ディスディスブログ

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すみれの父「五十八」が闇市の元締「根本」と対峙し言った台詞は「日本の未来のため」です - 朝ドラ『べっぴんさん』30話の感想

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NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』、2016年11月5日放送の第30話は、すみれたち「ベビーショップあさや」から良子が抜け、また一人抜けてしまいました。

 

 

君枝の夫が帰還する

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ヒロインの「坂東すみれ(芳根京子)」は、女学校時代の「手芸倶楽部(しゅげい・くらぶ)」で活動を共にしていた「小澤良子(百田夏菜子)」と「村田君枝(土村芳)」の2人と、かつてすみれの家で女中をしていた「小野マツ(中島ひろ子)」の娘で看護婦をしている「小野明美(谷村美月)」の計4人で、赤ちゃん用の服を扱う店「ベビーショップあさや」を始めました。

名前からもわかるように、すみれたちのお店は靴屋「あさや」の主人、「麻田茂男(市村正親)」の厚意で靴屋の一角を使わせてもらっています。

しかし、4人のうち良子は、明美を性格が合わないようでお互いギクシャクしていたところに、ある客とのトラブルが発生して良子は店を辞めてしまいました。良子は、君枝がデザインした服を、どのように切ったら良いか、どのように縫い合わせたら良いかを判断するセンスに長けた人物だったことで、「あさや」の戦力的にもかなりの打撃を被ることになったようです。

良子はすみれたち対して、戦地から戻ってきたばかり夫の「小澤勝二(おざわ・かつじ)」から家にいて欲しいと言われたから辞める、と嘘をついています。ところが、後に事情を知らない勝二が店を訪れたことで勝二に嘘をついていたことがバレ、良子は勝二から嘘をつくと友だちを失くすぞと忠告を受けていました。

ちょうど同じ時期に、すみれたちは、君枝の家のあったところに住んでいるランディ夫妻から、テーブルクロスを依頼されていました。今回はテーブルクロスというシンプルな依頼だったため、良子の離脱はさほどダメージを受けなかったようで、すみれと君枝とで作業を進めていましたが、先行きは不安です。

テーブルクロスは、布の端切れを組み合わせるパッチワーク(キルト?)で作られることになり、すみれと君枝と明美はランディ邸を訪れて、夫妻に君枝のデザイン画を提示し、了承を得ていました。屋敷の前で挨拶をしているところに、ある男が表れました。

その男とは「村田昭一(むらた・しょういち)」、君枝の夫です。昭一は「平岡祐太(ひらおか・ゆうた)」さんが演じています。昭一は戦地から無事に戻ってきて、夫婦は久方ぶりとなる再会を喜び合っています。さらに「村田琴子(いしのようこ)」が外からの声が聞こえたのか、家から出てきて息子・昭一の帰還を喜んでいました。

ランディ夫妻が住んでいる屋敷は、元々は村田一家が住んでいた家で、村田一家は現在、元々使用人が住んでいた家に住んでいます。なのでランディ家の前での会話が琴子さんの耳に入っても不思議ではありませんでした。

 

 

君枝までもが「あさや」を離脱

君枝は生まれつき体が弱く、床に伏せることが多かった人です。最近は調子が良いみたいで、「あさや」の仕事も普通にこなしています。ところが、姑の琴子さんからは「あさや」で働くことを反対されており、昭一が帰ってくるまでの条件付きで「あさや」で働くことを許されていた状態でした。

昭一が戻ってきたのは昨日の29話で、今日30話ではとうとう君枝までもが「あさや」を離れることになってしまっています。

開店当初は4人だった「あさや」も、今はすみれと明美の2人しかいません。明美は、外国式の育児法や英語の通訳という役割を担っているため、裁縫が得意ということではなさそうですし、彼女が勤めていた病院をクビになっていますから、もしかしたら新たに仕事に就くことになったら、彼女も辞めてしまうかもしれず、すみれの事業は非常に不安定な状況にあると言えそうです。

 

 

五十八が根本と対峙し言った言葉

一方、大阪・梅田の闇市では、すみれの父「坂東五十八(生瀬勝久)」と、坂東家の執事だった「井口忠一郎(曽我廼家文童)」が、闇市の元締「根本(団時朗)」と対峙しています。

その前に、すみれの姉「野上ゆり(蓮佛美沙子)」は、夫「野上潔(高良健吾)」が根本たちに対して300円でしたか、高額のショバ代を支払ったことに納得がいっておらず、五十八に連れられて直接文句をつけに行きましたが、根本から軽くあしらわれていました。正論が通じる相手ではない、と五十八はゆりに直に感じ取ってもらいたかったようです。

さらに、五十八は潔の仕事にも指摘をしていました。潔は五十八が大きくした「坂東営業部」を再興させるために奮闘していますが、彼が扱う商品、中でも「MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)」の品は粗悪なものばかりです。五十八は潔に商売において・人生において最も大切なことは「信用を得ること」だと言います。「保証を付ける、ホンマにええもんやと思う物しか売らん」とも言っていましたね。焦るな、人生は急がば回れだと。

そうして、五十八は根本の元へ訪れて直接対峙していました。言っていたことは、根本たちがやっていることは「日本の未来の為にならない」ということです。それに対して根本は、人が集まるところは誰かが取り締まらないと秩序が保てない、と反論していました。五十八は、その秩序を保つ方法を根本が間違えている、ということを言いたいようです。自分だけが潤うためではなく、自分たちが生き残るため、子の代孫の代まで繋ぐために、今を生きる自分たちが手と手を繋がないでどうするのだと言っています。

そのためはまず、家の買い物をする主婦たちが安心して来られるように、闇市を安全な場所にする必要があるし、今、闇市を取り締まっているリーダーである根本が変わらないと始まらないということです。

 

 

おわりに

次週は第6週「笑顔をもう一度」です。自主予告を観てもよくわからないですけど、良子も君枝もそれぞれに夫と向き合って、夫の理解を得て「あさや」に戻ってくる流れになるのだろうとは予想がつきました。

それにしても五十八は格好良かったですね。ただ、闇市をどのようにすれば安全にできるか、安心して買い物ができる場所にすることができるかの、具体的な方策は何も言っていませんでした。五十八は闇市とは関係のない人間ですし、本来は元締である根本やその手下たちが考えることですから、五十八が言う必要はないかもしれませんが、それでも具体案の一つ二つは言っておかないと、綺麗事を並べているだけのおっさんとしか受け取られない気もします。

でも、あなたがリーダーだと最後に根本を持ち上げる当たりは流石に商売人といいますか、世渡りが上手な人だなぁと感心しました。そして、戦後の何もかも失われた時代に、孫の代の未来のことまで考えられる視点を持つ聡明さが素晴らしかったです。

 

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