ディスディスブログ

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花山が病室で書いていた原稿内容は何でしょう?美子に見られまいと裏返した動作が気になりました - 朝ドラ『とと姉ちゃん』153話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年9月28日放送の153話で、「あなたの暮らし」の戦争特集号が発行されました。

 

 

花山が常子に叱責される

www.nhk.or.jp

 

ヒロインの「小橋常子(高畑充希)」が社長を務める『あなたの暮し出版』の主婦向けの雑誌「あなたの暮し」、その編集長「花山伊三次(唐沢寿明)」は、5年ほど前に一度「心筋梗塞」を起こして倒れています。

152話では、花山は常子にも告げずに単身、広島へ取材旅行をしていて、その帰りの東京駅で強い発作が起きたようで倒れ病院に運び込まれました。常子たちが病室に駆けつけると、花山は病室のベッドに入ったまま上半身を起こし、何食わぬ顔をして仕事をしていました。

常子は何をしに広島に言っていたのかと聞くと、花山は戦時中(太平洋戦争)の人々の暮らしについて取材をしていたと答えます。花山は戦争中に内務省に所属して軍事標語を担当していました。戦争に関わってしまった者として、戦争を知らない世代に当時の記憶を残したい、と考えての行動だったようです。

花山は病院を退院できたら、直ぐにまた広島へ足を運ぶつもりのようで、花山の妻「三枝子(奥貫薫)」や娘「森井茜(水谷果穂)」は止めようと必死です。常子も花山の広島行きを認めませんでした。

後日、改めて常子たちが病院へ見舞いに行き、常子が花山にある提案をしました。それは「あなたの暮し」の読者に「戦時中の暮らしについて書いてもらう」ことでした。

花山の戦争記憶を後世に伝える企画は続けるべきだが、花山の体調を考えると取材を行うことは到底認められない、ならば「あなたの暮し」の愛読者の皆さんから戦時中の体験などを書いてもらい、それを編集部に送ってもらおう、というのです。花山も常子の提案を受け入れ、早速雑誌に体験募集の文章を書いていました。

153話では、病院からの一次退院が許可された花山が『あなたの暮し出版』社に出社し、自らの執務室で作業をしていました。そのことを社員からの報告で知った常子は「いい加減になさって下さい!」「花山さんのお体は花山さんだけのものではないんですよ」「部下を信じて任せることも、上に立つ者の立派な責任なんじゃありませんか?」と花山を叱責します。花山を叱ることができる人物はもはや常子しかいないのです。いや、以前からそうでしたか。

花山は渋々「わかった」と言い、常子の言葉を受け入れ自宅に戻ることにしました。

 

 

「あなたの暮し」戦争特集号

読者からの戦争体験の手紙は、箱いっぱいに10箱以上も編集部に届いています。その一通一通を編集者が読み、原稿にまとめ、花山の自宅に届けて記事の最終確認をお願いし、花山が納得するまで何度でも編集部と花山宅を往復すると、常子は花山に伝えました。

届けられた手紙全てを雑誌に載せたいくらいだという花山の言葉に、常子は「だったらそうしましょう」と返事し、2世紀32号を丸々、戦争の記事だけで作りましょうと提案しました。それまでは戦争体験の件はあくまで一つの企画にすぎませんでした。一冊丸々一つの企画だけで成立させることは、これまでの「あなたの暮し」にはなかったことのようです。

また、戦争の記事だけを載せることは「あなたの暮し」の主旨からは外れているのではないかと懸案を示す社員もいました。確かに趣旨から外れていて、一部の読者から反発もあるかもしれないが、これは価値のあることだと花山は言い、社員たちも同調していました。

そうして「あなたの暮し」戦争特集号は制作されました。しかし、その頃になると花山は体調を崩すことが多くなり、入退院を繰り返すようになっていました。そんな中でも記事の校正は欠かさずにこなしています。

そうして昭和49年と思われますが、8月15日終戦記念日に「あなたの暮し」の最新号、2世紀32号「特集 戦争中の暮し」が発売されました。2世紀32号は評判を呼び売れに売れているようです。編集部にも問い合わせの電話が鳴り響いていました。これは苦情などではなく、おそらく書店の売り切れで追加注文が入っているのでしょう。経理の「水田正平(伊藤淳史)」が常子に売り切れの報告をしていて、常子は増刷を指示していました。

 

 

おわりに

常子の姪っ子「水田たまき(吉本実憂)」が電話を受けた読者から「これこそ後世に残したい雑誌だ」との声を頂き、それを喜んでいる様子がありました。常子の下の妹の「南美子(杉咲花)」は、花山は常々「我々の雑誌は使い捨てにしたくない」と言っていたことから、たまきが報告した読者からの声は正に花山が望む声であったことでしょう。

美子で思い出しましたけど、戦争特集号を制作しているときに、美子が花山に校正をお願いするため彼の病室を訪れると、花山が何かの原稿を書いている手を休め、その紙を裏返しにしていました。これは見逃してはいけないシーンだったと思います。

おそらくですけど、花山は常子たちに遺書を書いていたのではないでしょうか? 入退院を繰り返すようになっていたナレーションがあった直後のシーンであったこともあって、非常に暗示的な所作に見えますから。花山は既に自らの死期が間近に迫っていることを感じ取っているのでしょう。

私の憶測が正しいとすると、花山は明日にも亡くなりそうですね……。

 

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