ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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江戸切子に囲まれた『ふるカフェ系 ハルさんの休日』「東京・墨田区錦糸町 ビルの谷間の狭小古民家」のカフェは「すみだ珈琲」さんのようです

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毎週水曜日23:00-23:30にEテレで放送されている『ふるカフェ系 ハルさんの休日』、2017年4月5日から新シリーズが始まりました。

2017年4月12日放送された新シリーズ第2回は「東京・墨田区錦糸町 ビルの谷間の狭小古民家」です。

 

 

目次 

 

 

ふるカフェ系 ハルさんの休日 

www4.nhk.or.jp

 

今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。

こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。

ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。

台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。

当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。

ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。

 

 

東京墨田区錦糸町編のカフェは「すみだ珈琲」さん

すみだ珈琲

https://www.facebook.com/sumidacoffee/

 

2017年4月12日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の新シリーズ第2回「東京墨田区錦糸町」編で舞台となった古カフェは「すみだ珈琲(すみだ・こーひー)」さんです。

Webサイトは持っていらっしゃらないのでしょうか、見つけられませんでした。ブログとfacebookページはありましたのでURLを貼りました。

 

www.muji.net

 

『無印良品(むじるしりょうひん)』のネットストアに、「すみだ珈琲 世界のコーヒーバッグセット」という商品がありました。無印で扱われるということは、結構有名な喫茶店なのでしょうね。

 

「誰でも、どこでも、器具なしで世界のコーヒーを楽しめるように」と現在約70カ国に広がるコーヒー産地から、コーヒーの全収穫量の5%に満たないといわれるスペシャルティコーヒーのみを厳選し、5種類の個性豊かなコーヒーの違いが楽しめるコーヒーバッグセットをつくりました。

と商品説明が書かれています。ちょっと気になります。

 

 

「すみだ珈琲」さんの場所と営業時間・休日

「すみだ珈琲」さんの場所は「東京都墨田区太平」にあるそうです。スカイツリーにほど近い場所でした。

 

場所は、JR又は半蔵門線の錦糸町駅から、錦糸公園に向かって進むとある
「オリナス」というショッピングセンター裏の蔵前橋通り沿いにあります。

リンク先のブログにはこのように書かれていました。

JRや東京メトロ半蔵門線の「錦糸町駅(きんしちょう・えき)」から「錦糸公園」を右手に「四ツ目通り」を進んで太平四丁目交差点で右折して「蔵前橋通り」に入った左側にあるみたいです。交差点は右に「オリナス」というショッピングモールがあるのでそれが目印です。

営業時間は11:00-19:00、定休日は毎週水曜日と第2・第4火曜日とのこと。

特に放送直後は人が集まるでしょうから、特に混雑しそうなお昼前後に来店する場合は、事前に状況を確認する電話などをしておくと良いかもしれません。

 

 

「すみだ珈琲」さんは元・町工場

「すみだ珈琲」さんはビルとビルの間に挟まっていました。ハルさんもなかなか見つけられなかったです。

昭和31年に建てられたそうですから築60年、古民家です。都市開発やバブルといった時代の荒波にも耐えて平成29年の現在まで生き残りました。当時の東京ではよく見られたタイプの家だったようですけど、現在はほとんどが取り壊されてほとんど見ることができない、こういう「普通が残っていることがレア」なのだとハルさんは言っていました。名言。

店舗は1階で2階は住居スペース、店舗兼住宅です。1階のお店の入り口は引き戸、ガラス戸です。店内は木材がふんだんに使われていて、奥に長く狭いスペースながらも落ち着いた雰囲気でした。狭いからこそ、かもしれません。

天井は「根太天井(ねだ・てんじょう)」と呼ばれるタイプで、上の階の床板と下の階の天井に利用される、床板を支える横木がむき出しになっている天井でした。防音は効かなそうですね。

また「方杖(ほうづけ)」という、建物が歪まないようにする補強材も、天井と同様にむき出しになっていました。店舗兼住宅なだけあって飾りっ気のない実用重視な仕様です。でもそこが良い、と。

1階は途中から段差があり、段差から入り口までが土間として店舗が2つに区切られていました。現在は改装されていて段差がなくなっていましたけれども、改装の跡は見られました。ハルさんが食いついていました。

何でも、「すみだ珈琲」さんは、元は靴や草鞋(わらじ)の町工場だったそうです。1階の土間には商品が並び、土間の奥は職人さんが作業をし、2階は職人さんが住んでいたということでした。

錦糸町の町が元々が地場産業の職人街だったのだそうです。

屋上からは1階の屋根が見え、屋根瓦に「厚型スレート(あつがた・すれーと)」が使われていました。セメントと砂が原料の屋根瓦のことで、戦後の物資不足のときも国内で生産が可能だった、復興の象徴とも言うべき瓦ということです。

私が子供の頃にもこのような屋根瓦の家はありました。古い商店や工場の屋根がこういったタイプの瓦だった気がします。厚型スレートかトタン屋根か

友だちと工場の敷地内で遊んでいる(危ないから真似をしてはいけません)と、たまにこのタイプの瓦が地面に落ちていたことを思い出します。あれが「厚型スレート」という名称だと、今回の放送を観て初めて知りました。

そういえばあの瓦、いつの間にか見られなくなっていますね……。今でも町工場やその跡地に行けばあるかも?

