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実が「帰る」決意を固める。世津子の手紙に漢字が少ない理由を私なりに考えていました - 朝ドラ『ひよっこ』110話の感想

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NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、2017年8月8日放送の第110話は、みね子の父・実が茨城に帰る決意をしたようです。

 

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので注意してください。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

目次  

 

 

『ひよっこ』第19週「ただいま。おかえり。」

www.nhk.or.jp

 

2017年8月7日月曜日の放送から朝ドラ『ひよっこ』は第19週「ただいま。おかえり。」が始まっています。物語の時代は昭和42年(1966年)の5月頃と思われます。

本作のヒロイン「谷田部みね子(やたべ・みねこ、演:有村架純)」は19週現在、両親と自分がお世話になってきた、赤坂にある「あかね坂商店街」の裏路地に店を構える洋食屋「すずふり亭」でホール係の職に就いています。

「すずふり亭」はみね子の他、店主の「牧野鈴子(まきの・すずこ、演:宮本信子)」と、鈴子の息子で料理長の「牧野省吾(まきの・しょうご、演:佐々木蔵之介)」、コックの「井川元治(いがわ・げんじ、演:やついいちろう)」、見習いコックの「前田秀俊(まえだ・ひでとし、演:磯村勇斗)」の計5名です。

みね子と同じホール係だった「朝倉高子(あさくら・たかこ、演:佐藤仁美)」は、みね子の幼馴染み「角谷三男(すみたに・みつお、演:泉澤祐希郎)」の兄「太郎(たろう、演:尾上寛之)」と結婚して奥茨城に嫁ぎました。

みね子は「すずふり亭」のすぐ裏にある「あかね荘」という木造2階建てのアパートの2階に住んでいます。

「あかね荘」には現在8人が暮らしています。大家が、鈴子と昔馴染みの「立花富(たちばな・とみ、演:白石加代子)」です。住人は有楽町にある会社に勤務する事務員(オフィスレディー)「久坂早苗(くさか・さなえ、演:シシド・カフカ)」と、富山県出身の売れる気配がしない漫画家志望「新田啓輔(にった・けいすけ、演:岡山天音)」と同じく「坪内祐二(つぼうち・ゆうじ、演:浅香航大)」、みね子、省吾目当てで引っ越してきた(?)みね子の元上司「永井愛子(ながい・あいこ、演:和久井映見)」の6人に加え、みね子と幼馴染「助川時子(すけがわ・ときこ、演:佐久間由衣)」がみね子の部屋に転がり込んでいて、今はみね子の父「谷田部実(やたべ・みのる、演:沢村一樹)」がみね子と同居しているため、時子は愛子の部屋にいます。

「すずふり亭」のある「あかね坂商店街」には、「すずふり亭」の他に中華料理店の「福翠楼(ふくすいろう)」と、和菓子屋の「柏木堂(かしわぎどう)」、バーの「月時計」が登場しています。

「福翠楼」は店主が「福田五郎(ふくだ・ごろう、演:光石研)」でその妻が「福田安江(ふくだ・やすえ、演:生田智子)」、「柏木堂」は店主が「柏木一郎(かしわぎ・いちろう、演:三宅裕司)」で、一郎の息子(養子)が「柏木ヤスハル(かしわぎ・やすはる、演:古舘佑太郎)」、「月時計」の店主が「竹内邦子(たけうち・くにこ、演:白石美帆)」です。

一郎は鈴子の幼馴染みで、邦子は省吾の幼馴染み、ヤスハルは省吾の一人娘「牧野由香(まきの・ゆか、演:島崎遥香)」の幼馴染みです。

 

 

奥茨城母の会とスリッパ

行方不明になっていた実を取り戻した実の妻(みね子の母)「谷田部美代子(やたべ・みよこ、演:木村佳乃)」は、1人で奥茨城村に帰っています。今は実が戻ってくることを待っている状況です。

