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A106とマルスの戦闘回! Dr.ロロがマルスに蘭を襲わせた理由は何でしょう? - アニメ『アトム ザ・ビギニング』2話「ベヴストザイン」の感想

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2017年4月15日土曜日23:00より、NHK総合にてアニメ『アトム ザ・ビギニング』が放送されています。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目次 

 

 

アニメ「アトム ザ・ビギニング」

atom-tb.com

 

 

2017年4月22日の放送は第2話「ベヴストザイン」でした。

本作は原作漫画があるそうです。「ゆうきまさみ」さんがコンセプトを手がけ、作画が「カサハラテツロー」さんで、掲載誌『月刊ヒーローズ』で連載されているとのこと。記事作成現在5巻まで発刊されているようです。

 

 

イントロダクション

これは、まだ誰も知らない“鉄腕アトム”誕生までの物語(エピソード・ゼロ)
大災害後の日本に、未来を夢見るふたりの天才がいた。ひとりは天馬午太郎。もうひとりはお茶の水博志。天馬はその手で「神」を作り出すことを、お茶の水はその手で「友」を作り出すことを夢見て、日夜ロボット研究に明け暮れていた。そしてふたりの友情が生み出した1体のロボット、A106(エーテンシックス)。A106は果たして「神」になるのか「友」となるのか。若き天才コンビは、来るべき未来を垣間見る---。

このようなイントロダクションです。

 

 

2話「ベヴストザイン」

2話は主人公の2人、「天馬午太郎」と「お茶の水博志」が通っている国立練馬大学の大学院で、定期報告会が開かれていました。報告会の結果で研究室の予算が決まるため、午太郎と博志にとっては非常に重要な会議です。他の研究室に負けまいとライバル心を燃やしています。

主人公の2人と書きましたけど、本当の主人公は午太郎と博志が開発したロボット「A106(えー・てん・しっくす)」ですか。アトム。

1話のA106の活躍により、午太郎と博士は事件後に何のお咎めもなかったどころか、特別手当までもらったそうです。2話で後述する茂斗子が言っていました。

 

午太郎と博志が不在の第7研究室には、3者の来訪者がいました。1人は博志の妹で女子高校生の「蘭」です。彼女の目的はロボットの部品ですか。高校のロボット部に所属しているので、よく部品を盗みに来ているようです。いや大学に不法侵入して窃盗はいかんでしょうと。犯罪です。

 

1人は練馬大学大学院ロボット工学科の主席研究生「堤茂理也」の妹で、自身も同大学院同学科で学ぶ「茂斗子」です。茂斗子は博志に興味を持っています。A106にもでしょうか。彼女の博志への興味が恋慕なのか何なのかは今のところはっきりしていないはずです。彼女自身もまだ気がついていない可能性がありそう。

 

 

Dr.ロロとマルス

そして最後の1人は、ロボット・レスリングの王者であり天才的ロボット設計者「Dr.ロロ」と、彼女が造ったであろうロボット「マルス」です。OPに出てきますね。

Dr.ロロはマルスを使ってパーツ漁りをしていた蘭を襲っていました。

1話でこの「マルス」は登場していたでしょうか? 2話でも全身包帯を巻き、サングラスをかけ、トレーニングウェアで全身を隠していましたから、他から正体がわからないようにしていました。しかし、A106との戦いで、マルスの耳の突起と、飛び立つときの背面のスラスター的な突起物が判別できたので、全身包帯男(ロボット)はマルスで間違いないでしょう。

公式WebサイトCHARACTERページによると、マルスは「ロボット・レスリングで圧倒的な強さを誇り、『軍神』と呼ばれている」とあります。

Dr.ロロは何が目的で「軍神」マルスを第7研究室に向かわせたのでしょうか? 蘭を襲うため? そうではないと思います。彼女を襲う理由が今のところないです。

いえ、2話の中でDr.ロロが、ドローン的なもので撮影した蘭を、手元のタブレット端末に映し、画面内の彼女をタッチすることでターゲットを決定し、マルスに襲わせていました。

でもそれは蘭が目的ということではなく、Dr.ロロの目的はあくまでA106で、彼を試すためにマルスに蘭を襲わせたのでしょう。

Dr.ロロはA106の何を試したかったのか? それはA106のロボットとしての性能ももちろんあるでしょうけど、一番の目的は彼に組み込まれたAI「ベヴストザイン」と思われます。ベヴストザインとは「自我」の意味です。

午太郎と博志がいない中でA106は、襲われている蘭を察知するか、察知したら助けようとするのか、助けると判断したなら蘭を助けるためのどのように動くのか……。

Dr.ロロがA106に興味を持つことになったきっかけは1話でしょう。

といいますか、A106が蘭を助けなかったら、マルスは蘭を殺していたのでしょうか……?

