ディスディスブログ

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男がフォトに言った「いつか分かるさ」の意味とは何でしょう?モトコンポ的なモトラド「ソウ」も登場です - アニメ『キノの旅』6話の感想

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毎週土曜日(金曜深夜)00:30より、TOKYO MXにてアニメ『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』が放送されています。

2017年11月11日の放送は第6話「雲の中で」でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目次 

 

 

アニメ『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

www.kinonotabi-anime.com

 

2017年11月11日の放送は第6話「雲の中で」でした。

 

 

6話「雲の中で」

6話には主人公(ヒロイン?)「キノ」とモトラド(話すオートバイ)「エルメス」はわずかにしか登場しませんでした。代わりに新しいキャラクター、女性1人とモトラド1台が登場しています。その2人(1人と1台)の出会いの話です。

 

 

新キャラ「フォト」と「ソウ」

6話で登場した新キャラクターは「フォト」と「ソウ」です。

フォトは「ある宗教国家から旅商人たちの代金の代わりとして売られた孤児」でした。要は奴隷です。しかし6話の話をきっかけにして奴隷から解放され、後に写真家として生計を立てることになりました。

フォトの性格は素直で正直ですが、奴隷の頃を見るに若干それが過ぎる感もあります。狂信的でした。フォトのCVは「水瀬いのり(みなせ・いのり)」さん。

ソウはフォトが奴隷としていた旅商人たちのトラックの荷台に収められていたモトラドです。フォトが解放されたときに、フォトは死のうとしていましたが諭して旅に誘いました。

ソウの性格は口は毒舌ですけど面倒見は良さそう。バイクはホンダ「モトコンポ」と思われます。ホンダの小型自動車「シティ」に積める目的で設計されたとか何とか。ソウのCVは「緒方恵美(おがた・めぐみ)」さん。

 

 

奴隷と信仰

6話は前述したフォトとソウの説明のところに書いたような展開です。フォト、そのときはまだ名前がない状態したが、トラック数台分の旅商人一行の奴隷となって山岳地帯へとやって来ました。

フォトは、旅商人の一人(用心棒?)から奴隷としての今の状況をどう思うかと問われると、誰も恨んだり憎んだり殺したいと思わない、世界は素晴らしいし、人はお互いを愛し合い尊敬し合い生きていける、いつか皆が気づいてそういう人たちだけの「美しい世界」が来ると思う、恨んだり憎んだり殺したりするなら死を選ぶ、と答えました。

狂信的です。国も身寄りのないフォトを代金代わりに商人に売っている時点で、その国の教祖に正義も何もないと思うのですが、彼女は教祖に対して疑いの欠片も抱いていません。少なくとも言葉や態度では。

 

 

旅商人一行は山岳地帯の道中で休むことにし、フォトは奴隷として食事の準備をさせられていました。フォトに出された食べ物は、商人たちとは別で質素なスープ一膳だけです。

皆で食事をするところでフォトはあることに気が付きます。食事に使った草は高山では毒を持つということを。実は、食事を作る時点でフォトは毒のことに気づきそうになっていたのですが、ボ〜ッとするなと怒られたことで思い出せずにいたのです。

毒のことに気がついたフォトは、商人たちに食べないように懸命にお願いをしましたが、商人たちは耳を貸さずにフォトを詰りつつ、食事を続けます。このままだと商人一行は死んでしまう、自分が殺したようなものだと、殺人を犯してまで生きていくはない(宗教的にも大罪なのしょう)と考えたフォトは、自分に出されたスープを飲み干して死のうとします。

が、それも事情を知らない(知ろうともしない)商人やその子供たちが意地悪で飲ませなかったり、言葉で事実を話そうとしても石を投げつけたりして飲ませませんでした。後のフォトにとってはそれが奏功する訳ですが。

そして、旅商人とその家族だけが毒草を食べて体に入れてしまい、一行は全滅します。

 

 

一瞬よぎった思いと罪

正確には1人だけ、野菜嫌いの男は生き残っていました。しかし瀕死の状態で先は長くありません。男は自分たちに何が起こったのかをフォトに聞き、事実を聞かされると、今度はフォトがスープを飲み干そうとした理由を聞きました。

フォトは、あのとき一瞬でも「皆が死んでも良い」と考えてしまい、その思いから皆を死なせてしまったと自責の念に駆られたことから、自分も死のうとしたのだと答えます。さらに男に自分を殺してくださいと懇願します。

男はライフルを用意し、打ちやすいようにフォトの首輪を外してやり、銃の撃ち方を教えましたが、フォトがライフルを構えたところで急に銃口を引っ張り自分に向けてフォトに発砲させます。トリガーに指をかけた状態で急に銃口方面に銃を引っ張られたら、結果的にトリガーを引いた形になります。そうして男は毒による死ではない死を選んだのです。

どうして?と聞くフォトに男は「お前が言った通り……いつかわかる……さ」と答えて息絶えました。

 

 

いつかわかるの意味は?

男が言った「お前が言った通り、いつかわかるさ」の意味は何でしょうか?その答えはフォトが男に話した言葉にあるのだと私は思います。

「人はお互いを愛し合い尊敬して生きていける。そういう人たちだけの「美しい世界」が来ると思う、恨んだり憎んだり殺したりするなら死を選ぶ」

自分が死んでフォトが生き残れば、この言葉の通りの世界に近づけますから。

 

 

フォトとソウ

一人きりになったフォトは荷台から声をかけられます。探した先にはモトラド、ソウが1台ありました。

ソウはフォトに罪はないと言います。フォトが草を食べることを止めようとしても奴らは奴隷の言うことなんて聞こうとしなかっただろうし、草に毒があることを知らずに食べた奴らが悪いし、最後の男の死だって奴の自殺なのだからと。連中には運がなくフォトには運があったとも言いました。奴隷なのに運があるというか奴隷になったことで運が向いてきた。

それでもフォトは認めず自分の罪だとして、どうすれば死ねるのかとソウに問うと、ソウは「簡単さ、生きればいい。生き物は生きればいつかは死ぬ」と答えました。

欺瞞のようですけどフォトはその言葉で救われたのか、生きる決意を固めたようです。ソウからこの場からおさらばしようと誘われ、トラックの荷台から金目の物を移して、トラックの運転の仕方も教わって、フォトはソウと旅に出ました。

後にフォトは移民としてある国に受け入れられ、写真で生計を立てることにしたようでした。奴隷だったなんて嘘みたいに幸せそうに暮らしていました。

 

 

おわりに

キノとエルメスは全滅した旅商人一行の現場に辿り着きました。キノが遠目から双眼鏡を使って覗いた限りだと、毒草を食べて皆死んでいて、自殺だと判断したようです。

6話の様子ですと、フォトとソウの物語は今後も展開されそうですね。売られて奴隷になったことから実は運が向いてきていたという、生きてさえいれば人生どこでどう転ぶかわからない的な寓話になるのでしょうか。

アニメ6話「雲の中で」は原作12巻に収録されているみたいです。