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花山が『あなたの暮し出版』社を辞めてしまいました……社に戻ることはあるのでしょうか? - 朝ドラ『とと姉ちゃん』102話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年7月30日放送の102話では常子と花山が決別してしまいました……。

 

 

花山の新企画は小麦料理

www.nhk.or.jp

 

昭和23年秋、ヒロインの常子(高畑充希)たち『あなたの暮し出版』社の「あなたの暮し」創刊から1年版が経っていて、第3号、第4号と出版しているようですけど思うように販路を広げることはできていません。

戦後の混乱期の中、出版業界は群雄割拠の時代を迎え、経営基盤の小さい出版社は次々と淘汰されていき、かつて常子が勤めていた『甲東出版』も大手に吸収合併される形で倒産の憂き目に遭っています。

『あなたの暮し出版』も時代の波に乗り損ねていて資金繰りが苦しい経営状況に追い詰められていて、常子は次号の「あなたの暮し」に初となる広告を載せるか、人件費を削減するために社員の誰かのクビを切るかの二択を迫られています。

社長の常子としては背に腹は代えられないと広告を載せることを提案しましたが、編集長の花山伊三次(唐沢寿明)は反対しており、花山は一切の反論を認める気がないようです。

困った常子は苦肉の策として、花山に内緒で次号に広告を載せることを決定します。経理の水田正平(伊藤淳史)や次女の鞠子(相楽樹)もそれに同調しましたが、花山の心酔している三女の美子(杉咲花)だけは反対し、常子と口論にまで発展しています。

花山と美子の反対を他所に、常子は水田と鞠子の3人で「袴田料理学校」という料理学校へ出向き、広告を載せるための交渉をし、契約を締結します。料理学校には「あなたの暮し」の内容に口出ししないよう言ってあります。契約書などに書いていたかは不明です。見落としがあるかも。

花山は美子を連れて、起死回生策となる雑誌の企画を見つけるべく露店街に取材しています。そこで見たのはパンです。昭和23年当時、配給はまだ続いていましたが米国などからから送られる「ララ物資」により、配給内容も米から小麦へと変わっています。露天でもパン焼き器などがない庶民が作ることができないパンが売られるようになっています。

配給が小麦に代わったことで庶民も家庭で小麦料理を作らざるを得なくなっていますが、これまで小麦を食べることをしてこなかった終戦直後の日本の庶民が作れる小麦料理は種類が少なく、せいぜい「うどん」や「すいとん」です。そこに花山は目をつけています。家庭で簡単に作れる小麦料理を思いついたようでした。

 

 

常子と花山の決別

新しい企画を思いついたことで喜々として社に戻った花山ですが、社に戻ると常子から手渡された「あなたの暮し」第5号を見て表情を変えます。裏表紙に広告が載っていたからです。常子は資金が足らずに広告を載せざるを得なかったと釈明しますが、花山にとっては自分のあずかり知らぬところで裏切り行為とも受け取れることをされてはたまりません。君とはもう雑誌を作れないと言い残し花山は社を出てしまいました……。

花山がどうしても雑誌に広告を載せたくないと主張している理由は、読者のための記事に制約が生まれるかもしれないから、ということです。その考え方自体は全うなことだと思います。お金がなければ雑誌を出すこともできない、花山たちにも給料を出すこともできない、広告を載せた以外に内容は一切変わっていない、という常子の主張も全うだと思います。広告を載せてお金のために魂を売るくらいなら雑誌を出さない方が良いと考える花山と、生きるために広告を載せても雑誌を出すべきだと考えている常子との立場の違いや考え方のちょっとした齟齬が大きな亀裂を生んでしまった、ということでしょうか。

 

 

おわりに

花山のいなくなった後の企画会議は重苦しい空気の中で一向に進む気配を見せませんでしたが、美子は花山が露店街で話していた小麦粉料理のことを思い出しそれを提案していました。美子が自分で考えたとは思えないほどの素晴らしい企画に、常子は少し疑っていましたが、美子は自分で考えたことにしています……どうなるのでしょうね。

花山の主張もわからなくはないですけど、理想ばかり突き詰めてもお金という現実と向き合わなければ立ち行かなくなることもありますからね……今回はどちらの方が正しかったかという話ではないと思います。立場の違いもありますから。むしろ、101話で美子が言っていましたが、常子は広告を載せるために花山を欺いた訳で、広告を載せる載せない以前にそういう裏切りとも受け取れる行いが責められることかとは思いますけど。

次週第18週は「常子、ホットケーキを作る」です。やはり小麦粉料理はホットケーキでしたか。観る限り、花山は『あなたの暮し出版』社に戻りそうですし、ホットケーキ作りのヒントか何かをくれるのは森田宗吉(ピエール瀧)か照代(平岩紙)のようですね。宗吉はコックコートを着ていたようですから洋食屋に鞍替えするのでしょうか?

次週予告で何より気になったことは水田が鞠子にプロポーズをしていたことですね。ドラマ『電車男』で伊藤淳史さん演じる電車男が、伊東美咲さん演じるエルメスに告白したシーンを思い出したのは私だけではないはず。

 

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