ディスディスブログ

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帝告の里見義昭の狙いは超人のいない世界? 神化20年の広島で何が起きたのか? 爾朗の出生が鍵のようです - アニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』第21話「鋼鉄の鬼」の感想

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毎週日曜日23:00より、TOKYO MXにてアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 THE LAST SONG』が放送されています。

 

http://concreterevolutio.com/

 

以下、ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

2016年5月29日の放送は第21話「鋼鉄の鬼」でした。2期8話です。

 

 

イントロダクション

「もうひとつの日本」を舞台にして繰りひろげられる、多彩な超人たちの饗宴――。
「神化」という架空の年代、高度成長によって発展する戦後20余年の日本が舞台である。

これまで数々のフィクションで描かれてきた、数々の「超人たち」が、もしすべて同時に実在していたとしたら?
登場する「超人」たちは、誕生も特性も、実にさまざまだ。
宇宙から来た巨人、ファンタジー世界の生命体、古代から妖怪とされてきた存在、科学者に改造されたサイボーグ、太古に滅亡した巨大文明の遺産などなど……。
一部の超人は公然と活動して世間から人気を集め、一方で素性を隠しながら密かに戦う超人もいる。そして超人に対抗する敵勢力、組織もまた、それぞれ暗躍を続けている。

日本政府は、秩序確保のために多様な手を打った。
そして設立された組織のひとつが、厚生省の外郭団体「超過人口審議研究所」である。
その通称は「超人課」――「超人」を発見・確保し、保護し、安全に管理するのが任務だ。
超人課に所属するメンバーの一人、人吉爾朗(ひとよしじろう)が、本作の主人公である。 

 

公式Webサイトのイントロダクションから抜粋しました。こちらのイントロダクションは1期のものになります。

 

 

1期13話までの年表

http://concreterevolutio.com/special/?page=chronological

 

1期13話までの年表が公式Webサイトの「SPECIAL」ページ内にありますので、そちらを見ながら本作を視聴するとわかりやすいかもしれません。参考になさってください。

 

 

第21話「鋼鉄の鬼」

神化49年6月。日本は米国からスーパーロボット「NUTS(ナッツ)」が輸入しています。NUTSは超人ではない普通の人間でも操縦できるロボットです。NUTSは、オイルショックによって辞任の危機を脱した日本の立花繁総理が更なる支持率アップを狙っての、公共保安隊に代わる超人専門の警察組織で、超人取り締まり政策の一環です。超人たちの立場がより危うくなっています。

NUTSは、大西洋の海底の幻の文明遺跡から発掘され、現代技術で蘇ったものだということです。輸入代理店は帝告の傘下の企業。

また、帝告こと「帝都広告」の東﨑倫子(とうざき・みちこ)はNUTSのパイロットとして元インフェルナル・クイーン、通称「IQ」のマリをスカウトしています。

 

 

立花総理のNUTS輸入は「ロッキード事件」?

ロッキード事件(ロッキードじけん)は、アメリカの航空機製造大手のロッキード社による、主に同社の旅客機の受注をめぐって1976年(昭和51年)2月に明るみに出た世界的な大規模汚職事件。

(中略)

ピーナツ(ピーシズ)
賄賂を受領する際の領収書に金銭を意味する隠語として書かれていたもの。100万円を「1ピーナツ」と数えていた[20]。「ピーシズ」はpieces、つまりピースの複数形[21]。

ロッキード事件 - Wikipedia

 

おそらく21話における立花総理が米国からスーパーロボットの「NUTS(ナッツ)」を輸入したことは、リアルの「ロッキード事件」がモデルになっていると思われます。引用部後半にあるように、賄賂を受領する際の金銭を「ピーナツ」と読んでいたこともその根拠となりそうです。

立花繁内閣総理大臣はモデルとして、吉田茂や田中角栄がモデルにありそうだと以前書いているかと思いますが、やはりそういう複数の総理大臣をミックスして作られたキャラクターのようです。立花は人心掌握術に長けており、それは超人の力が宿っているからだという話が19話にありましたね。鐵假面剱士と竜神アサヒの回です。

NUTSの輸入元である米国トライズ社から立花総理への不正献金があったことを、帝告の顧問である里見義昭(さとみ・よしあき)が嗅ぎつけ、今度こそ里見から立花は退陣させられ、さらにはマスターウルティマもあちこちから訴追されようとしています。これもやはりロッキード事件を感じさせます。

 

 

スーパーロボット「NUTS」

21話で登場したスーパーロボット「NUTS」は、1クール目9話のサナエさん一家の回に登場した米国の「USAロボ」発展型のようなロボットだったのでしょうか。

USAロボは、その内部にはあらゆる生命体の分子結合を分解する特殊な化学薬剤「バイオデストロイヤー」を生成できるプラントが組み込まれており、その材料は水でした。自爆というか自らが溶けて証拠隠滅ができてしまう代物でしたね。