「奥茨城母の会」が緊急招集され、谷田部家に時子の母「助川君子(すけがわ・きみこ、演:羽田美智子)」と三男の母「角谷きよ(すみたに・きよ、柴田理恵)」がやって来ました。

そこで美代子は事情を全て話していました。実に会えたこと記憶喪失のこと、みね子と暮らしていること、大女優「川本世津子(かわもと・せつこ、演:菅野美穂)」のこと、彼女の家のことを。

世津子についは品の良い女性で偉そうにしていない人だったと、美代子は世津子を褒めていたかと思います。

気取った偉そうな人だったら良かったのにそういうところのない人だったと。嫌な女ならこちらも割り切ってきついこともバンバン言えたのに、ということでしょう。

それと世津子の家も素敵で、成金みたいな家ではなかったと。スリッパがあったと。

 

 

漢字が異様に少ない世津子の手紙

みね子の下には、世津子から手紙が届いていました。それは実の記憶喪失(記憶障害)についてでした。

知り合いの大学病院の先生に聞いたところでは、記憶障害は、過去に起こったどうしようもなく理不尽で恐ろしく悲しい出来事を考えたくない、という強い思いから来ているものだ、と書かれていたようです。

いつ思い出すかはわからない、もしかしたら一生思い出さないかもしれない、ということでした。

みね子と実は2人で病院にも行っていましたし、警察にも捜索願を取り消しに行っています。

みね子が世津子からの手紙を読んでいたシーンでは、世津子の手紙の文面が画面に映っていました。書かれていた文章は漢字が異様に少なかったです。

例えば「手がみ(手紙)」とか「ゆう気(勇気)」とか、「理ゆう(理由)」「しり合い(知り合い)」「大がくびょういん(大学病院)」などです。

「無理」や「強い」も平仮名でした。こうして書き出してみると、世津子は小学校低学年レベルの漢字しか知らないようです。

どうして漢字が極端に少ないのか、それは世津子が幼いころから芸能の世界で働いていたからだろうと思います。幼いころから仕事をしていたかについて言及していたかどうかは忘れましたが。

彼女が幼い頃は戦争もあったでしょうし、仕事をしていたのであれば、勉強をする暇などなかったのでしょう。

もしかしたら、世津子は自分のそういう部分を他人に見せたくなかったかもしれませんね。でも、自分の恥を晒してでもみね子には実の障害のことを知らせなければならない、と感じたのだと私はあの手紙を見て思いました。そこに世津子の誠意を感じます。

手紙に書かれていた文章を読む限り、理路整然としていたようでしたから、漢字は知らなくても(学力が足りなくても)頭は良い人なのでしょう。

 

 

実が帰郷を決意

実は110話現在、みね子の部屋に住んでいて、大家の富さんから「あかね荘」の修理を頼まれているようです。そんな実を、「あかね荘」の皆も「あかね坂商店街」の皆も温かく迎えてくれています。

部屋ではみね子が、記憶をなくす前の実がどのような人だったかを実に話しています。話を聞いていると実は「奥茨城に帰ってみっかな」と言いました。「行ってみようかな」ではなく「帰ってみようかな」です。

それを聞いてみね子は喜び、「わかった。帰ろ」と返事をしています。

問題は実独りで帰すのかという点です。今は田植えの時期でもあるし、みね子は実に付いて行きたいですが、「すずふり亭」を空ける訳にはいきません。

しかし、鈴子も省吾も、元治もヒデも、「大切な仲間のためだから」とみね子を送り出してくれました。

 

 

おわりに

私は世津子の手紙を見て泣きそうになりました。

世津子は警察にも届け出ずに記憶喪失の男性を匿っていました。見た目(からわかる年齢)から妻子がいる可能性も少なくなかったにもかかわらず、です。その点は世津子に大きな非があると私は感じています。

しかし、あの手紙を見たら彼女のこれまでの人生が見えた気がして、何かもう良いかという気分になりました。いえ、私が世津子を許す許さないとか何を言っているんだこいつ、という話なのですが。

 

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