ディスディスブログ

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将棋で零に勝ちたいという二階堂の純粋な想いが心を揺さぶる。ひなたが泣き叫ぶシーンで声優・花澤香菜さんの実力を見せつけられました - アニメ『3月のライオン』3話の感想

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毎週土曜日23:00より、NHK総合にてアニメ『3月のライオン』が放送されています。

 

3lion-anime.com

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

2016年10月22日の放送は3話「Chapter.5 晴信」「Chapter.6 夜空のむこう」です。

Chapter.4のタイトルは「橋の向こう」でした。Chapter.6では同じ「向こう」の読みでも平仮名表記になっています。理由は、「むこう」を見ているのが主人公「桐山零(きりやま・れい)」でなく、川本家の次女「川本ひなた(かあわもと・ひなた)」だからでしょうか。

 

 

イントロダクション

これは、様々人間が何かを取り戻していく、優しい物語。そして、戦いの物語。
主人公・桐山零は、長兄ころに事故で家族を失い、心に深い孤独を負う17歳のプロの将棋棋士。
東京の下町に一人で暮らす零は、あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、少しずつ変わり始めていく−。

このようなイントロダクションです。

 

 

3話「Chapter.5 晴信」「Chapter.6 夜空のむこう」

3話では物語に大きく絡んでくる新キャラクターは登場しなかったと思います。しかし、それぞれのチャプターで人物を掘り下げる描写があり、心に染み入る回となりました。

 

「Chapter.5 晴信」

Chapter.5のタイトル「晴信」は、1話ラストから登場していた零のライバル棋士「二海堂晴信(にかいどう・はるのぶ)」のことを指しています。今回、零と二階堂がプロになってから初めての対局が将棋会館で行われていました。

零と二階堂は小学生の頃から対局を続けてきたライバルです。プロ初対局では、零が初めて二階堂と対局をした、真夏のデパートの屋上での様子が回想されていました。

小学生当時からふくよかな体型をしていた二階堂くんは、冷房が効いていない真夏のデパートの屋上で、大量に汗を流しながら、いかにも苦しそうに将棋を指しています。零は、そんな二階堂のために可能な限り早く対局を終わらせて、冷房の効いた涼しい部屋で休ませてあげようと苦心しますが、二階堂は敗戦の色が濃くなった局面においても一向に降参しません。時間が進むほどに汗はさらに大量にかき、貧血を起こし顔も青ざめても尚、です。二階堂は、もはや勝つために一手を打つのではなく、その場凌ぎの一手になっていたようですが、本当の本当に王将が取られるその直前まで指し続けていました。

ついに打つ手がなくなり「負けました」と降参した二階堂、その目には漫画のような大粒の涙が溢れていました……。そんな二階堂の様子を見た零は、自らの甘さや高慢さを感じ取ったようです。対局を早く終わらせてあげようなどと思いながら指すことは、目の前の相手(零)に将棋で勝ちたいという二階堂の純粋な気持ちを、踏みにじってしまったと彼は感じたのかもしれません。「思い上がりを恥じた」と言っていましたか。

二階堂は格好良いですね。そんなを二階堂の真っ直ぐな気持ちをきちんと感じ取れた零も偉いです。回想から現実に戻った零と二階堂との対局でも、零が二階堂を下しています。負けたときの二階堂の表情は、あの真夏のデパートの屋上のときと全く同じもので、彼が真っ直ぐに成長してきたことと、あの時と変わらない将棋への想いを持ち続けていることを示しています。そんなことを思う零自身も当時から少しも変わっていないのです。

 

 

二階堂家の執事で、二階堂の世話をしている「花岡(はなおか)」が、将棋会館から出てきた二階堂を迎えていました。高級車で送迎されている二階堂はまだ苦しそうに、タオルで口を抑えたままです。花岡が言うには、二階堂は腎臓を患っているとのことで、子供の頃からふくよかな体型をしていることと、デパートの屋上で苦しそうにしていたことも、病気の影響が少なからず関わっているものと思われます。花岡はCV上田燿司さん。

 

「Chapter.6 夜空のむこう」

時系列はChapter.5からの続きです。対局後、予め誘われていた川本家へ向かった零、川本家では「送り盆」をしていました。

送り盆とは、ご先祖様の霊を送る日、つまり盆の最終日になります。旧盆だと、先祖の霊を迎える迎え盆が8月13日、送るのが8月16日(か15日)が一般的でしょうか。新の盆だと旧より1ヶ月早まりますから、迎え盆が7月13日で送り盆が7月16日(か15日)になろうかと思います。詳しくないので間違えていたら申し訳ありません。

ご先祖様の霊に早く来て欲しいから迎えるときはキュウリ(胡瓜)で作った馬を飾り、送るときは土産を持ってゆっくり無事に帰れるようにとナス(茄子)で作った牛を飾る、という話は初めて聞きました。なるほど。キュウリとナスを使うことは知っていましたが、その理由を知らなかったです。

川本家は、先述の次女「ひなた」と、長女「あかり」、三女「モモ」の3人で暮していて、三姉妹の祖父「相米二(そめじ)」がよく顔を出しているのでしたっけ? 一緒に暮しているのかもしれません。いや、朝のシーンで相米ニさんを見かけないですから、一緒に暮してはいないでしょうね。

来るのが遅かった零のために、ひなたは予め家族とは別に料理を盛っておいてくれています。そして、亡くなった母と祖母のためには、モモのおままごとセットに盛り付けられていました。

1話でも、ひなたが神棚に母と祖母のカレーライスを捧げていましたから、川本家に母と祖母がいないことははっきりと示されていました。零は三姉妹の父親のことをあえて触れていません。そんな様子からして三姉妹の父親は生きているはずです。亡くなっていた方が零も触れやすいかもしれないですね。

霊を送った後、ひなたが一人でコンビニに行くと行って出掛けていきました。既に日は暮れているのに。相米ニさんから付いて行くように言われて、ひなたを追う零。ひなたはコンビニへは向かわずに川べりへと行き、そして泣いていました。泣き叫んでいました。家族の前では泣けず、一人で大声を上げられる場所を求めて行ったのですね……。モブの男の子が2人、泣いているひなたに近づこうとすると、零は間に割って入ってひなたを庇っていました。

 

 

おわりに

ひなた役の花澤香菜さんの、母を想って泣くシーンの演技が良かったです。胸の奥底から湧き出てくる感情を見事に表していたように思います。声優さんはやっぱり凄いなと思えた瞬間です。

そして、今回のひなたと零のシーンを見て、零はひなたを好きになるのだろうな、とも思いました。あかりでは零には歳が上すぎますし、モモは下すぎますからね。無理に恋愛をさせる必要もない物語に思えますが、羽海野チカさんなら入れてくるだろうなと。

 

 

3話は何より二階堂ですよ。いいキャラ。腎臓の病気が気になりますけれども、死ぬような展開にはして欲しくないですねぇ。零の終生のライバルとして居続けてもらいたいです。

 

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