 

 

F14(えふ・じゅうよん)

 

1話からちらほら見えていた目つきの悪い可愛らしい猫は「F14(えふ・じゅうよん)」という名前だそうです。部品を漁っている蘭の側にいました。

茂斗子に名前を尋ねられた蘭が名前を教えていました。名前の由来は2月14日生まれだからだと。

米国の戦闘機「F-14」は愛称が「トムキャット」だったはずです。可変翼の。漫画『エリア88』で「ミッキー・サイモン」の愛機でしたっけ。トムキャットの意味は雌猫です。

ですから本作の猫のF14はメスの可能性が高そうです。

 

 

AI「ベヴストザイン」とは何か?

A106に搭載差入れているAI「ベヴストザイン」について、午太郎と博志が定期報告会で明らかにしています。

「自我という概念を持たせることこそ魂のない機体に真の意味での自律をもたらす唯一の手段」

「自我の先にあるもの、それは『心』です。心とは優しさや思いやりや悲しみ、色々な感情が集まったものです。それらの感情というものは泣いたり笑ったり怒ったりといった行動・経験を多く積み重ねていくことで、自分自身が他者に対する最適な反応を見定める指標となる訳です」

「その上で重要なのは自己と他者をはっきり区別すること。つまり、自我こそが心という概念の最初の一歩なのであります」

「その自己と他者を結びつける心を形成する上で判断基準となるものがプライオリティ。即ち自分にとって何が大切かを認識し、それをそれを率先して守ろうとする気持ち。時には自分の身を危険に晒しても。それは愛とか情感と言い換えても良い。他者の慈しみこそが心の根幹であり、自我がその出発点なのです」

「心を忘れてしまった科学には幸せを求める愛がないのであります」

という午太郎と博志の熱弁でした。ここは非常に重要ですね。

しかし会場のほとんどが「何言ってんだこいつ」状態でした。やはり2人は変人なのでしょう。「ここは『ロボット工学科』であって『哲学科』や『心理学科』ではない、という指摘まで飛び出していました。

しかし、ただ一人の教授だけが午太郎と博志の「ベヴストザイン」に理解を示していたようでした。鼻が大きくブツブツのある人です。第7研究室の研究費も彼が認めてくれるのでしょうね。たぶん。

 

漫画やアニメ、映画などの物語でAIを扱うと、「自我」がよくテーマとしてあがってきますよね。『鉄腕アトム』もそうですし『攻殻機動隊』もそうです。『ターミネーター』もそうですね。

自我を持ったAIはどうなるのか、これは研究者が「何言ってんだこいつ」と反応してはいけない領域と思います。私はAIのことなど全く知らない門外漢ですけど、「哲学」や「心理学」はAIの研究にとってかなり重要な分野に感じられます。

現在リアルで研究している方々も哲学や心理学の勉強をしている方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。強いAIと弱いAI - Wikipediaなど読むと面白いです。

 

 

おわりに

高速ビートパンチ、インパクトアタック。これがA106のアームに組み込まれているアーム機構によって繰り出される必殺技です。こちらは間違いなく午太郎の領域ですね。何せ「鉄腕」ですから、パンチ技は必須です。

Dr.ロロはマルスを退かせていました。A106が蘭を守るから逃げずに後ろにいてくれと言葉を発していました。それを聞き遂げた後にマルスを引かせたのかもしれません。やはり彼女の目的はA106とベヴストザインだったのでしょう。

気になったことは、報告会から戻ってきた午太郎と博志が、マルスとの戦闘後のA106を見つけて、何も調べもせずに彼のメモリをリセットしようとしていたことです。あれは研究者なら絶対にしない行為ではないでしょうか。

自分たちが不在の間にA106が研究室から表に出ていたのですから、その間に何があったのかを調べることは研究者として必要な行動のはずです。誤動作をしたのなら誤動作の原因を探ることはベヴストザインを完成へと近づける一歩なのですから。蘭もどうして説明しなかったのか……わからん。

それにしてもあれですね。本作は「ゆうきまさみ」さんが関わっているということで、『機動警察パトレイバー』の要素を感じさせます。A106がイングラム1号機で、マルスがグリフォンですね。

それと同時に私には本作に『プラレス3四郎』の要素も感じています。私にはこちらの方がより強く感じられます。

本作のロボット・レスリングはプラレスに近いものになりそうですし、Dr.ロロはペドロ・ロドリゲス(サッカー選手ではないですよ)や彼の娘のルダ・ロドリゲスで、マルスはエル・ウラカンのシリーズを想起させます。A106は柔王丸。

ペドロ・ロドリゲスは軍事目的でエル・ウラカンを開発し、実験の場としてプラレスを活用していたのだと私は理解しています。兵器ですね。Dr.ロロとマルスもおそらくそういうことでしょう。

『プラレス3四郎』は後半グダりますけど、1980年代前半に描かれたとは思えないほど先を行っている作品なので、読んだことのない方は是非ご覧になってください。

 

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