ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

ディスディスブログ

君子が亡くなる。常子と親子丼を食べられたのかが気になりました - 朝ドラ『とと姉ちゃん』147話の感想

スポンサーリンク

NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年9月21日放送の147話で、君子と花山が会話をしていました。そして君子が亡くなりました。

 

 

花山が君子を見舞う

www.nhk.or.jp

 

145話から144話の昭和33年から6年が経過し昭和39年になりました。ヒロインの「小橋常子(高畑充希)」は、第2次世界大戦中だったと思いますが、祖母の青柳滝子(大地真央)たち『青柳商店』が探してくれ、以降ずっと家族で暮していた目黒に建てられた家を新たに立て直しています。

新居はとても大きな家で、常子と母の「君子(木村多江)」と、次女の「鞠子(相楽樹)」と鞠子の夫「水田正平(伊藤淳史)」と中学生に成長した長女「たまき(蒔田彩珠)」、5歳の長男「潤(山下心煌)」の水田家4名と、三女「美子(杉咲花)」と美子の夫「南大昭(上杉柊平)」と4歳の長女「真由美(上杉美風)」の南家3名の7名が加わった総勢9名の大所帯になりました。美子が結婚をするまでは3人暮しでしたから3倍の人数になっています。

一つ屋根の下に暮らすことになった大きな原因の一つは、年老いた君子です。美子が結婚をするとなると、家には君子しかいない時間がより多くなりますから、鞠子と水田がそれを心配して新居を建てたら自分たちも一緒に暮して良いかと話を切り出してきました。鞠子は専業主婦ですので基本的には家にいます。それを聞いた美子と南も、一時は団地に住んでいたようですけど、昭和39年現在は小橋の家に居ます。結局、美子と南が団地で暮している様子は、ドラマ内では一瞬たりとも映されなかったです。

9人での生活は大変に活気があり、かつ優しさに溢れていて家に彩りが産まれたかのようでしたが、145話で君子が病に倒れてしまいました。病院の検査を受けた結果、病名は「ガン(癌)」と判明します。君子は既にある程度察しているような雰囲気でしたが、常子たちは君子に病名を伏せることにしたようです。

君子は病室で一人でいるのは淋しいと家族と暮してながら療養することを選択し、医師もそれを認めたようで、146話からは自宅に戻っていました。しかし病状は徐々に悪化していて、次第に床に伏せている時間が長くなっています。

146話の終わりに、常子が社長を務める『あなたの暮し出版』社の主婦向け雑誌「あなたの暮し」の編集長を務める、「花山伊三次(唐沢寿明)」が小橋家にやって来ました。君子を見舞うためです。

 

 

花山の、常子に対する秘めた想い

君子は挨拶が済むと、常子に対してしばらく花山と二人になりたいと言い常子を退けます。二人きりとなった部屋で、花山がこれまで胸に秘めていた想いを君子に伝えていました。

それは「常子さんにとって本当にこれで良かったのか」ということです。時折考えてしまうのだそう。

何が「これで良かったのか」というと、雑誌を作るのなら人生を賭けますと宣言した常子は、本当に人生の全てを投げ打って「あなたの暮し」のために身を捧げてきましたが、花山には「常子さんにはもっと別の人生があったのではなかろうか」「お母様としても思うところがあるのではないですか」と思うのだそうです。

「ただ仕事にだけ邁進させてしまい、申し訳ありません」と花山は君子に頭を下げます。

常子は結婚をしていないですし子供もいませんから、良い男性と巡り合って恋愛をし、結婚をし、子供を産んで……という人生があったのではないか、ということかと思われます。常子が雑誌編集の道へ進まなければ。

花山の言葉を聞いた君子は首を横に振り、「いいえ、常子は幸せなのだと思います」と答えます。自分で選んだ道ですし、そういう風に思ってくださり見守ってくださる人がいるんですもの、と。人に頼ることが苦手な常子はずっと全てを抱え込んで生きてきたけど、ようやく心から誰かに頼って生きることができたのだと思う、と花山に感謝をしていました。花山だけではなく『あなたの暮し出版』で苦楽を共にしてきた仲間たちのことも指していたのでしょう。

花山に、お伝えできて良かった、これからも常子たちをよろしくお願いします、と君子は言います。その直後、あまり長居をすると身体に障ると気を遣った花山は小橋家を去っていきました。去り際、見送る常子たちに、花山は「素晴らしいお母さんだね」と賛辞を贈っていました。

おそらくですけど、君子の様子をみた花山は、君子の生命があまり長くないことを察したのだと思います。しかし花山は君子に病気の詳細については一切触れませんでした。そんなところも花山の人間性がよく表れていたように感じられます。

また、常子たちに対して人生の先輩としてアドバイスを送るなどといった、一方からの親切の押し売りのようなこともせず、ただ御見舞をする、意外にできないことと思いました。私の場合何か格好の良いことを言おうとしてしまいがちなので見習わねば、と感じました……。

 

 

おわりに

その後、常子たち三姉妹が君子の部屋へ行き、話をしていました。ドラマ上では最後の会話になっていました。君子は3人に感謝を述べ、3人それぞれに言葉を贈っていていました。

さらに、君子は美子に手伝ってもらい押し入れから大きな箱を取り出してきて、3人に中身を見せていました。そこには君子の夫「竹蔵(西島秀俊)」のために作った桜の花びらや、常子が作った「KT歯磨き」といった、これまでの家族の思い出ある品が詰まっていました。

「小さな幸せの積み重ねで今の幸せがあるのね」

君子はそう言っていました。この言葉は常子の理念、「あなたの暮し」の理念でもあるでしょう。常子がそのように考えられるように育ったのも、君子や竹蔵たちがいてこそだったのかもしれません。

君子は常子に常子の作った「親子丼」を食べたいと言っていました。ドラマではその10日後に君子が亡くなったとナレーションが入っており、親子丼を食べられたのかは不明です。

朝ドラの次に放送されている『NHKあさイチ』の朝ドラ受けトークでは、司会のイノッチことV6井ノ原快彦さんと解説委員の柳澤秀夫さんが、10日あったら親子丼を食べられていたでしょうね、と話していました。お二人は何とかして有働由美子アナウンサーを泣かせようとしていたみたいです。有働アナは少しウルッと来ていたでしょうか。

 

dysdis.hatenablog.com