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心優しき強面の山崎順慶が言う「信じれば夢は叶う」は端折りすぎだという意見に強く共感しました - アニメ『3月のライオン』32話の感想

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毎週土曜日23:00より、NHK総合にてアニメ『3月のライオン』が放送されています。

2017年12月16日の放送は32話(第2シリーズ10話) 「Chapter.64 銀の羽根」「Chapter.65 川景色」した。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目次 

 

 

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アニメ「3月のライオン」

3lion-anime.com

 

2017年12月16日の放送は第32話 「Chapter.64 銀の羽根」「Chapter.65 川景色」した。

 

 

第32話 「Chapter.64 銀の羽根」「Chapter.65 川景色」(第2シリーズ第10話)

主人公「桐山零(きりやま・れい)」は前回「新人戦」のタイトルを取り新人王となりました。零が決勝で戦った相手は、4期連続で新人王となっていて今回優勝すれば「永世新人王」になる「山崎順慶(やまざき・じゅんけい)」でした。

山崎は準決勝の対局で、零のことを「心友」「ライバル」と呼ぶ「二海堂晴信(にかいどう・はるのぶ)」を破って決勝に進出していました。準決勝の対局は千日手で取り直した上の138手で二海堂が力尽きたことによるものでした。二海堂の棄権によって勝ち上がっていたということでしょう。

零は二海堂と山崎の対局を棋譜で知り、内心腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えていたようです。

 

 

信じれば夢は叶う

山崎は身体が大きく、スキンヘッドで眉毛がない、迫力のある外見とは裏腹に、その内面は繊細な人のようでした。

山崎は今年でプロ棋士になって6年みたいですけど、この春、2つ目の降級点を取っていて、はっきりと伸び悩みを感じています。またプライベートでも、趣味で「レース鳩」をしていて、手塩にかけて育ててきた鳩の「銀(ぎん)」がレースから戻ってこなくなってしまいました。踏んだり蹴ったりの1年だったようです。

山崎が「信じれば夢は叶う」という、テレビや映画や物語でよく目にし耳にする言葉について、心のなかで語っている内容がとても共感することができました。

信じれば夢は叶う、たぶんこれは本当だ。しかし一文が抜けていると言うのです。正しくは「信じて、努力を続ければ、夢は叶う」です。さらに言えば「信じて、他のどのライバルよりも1時間長く、毎日努力を続ければ、『ある程度までの夢』まではかなりの確率で、叶う」ものだと言っていました。

ただそれだと長すぎです。キャッチコピーは短い方が良いから「信じれば夢は叶う」になっていると山崎は考えています。でも山崎にとってそれでは端折りすぎなのですね。それでは何もしなくてもただ信じていれば叶うみたいじゃないか、と。

 

 

山崎は繊細な人

また、昔の友人との飲み会など人が集まるところへ行くと、将棋について「棋士って儲かるの?」「有名になってテレビとかに出てよ〜」「早く名人とかなっちゃてよ〜」などといつも言われるそうです。

その度に山崎は「へぇ、主任なんだ。で年収幾らなの、主任って?」「早く部長とか取締役とかになっちゃってよ〜、バーンと20代のうちにさ。その方が格好良いじゃん?」と返したくなるそうです。そのくらいと同じくらい暴力的な質問だと彼は思っています。

でも山崎はそれらの言葉はただの挨拶みたいなものだとわかって以来、いちいち説明することを止めて黙っていることにしたそうです。場が盛り下がるから。けどその質問をされるたびに自分は地味に傷ついています。このように心が繊細で優しい人なのです。

 

 

山崎から見た零と二海堂

山崎はまだ新人戦に出られるくらいの年齢ではあるものの、零と二海堂という下からの突き上げを食らっている人です。才能あふれる活気に満ちた零たちに羨望と嫉妬の念を抱いています。

将棋は深く潜れば潜るほど新しい答えがあるけど、身が千切れるような痛みを伴います。新しい発見欲しさに痛みを我慢して・忘れて潜っていたけれど、どうせまた見つからないという思いが勝ったときからリミッターの効いた努力しかできなくなったそうです。恐怖が勝ってしまったのです。しかし、そんな自分を尻目に零と二海堂は当然のごとく飛び込んでいく。手ぶらになって戻ってもその都度対策を練っては。何度でも。

二海堂との対極のとき、山崎は自分に唯一残されているタイトルを是が非でも守ろうとして、二海堂の体調のことを知りつつ千日手をしたようです。取り直しになったとき、二階堂は山崎を凝視しつつ笑いました。笑ったのです。その瞬間、山崎は「こいつらのいる世界に戻りたい」と痛切に感じたようでした。

後日、山崎は自宅の庭に咲いているアジサイを花束にして、二海堂が入院する病室の前に贈っていました。差出人が山崎だと、二海堂はすぐに気がついたようです。そして、次は絶対負けないからなと誓うのでした。

ちなみに山崎の鳩「銀」はそのころ無事に家に戻ってきたようです。目が覚めた彼に再び光明が差してきたことを示しているのでしょう。

 

 

ひなたとプリン

零は日頃世話になっている川本家の次女「ひなた」が京都へ2泊3日の修学旅行に行くと知り、クラスの「高城めぐみ(たかぎ・めぐみ)」たちからイジメを受けている「ひなた」が自由行動で一人になることを危惧しています。

新人戦決勝で山崎を破ったその足でわざわざ単身京都に乗り込み、一人川辺で座っていた「ひなた」を見つけ出しました。零は、旅行前日に胃痛に苦しんでいた「ひなた」が旅先でろくに食事が取れていないだろうと、プリンなど柔らかい食べ物を買って、「島田開(しまだ・かい)」がオススメする精神性の胃腸薬も渡していました。

自由行動とはいえ他校の人間(零)と一緒にいることはさすが良くないだろうからと、零は自分のメガネをかけさせたりパーカ(でしたか)をかけてやったりと、「ひなた」を変装させてもいました。メガネは度が強くて無理みたいでしたが。

何も知らない土地で一人きりになっていた「ひなた」に零が寄り添ってあげることで、まるで自宅近くの川(荒川?)かのような錯覚を「ひなた」は感じていたようです。安堵したのですね。好きに変わる日も近そうです。もう好きになっているかも。

 

後日、零の祝勝会のはずが、零の優勝賞金でおごってもらうことになった、「ひなた」と長女「あかり」が甘味処に入って、嵐のような注文を見せていました。確実に太るやつです。

川本三姉妹の祖父「川本相米二」や零が餅やうどんなどを頼むものですから、それらも食べたくなってしまい、甘いもの塩っぱいもの甘いもの塩っぱいものの無限ループで動けなくなるくらいに食べまくったようです。

 

 

おわりに

山崎の繊細さはとても共感できるものでした。いや、いくら繊細といったってプロ棋士になったくらいの人ですから、そういうプロの世界でのメンタルの話であって、私のようなものと比較することなど到底出来るものではないでしょうけれども。

決勝戦で零に対して悪どい手段を使ってこなかった理由も、今回のエピソードでわかりましたね。今回は二海堂との準決から決勝の間のエピソードだということになるはずなので。