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」、「岩さん(がん・さん、演:岡大介)」、「アサリ(演:前野朋哉)」は芸人として舞台に出つつも小屋での仕事もこなしてくれています。

 

 

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トキのビンタの理由

70話ラストでトキが街の通りで話しかけてきた「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」をビンタしていました。風鳥亭3店舗のうち2店舗が店を開けられない状況に陥っていることは、風太が手下として働いている、オチャラケ派の大手太夫元「寺ギン(てら・ぎん、演:兵動大樹)」が風鳥亭を潰そうとしているからです。

寺ギンは自分のところの芸人を誰一人風鳥亭に派遣せず、大阪の他の太夫元の芸人、また大阪のみならず周囲の京都や神戸の太夫元のも手を回しているようで、風鳥亭はもはや風前の灯の状態に陥っています。風が吹いたら消えてしまいそうです。

お茶子として働いているトキとしては、「藤岡屋」時代からずっと一緒に「てん」を支えてきた風太がどうして「てん」を苦しめるようなことをするのかと、自分が知っている風太は今のような人間じゃない、元に戻って欲しいと怒りや寂しさや哀しさや色々な気持ちが綯い交ぜになったビンタなのです。トキが風太のことを好きであることも理由の一つでしょう。トキの想いは明言されていないですけど、たぶんそうなはずです。

 

 

風太vs.寺ギン

寺ギンお抱えの芸人たちは風太のところに集まり、風太に懇願していました。何を懇願していたかというと、自分たちが風鳥亭に移籍したいということです。寺ギンと芸人の間にいる風太に、寺ギンと風鳥亭に何とか話をつけてもらえないかということですか。

風鳥亭は月給制を採用したことで、キースたちお抱え芸人たちは安定した収入を得られるようになりました。その安定した生活が寺ギンお抱え芸人たちを動かしています。ただそれが寺ギンからの攻撃を強めているのですが……。

トキのこともありますし、芸人たちから懇願された風太は、寺ギンに自分たちの芸人たちにも月給を払ってやりましょうと提案します。がしかし、寺ギンは芸人に安定した生活を与えるとハングリーさが損なわれると聞く耳を持ちません。

風太は寺ギンに、以前の芸人のことを思うあんたはどこに行ったんだ、今のあんたは金の亡者に成り下がっていると指摘すると、寺ギンからお前はクビだと言われてしまいました……。藤岡屋を辞めて、寺ギンに拾われた身の風太としては、寺ギンに見限られたら頼るところとなくなってしまいます。途方に暮れる風太。

 

 

風太のクーデタ

風太は覚悟を決め、寺ギンお抱えのオチャラケ派芸人150人(でしたっけ)を引き連れて風鳥亭を訪れ、席主である藤吉と御寮人さんである「てん」に頭を下げ、連れてきた芸人全員を風鳥亭で雇って欲しいと頭を下げます。

子供の頃から藤吉を目の敵にしてきたあの風太が藤吉に頭を下げました。恋敵に頭を下げる、なかなか勇気が必要がことです。それくらいの覚悟ということでしょう。

そのとき風鳥亭には寺ギンも来ていました。寺ギンは風鳥亭を買い取ろうと商談を持ちかけていたのです。風鳥亭はもう1ヶ月も持たない、売るなら今だと。風太たちの前に姿を見せた寺ギンは風太たちにこれはどういうことだと凄みます。彼が強気に出られる理由は証文でした。要するに芸人に金を貸しているため、それを返済するまで芸人たちを束縛できると彼は考えているのです。

「てん」はそれならと自分が借金を全て返済すると申し出ました。それに対して寺ギンは今の「てん」たちがそんな金を出したら共倒れがオチだとさらに凄みます。しかし「てん」は自分がこれまでコツコツ貯めていたお金を全て叩いて返済することにしたのです。

 

 

文鳥が「てん」の始末を見破る

そこへ、オチャラケ派と争っている伝統派の「喜楽亭文鳥(きらくてい・ぶんちょう、演:笹野高史)」が現れました。

実はその前に、風鳥亭の危機を立て直すべく藤吉は文鳥の元を訪ねて出演交渉をしようとしていましたが、寺ギンに先を越されてしまい、交渉するまでもなく門前払いを食らっています。

その文鳥がどうして訪れていたかというと、ただ通りかかっただけのようでした。特に理由は言っていなかったと思います。

文鳥は、「てん」が自分とは直接関係のない芸人たちを救うために身銭を切ろうとしていることを知り、また彼女のその日着ていた着物が、自分にカレーうどんを食べさせてくれた6年前のあのときと同じものだと気づき、彼女がこれまでいかに自分に厳しく「始末」してきたかを見抜き、その姿勢に感銘を受けました。

文鳥は自分を筆頭とする伝統派の噺家53名も北村笑店にお世話になりたいんだけど、どないでっかと言うのです。藤吉たちはもちろんだと答えると、文鳥は「よろしゅう、おたの申します」と頭を下げるのでした。

それはつまり寺ギンの敗北を意味します。北村笑店には天才・月の井団吾がいて、自分お抱え芸人も皆取られ、しかも自分と戦っていた伝統派の親分である文鳥一派までもが風鳥亭に付いたのですから。

「てん」は寺ギンにも笑って欲しいと言います。これまでの行為を許すということでしょう。寺ギンは自分が持っている証文を全て北村笑店に手渡していました。

 

 

風太が番頭へ

一件落着すると、自分の仕事は終わったしもはや大阪にはいられないと考えたのか、風太はどこぞへ立ち去ろうとします。そこへ「てん」が現れ風太の手を引っ張り、風太に対して風鳥亭の番頭として働いて欲しいとお願いします。

風太は「てん」の実家である「藤岡屋」で働いていたときに手代でした。番頭にはなれていなかったのです。風太は「てん」たちを窮地に陥らせた側の人間ですから、迎えてもらえるだけでも考えられないことなのに、まさか番頭として迎えてもらえるとは……と感涙。風太は「席主、御寮人さん、よろしゅうたのんます」と頭を下げて引き受けていました。

 

 

おわりに

後に北村笑店は芸人を200人以上に増やし、店舗を10まで拡大していました。一大チェーンです。大阪の千日前に新たな本拠地も建てました。寺ギンはお坊さんに戻って自分を見つめ直す全国行脚に旅立ったそうです。

こけら落としには文鳥と団吾が並んで口上を務めていました。2大スター共演です。ていうか「月の井団真(つきのい・だんしん、演:北村有起哉)」はどこへ行ったのでしょうか? 彼のその後は気になるところですが。

何だか今回は最終回のような雰囲気がありました。このまま終わっても良かったのではないかと思える内容でしたね。

第13週は「エッサッサ乙女組」です。「安来節(やすぎぶし)」を取り上げるみたいです。

 

現在は郷土芸能(民謡正調)としての側面が強く打ち出されているが[2]、出雲から全国的な巡業がなされ[3]、大正期には吉本興業の林正之助[4]が大阪で仕掛けた大ブームがあった。

安来節 - Wikipedia

安来節のWikipediaにはこのように書かれています。ネタバレ感がありますので、知りたくない方はWikipediaを読まない方が良いです。知りたい方はどうぞ。

 

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