 

 

江戸切子と野菜の砂糖漬け

「すみだ珈琲」さんではランプシェードやカップなどに、「江戸切子(えど・きりこ)」を使っていました。お店の雰囲気を特徴づけている大きな要素の一つになっているようです。

何でも、店主の実家が120年続くガラス製造店で、実家の工場で店主のお父様やお兄様が製造した「江戸切子」をカフェで扱っているとのこと。江戸切子を広める一環としてカフェを始めたとも言っていたでしょうか。

 

江戸切子(えどきりこ)とは江戸末期に江戸(現在の東京)で始まったカットグラス工法のガラス工芸・ガラス細工である。伝統工芸に認定されているガラス工芸品・地域ブランドの一つ。

(略)

1834年(天保5年)に江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛(通称:加賀久)が金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻で模様を施したのが始まりと言われる。加賀久は日本橋通油町の硝子・眼鏡問屋・加賀屋(通称:加賀吉)から暖簾分けし、切子も始めたとされる。

江戸切子 - Wikipedia

江戸切子のWikipediaにはこのように書かれています。江戸末期ですから私が思っていたよりも新しいガラス工芸品でした。ビードロが元になっているでしょうから、江戸期の物だとは思っていたのですが、もっと早い時期に生まれた物かと想像していました。

現代は透きガラスよりも色被せガラスを素材にしたものが多いとも書かれていて、確かに「すみだ珈琲」さんで使われていた「江戸切子」も色がついている物の方が多かったように思います。透明のガラスは入り口のガラス戸の一部や、後述する砂糖漬けが乗っていたお皿があったでしょうか。

店主のご実家では、熱いコーヒーなどホット飲料が飲める「江戸切子」の専用カップを開発したのだそうです。番組にもその専用カップは登場していました。ガラスって良いですよねぇ。

 

また、ハルさんは他のお客さんから「野菜の砂糖漬け」を頂いています。

「れんこん(蓮根)」や「ライムの皮」、「にんじん(人参)」、「なす(茄子)」といった野菜や果物のの砂糖漬けでした。塩漬けではなく砂糖漬けです。

「すみだ珈琲」さんの野菜の砂糖漬けは、墨田区の老舗和菓子店(梅鉢屋さんでしょうか?)から取り寄せている品だそうです。

 

梅鉢屋

江戸の当時 農産物・海産物 の長期保存を目的として 糖蜜で加工したことが発祥ではないかと思われます。漬け物 などの 『塩漬』 に対し 『砂糖漬』 と呼ばれ そのころ出回っていた『江戸買物獨案内(えどかいものひとりあんない)』によると 江戸後期にはその存在を見ることができます。『砂糖漬』 の素材としては 牛蒡・大根・みかん・昆布 などが多かったようです。

『梅鉢屋』さんの江戸の技・砂糖漬けのページにはこのように書かれています。江戸の味なのですね、全く知らなかったです。

野菜の砂糖漬けは元は保存用や薬用として作られ、現在は贈答用のお菓子としても親しまれているということ。

番組で紹介していた「野菜の砂糖漬け」の作り方は、糖蜜・砂糖で煮込み、寝かせ、5日かけて丁寧に作る、としか紹介されませんでした。

「うん!美味しい! 甘さだけじゃないんだよな、野菜の旨みや食感がしっかり伝わってくるんだ。お江戸スイーツ侮りがたし」とハルさんは感想を述べていました。

 

 

おわりに

ハルさんは、他にも「はさみ(鋏)」や「ブラシ」、「Tシャツ」といった物を作る職人さんと交流をしていました。さすがは職人街。洗顔ブラシはちょっと欲しいなと思いました。はさみも、刃が尖っていないので小さな子どもも使いやすく工夫してありました。

コーヒーは自家焙煎と言っていたでしょうか。わざわざそのように言うということは、自家焙煎ではない喫茶店も少なくないということかもしれません。

それにしてもあれですね、薄暗い店内で、暖色のライトに照らされて光る江戸切子はとても綺麗でした。これまで江戸切子に強い興味はなかったですけど欲しいなと思いましたから。

 

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