ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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スペインのギター奏者「アンドレス・セゴビア」独特のセゴビアトーンの秘密は大きな手でした - Eテレ『ららら♪クラシック』

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毎週金曜日21:30より放送されている、Eテレのクラシック音楽番組『ららら♪クラシック』、2017年7月21日は「解剖!伝説の名演奏家〜偉大なるギターの革命家 セゴビア〜」でした。

 

 

Eテレ『ららら♪クラシック』

www4.nhk.or.jp

 

俳優・高橋克典がクラシック音楽の魅力を楽しく、分かりやすく伝えます。
ちょっと興味はあるけれど、なんだか難しそう。
そう思って一歩を踏み出せないあなた、この番組で音楽の扉を開けてみませんか?

Eテレで毎週金曜日21:30から放送されているクラシック音楽番組『ららら♪クラシック』は、2017年度からメンバーを一新しています。

2016年度までは作家「石田衣良(いしだ・いら)」さんと、ピアノ演奏家で作曲家の「加羽沢美濃(かばさわ・みの)」さんがMCを担当していました。

今年度からは俳優の「高橋克典(たかはし・かつのり)」さんがメインMCを担当し、NHK「牛田茉友(うしだ・まゆ)」アナウンサーがアシスタントをしていらっしゃいます。

正直申し上げると、『らららクラシック』は2016年度まではほぼ毎回観ていましたが、2017年度からはほとんど観ていません。

 

 

「解剖!伝説の名演奏家〜偉大なるギターの革命家 セゴビア〜」

2017年7月21日に放送された『ららら♪クラシック』は、ラブタイトルが「解剖!伝説の名演奏家〜偉大なるギターの革命家 セゴビア〜」でした。

ゲストはギタリストのお二人、「村治佳織(むらじ・かおり)」さんと「手塚健旨(てづか・たけし)」さんです。

前述したように私は最近のららら〜はあまり観ていないのですが、偶然に番組の予告を観て今回は面白そうだなと思い観ることにしました。その直感は正しく、とても面白い回でした。

 

 

アンドレス・セゴビアの「セゴビアトーン」

アンドレス・セゴビア(Andrés Segovia, 1893年2月21日 - 1987年6月2日)は、スペインのギタリスト。音楽史研究者やギター奏者から、「現代クラシック・ギター奏法の父」とみなされている。

アンドレス・セゴビア - Wikipedia

アンドレス・セゴビアのWikipediaにはこのように書かれています。

今回の『ららら♪クラシック』で取り上げられたのはスペインのギター奏者「アンドレス・セゴビア (Andrés Segovia) 」です。

 

多くの傑出した音楽家は、ギターはクラシック音楽の演奏には使えないというので、彼のギターがヨーロッパのクラシック音楽界から受け入れられないだろうと信じていた。しかし、彼の卓越した演奏技巧と独特なタッチは、聴衆を驚嘆させた。結果的に、ギターはもはや大衆音楽の楽器としてだけでなく、クラシック音楽の演奏にもふさわしいとみなされるようになったのである。

前出のWikipediaに書かれているような「クラシック音楽」としてのギターや彼の「独特なタッチ」に関することが今回の『ららら♪クラシック』では語られていました。

番組では特に「セゴビアトーン」と呼ばれる、セゴビア独特の音色の秘密について語られている箇所が最も興味深かったです。

セゴビアは「手」が非常に大きかったことが、セゴビアトーンの秘訣のようです。

番組では実寸の手を再現した模型があり、ゲストの手塚さんの友人の方(スペイン人?)が自分の手と比べている画像が紹介されていましたが、一回りどころか二回り以上セゴビアの手の方が大きかったです。

ゲストの手塚さんは実際にセゴビアと手の大きさを比べたことがあり、手塚さんが仰るには自分の手の先がセゴビアの指に届かなかったそうです。氏の手がセゴビアの手のひらに収まってしまうほど、という意味です。

手は大きいと本来はギターの演奏には向かないようです。しかしセゴビアの手は柔らかく、ギターを弾くメリットになっているとのことでした。

 

具体的には、「セーハ」という複数の弦を人差し指などで一度にまとめて抑える奏法を難なく使うことが出来るます。

手が大きく指が太いですから、他の人よりも力を必要としないでセーハをすることができ、聴いている人に自分がセーハをしているとは気づかせないほど自然に行っていたそうです。

弦を優しく抑えてもセーハができたことで、豊かでまろやかな音色を奏でることができたのではないかと。

同様の理由から「ビブラート」も容易にできたようです。ビブラートとは弦を抑える左を揺すって音に揺らぎや余韻をもたらす奏法ですね。

それとセゴビアの「タッチ」についても語られていました。弦を弾く右手のタッチが繊細でした。指が弦に掛かっていないのではと思えるくらいに指に力が入っていませんでした。

 

セゴビアがギターを教えている様子を映したVTR中に、教えていた人のギターを借りて音をだすシーンがありました。そのときの音色は確かに、持ち主の方の音とは異なり、深く豊かな音になっていました。

音楽ド素人の私でも聞き分けられるほど明確な音の違いがあり、これには大変驚きました。同じギターを使っても奏者が違うとこれほどに奏でられる音も違うのかと。

  

 

おわりに

手塚さんはセゴビアのことを「(ギターは)白黒の世界だった。彼はそれをカラーの世界にした」と評していました。セゴビアによって弾き出される音色はそれくらい色彩が豊かなものだったのですね。

それにしてもどうしてスペインのギター演奏は強烈なノスタルジアを感じるのでしょうね。私にとっては「アランブラの思い出」または「アルハンブラの思い出」がその代表ですが、メランコリックな曲が多い印象です。

聴いているとスペインの土地の映像が目に浮かんできます。乾いた赤茶色の土や土埃が。夕陽が似合います。

セゴビアのCDを探してみようかなと思いました。Amazonにもあるみたいです。YouTubeでは「Andres Segovia」で検索をかければセゴビアが、さらに「Recuerdos de la Alhambra」を足すと「アランブラの思い出」がヒットします。

今回のららら〜は木曜日に再放送が2017年7月27日木曜日の10:25からあると思います。見逃した方、興味を持った方は是非再放送をご覧になってください。