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常子の家に入った空き巣と一緒に玉音放送を聴いていました。終戦です - 朝ドラ『とと姉ちゃん』78話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が今日2016年7月2日放送の78話で、常子の家に空き巣(?)が入ってきました。

 

 

小橋家に空き巣が?

www.nhk.or.jp

 

76話から物語が昭和20年に進んでいて、太平洋戦争の末期になり、大都市を中心に日本が空襲に遭っています。ヒロインの小橋常子(高畑充希)たちの住んでいる目黒は大空襲下の東京にあって比較的被害の少ない地域でした。

そんな中、空襲時を狙った空き巣が横行しているという噂を耳にした常子たち、空襲時に自宅を物色する男の姿を認めます。男は常子たちが避難している敷地内の防空壕に歩を進め、壕の扉(蓋?)を開けます。何か酷いことをされることも覚悟した常子たちでしたが……その男は鉄郎(向井理)でした。鉄郎は常子たちの伯父です。

鉄郎は、貴重な野菜や卵を常子たちにやり、しばらく居てやるかと言って終戦まで小橋家に居座っていました。たとえ頼りにならない鉄郎であって、家に男性いるということは常子たちに少なからず心の安定をもたらしているようでしたね。

そして時は過ぎて1945年8月15日、小橋家のラジオから玉音放送が流れてきました。日本が太平洋戦争に敗れました、終戦です。戦争に敗れることは悲しいことですけれども、ようやく様々な制約から解放され自分の好きなように生きられる時代が再びやって来たことへの喜びの方が勝っていたようでした。

 

 

おわりに

NHKのCMで2016年7月4日月曜日から戦後編がスタートするというものを観てしまい、そこに映っていた鉄郎が今回登場するのであろうなぁということは察しがついていました。皆さんの多くも予想通りだったと思います。

それにしても脚本が浅い気がします。『まれ』の昭和初期バージョンを観ているようです。戦争の悲惨さがこちらに伝わってきませんでした。描写されたのは作中では唯一直接被災したお竜(志田未来)とその妹弟くらいで、常子たちは都合よく目黒へ引っ越すし、森田は高崎へ、青柳も木曽へと引っ越していて、常子のごく身近な人たちは大空襲による被害が全くありませんでした。

被害があれば良い、悲惨な描写がなされれば良いと言いたいのではなく、皆が無事に戦争を乗り越えるという帰結が何より先にあって、そのためには戦争が始まる前、あるいは戦争が激しくなり空襲が始まる前に、彼らにどういうエピソードを用意すればいいか、どうすれば無事な場所へ移動させられるか、という考えから脚本が錬られているように受け取れてしまいます。ご都合主義が過ぎるというか。

お竜さんにしてもそうです。以前、お竜が突然ビアホールでの騒動に加わって常子を助け、さらにマフラーを届けたことがありました。そのエピソードの後、お竜は全く登場せずに物語が推移して、76話になってお竜が大空襲の被害を受けて避難しているシーンで再登場し、そこを偶然(!)通りかかった常子に見つけられ、お竜たち姉弟は小橋家に一晩泊めてもらいました。その中で戦争が終わったら何をしたいかという話になって、常子は「女性が自由にやりたいことを実現できる雑誌を作りたい」と自らの今後の人生の道筋を見出すことになるのですが、脚本家の方は常子のこの発言をさせたいがためだけに、お竜を登場させたのではないか、と疑ってしまいます。初回登場以降もちょくちょく物語にお竜を絡ませた上で、そういう話に持っていくのなら良いのですが、都合の良いときだけ彼女を登場させるので、ぶつ切りのようなパッチワークのような違和感を覚えるのですね。

 

次週第14週の予告を見ると、「甲東出版」の社長兼編集長の谷誠治(山口智充)と同社記者の五反田一郎(及川光博)は2人とも無事でした。花山伊佐次(唐沢寿明)も無事。女学校時代の親友である中田さん、結婚をして村野に姓を変えた綾(阿部純子)も再登場していました。週タイトルが「常子、出版社を起こす」ですから、いよいよ『あなたの暮し』創刊に向けて動き出すのでしょう。『電車男』の伊藤淳史さんが新規に登場するようですね。チビノリダー。

気になるのは星野武蔵(坂口健太郎)は生きているのかどうかです。『とと姉ちゃん』の脚本家さんならタヒなせないと思いますので、再登場は高確率であると思います。

 

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