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村を出たくないのに出ざるを得ない人もいれば、出たいのに出られない人もまたいます - 朝ドラ『ひよっこ』14話の感想

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NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、2017年4月18日放送の第14話は、みね子たちの企画である奥茨城村・聖火リレーが青年団に受け入れられたのか、です。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので注意してください。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

目次  

 

 

『ひよっこ』第3週「明日に向かって走れ!」

www.nhk.or.jp

 

2017年4月17日月曜日の放送から『ひよっこ』の第3週「明日に向かって走れ!」が始まっています。物語の時代は「東京オリンピック」の年なので昭和39年(1964年)です。

本作のヒロイン「谷田部みね子(有村架純)」の父「谷田部実(沢村一樹)」が、東京へ出稼ぎに行ったまま行方不明になってしまいました。みね子の母「美代子(木村佳乃)」が単身上京して、実が務めていた建設会社や寝泊まりしていた宿泊所へも足を運んだものの成果は得られず失意の帰郷です。

 

 

みね子が実の失踪を知らされる

2017年4月17日放送の13話では、学校から帰宅したみね子は美代子から全てを聞きます。実への小包や手紙が宛先不明で戻ったこと、みね子たちに福島へ行くと嘘をついて東京へ行ったこと、実の情報を得るために方々訪ねたこと、成果が得られなかったこと。そして、実を信じて家で彼の帰りを待つと美代子は言っています。

みね子は周囲にバレないように、また自分自身に発破をかけるように、翌日も元気に登校をしていましたが、高校の同級生で幼馴染みの「角谷三男(泉澤祐希)」と「助川時子(佐久間由衣)」には登校のバスの中で速攻怪しまれていました。元気すぎると。

どうせみね子は黙っていられないのだから何があったのか話してごらんと促されて全てを打ち明けていました。衝撃の告白に三男も時子も沈んでいましたが、みね子は努めて元気にしています。

 

 

奥茨城村聖火リレー

三男が発案し、みね子と時子が加わった3人で練っていた企画「聖火リレー」は、いよいよ14話で村の実権を握る「青年団」にプレゼンすることになりました。

本物のオリンピックの聖火リレーは日本中を走っていて、みね子たちの住む茨城県にもやって来ます。しかし、リレーは県の中央を通るだけで彼らの住む「奥茨城村」には通ってくれません。

オリンピックは他所の出来事と片付けないで、来ないのだったら自分たちで聖火リレーをしてしまおうということになったのです。自分たちで盛り上げていこうと。

理由はそれだけでなく、三男も時子も高校を卒業したら東京へ就職することが決まっています。ですから自分たちが奥茨城で生きてきた証を刻みたいのです。

 

 

青年団を説得

問題は青年団です。青年団の団長は三男の兄「角谷太郎(尾上寛之)」で、副団長は時子の兄「助川豊作(渋谷謙人)」であることです。

姉弟なら話を付けやすいのでは? と思ってしまいますが実際はその逆で、兄弟だからこそ難しいようです。

太郎は三男の言うことなど聞かない(三男は太郎に絶対服従っぽい)し、豊作は非常にお金に厳しい(ケチな)人のため、太郎は三男の提案を拒絶するだろうし、豊作は聖火リレーにお金を出してくれないだろうし……と2人は思っています。

それでも聖火リレーは絶対に実現させたいと、青年団を説得するために自分たちでできることをしてきたようです。先週、トーチの炎を燃やし続けるにはどうしたら良いかなど、高校の先生方に聞いて回っている様子が映し出されていましたね。

14話では三男たちが青年団の会合に乗り込んでプレゼンをしました。

予想通り、最初は太郎たち大人に頭ごなしに否定されてしまいました。くだらない、金の無駄だと。もうすぐ村を出て行く奴が何を言っているのだと。

しかし、三男は太郎に対して初めてというくらいに食らいついてみせます。自分たちがどれだけ奥茨城のことを大切に思っているかと説いたのです。

村を出て行くからと言ってその人が村を愛していない訳じゃない。村を出て行く人の中には、村が好きなのに生まれたときから大人になれば村を出ていくことが決まっている三男のような人間もいれば、村に居ては夢を実現できないから村が好きなのに出て行かなければならない時子のような人間もいて、実のように村を想いながら東京へ出稼ぎに出ている人間もいます。

村は住んでいる人間のためだけにある訳じゃない、心のなかに想っている人のものでもあるのだと、三男は訴えました。

三男の真剣な訴えに心を打たれた太郎たち青年団の面々は、郷土愛ならば俺らも負けていないと言わんばかりに、三男たちに張り合うようにして「聖火リレー」の具体的な話し合いを始めていました。

警察を巻き込まなければならないから駐在さんに酒を持っていこうとか、地元のNHKに掛け合うために青年団の中に親戚がNHKに入った人がいるから掛け合う(あいつの弱みを握っていると言っていましたね……)とか。

 

 

おわりに

太郎の、生まれてから村を出ていくことなんかできねぇ運命の人間のことは考えねぇのか? という台詞はなかなかに考えさせられます。

村には、出て行きたくないのに出ていかざるを得ない人間もいれば、出ていきたいのに出ていくことができない人間もまたいるのですね。三男や時子や実(みね子も)が前者、太郎や豊作が後者です。

どちらが幸せかなんてことはそれぞれの価値観次第なのでわからないことですけどねぇ。無い物ねだり的なこともあるかもしれません。

奥茨城・聖火リレーが開催されて、その様子がNHKで放送されれば、どこかで生きている(とみね子たちは信じている)実がその様子を観てくれるでしょうか。今回の会合でリレーのアンカーはみね子に決まっています。勇姿を見せられると良いですね。

 

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