NUTSは人間が乗ることで操縦ができるようです。21話では東﨑が里見の指示で半ば強引に乗せられていて、その際に「怪剣クロード」のヘルメットと大いに関係がありそうな物を被っていました。里見が言うには「君が超人になるんじゃないか」と言っていましたし、東﨑は「超人能力増幅装置」と言っていました。名称からすると元からあった超人能力が増すということですけど、東﨑は人間でしたから被ったことで超人となるのかもしれません。まだ定かではないですが。

ですから、本当の脅威はNUTSではなくこのヘルメットにあるのかもしれません。爾朗もヘルメットに着目をしており、特に被っていたときの東﨑の声がクロードのそれに変わっていたことに違和感があったようでした。元々神(長川神、高校教師で爾朗の幼馴染)が変装のために音声変換していただけで、クロードに人格はないはずなのに、どうして音声機能をわざわざ残しておくか?です。

若干脱線しましたが、NUTSはライトから発せられたロケット弾を被弾したことによって背面腰部から燃料が漏れていて、その燃料はUSAロボのバイオデストロイヤーのようでした。燃料が河川に流れ出ると、河川の魚が多量にタヒんでいました。重大な環境汚染です。

 

 

ちなみに今回東﨑が操縦していたNUTSの外観のモデルは漫画・アニメの『ゲッターロボ』と思われます。NUTSは他にも2体あって、それぞれデザインが異なっていました。

 

 

帝告の里見義昭の狙いは何か?

今回21話は本編の核心の入り口に入った感のある、とても重要な回となりました。終わりの始まり的な意味で。核心の入り口とは、里見義昭の目的が何なのか、です。それが少し分かった回となりました。

里見の思惑が垣間見えたのは、主人公の「人吉爾朗(ひとよし・じろう)」が東﨑から、彼女がNUTSを操縦した際のヘルメットを借りてそれを被り、過去を見ていたときの、過去における里見と孫竹の会話でのことです。里見と孫竹は戦中から知り合いだったと匂わせる描写は1クール目にもあったかと思います。孫竹は、爾朗の義父であり、旧帝国軍の「生田研究所」において超人の兵器利用の研究をしており、現在は超人課の実質的なトップに立っている人物です。

以降、爾朗が見た里見と孫竹の会話です。日付は神化21年2月28日木曜日と日めくりカレンダーにありましたから、終戦の半年後です。

 

里「君は気づいているはずだ。広島で見つけた子供のことを」
孫「爾朗は、あの子はただの子供だ」
里「原子爆弾、というものを聞いたことがあるかね?」
孫「ドイツ人が提唱した新型爆弾だろ? だが結局は失敗した」
里「去年、米軍はその新型爆弾を広島に投下、都市一つを消滅させるはずだった。しかし、爆弾は何の効力も発揮せず、そこには一人の赤ん坊だけが残された。だが、それが誤りだとしたら、本当は新型爆弾は成功し、おびただしい被害を出す。それが正しいとしたら?」
孫「あなたは何が言いたいんだ?(困惑)」

 

この会話は現状、非常に重要と思われます。これ以降はあくまで私の考えですが、里見が言いたいことは、新型爆弾が広島に投下された瞬間に世界が大きく分岐したということなのでしょう。分岐した一方はコンレボの神化年代で、もう一方は私達のリアル昭和→平成の世界です。戦前から神化だったのですから、年号は神化のままでしょうけど。里見はコンレボ世界の神化年代がリアル昭和のパラレルとして進んで来てしまっている、と考えているのではないでしょうか。その鍵は爾朗、というか爾朗の中の「怪獣」が握っていると。

つまり、里見の狙いはパラレル世界を正しくある(と里見が考える)時間軸に戻すことにあるのかもしれません。リアル私達の昭和の世界に全てを変革しようとしているように受け取れました。そのためには超人たち全てが邪魔なのではないでしょうか。里見は東﨑に「超人のいない世界」が自分の計画だと言っていましたので。

 

 

爾朗陣営のほころび?

爾朗や、鋼鉄探偵ライトこと柴来人、S遊星人というか白田晃、人造合体メガッシン、 ジュダスこと三純光、アースちゃんたちは、これまでも危うい連携の中で共闘の形を取っていました。

しかし、今回彼らからメガッシンの人造人間乙號こと興梠美枝子(こおろぎ・みえこ)人造人間丁號こと半田馨(はんた・かおる)が爾朗たちから離れてしまっています。メガッシンと、NUTS輸送を阻もうとするライトがガチバトルをしていましたね。格好良かったです。

 

 

人吉爾朗の秘密

今回、ジュダスこと三純から、人吉爾朗の秘密が爾朗自身や彼の仲間?たちに語られています。

元「エンジェルスターズ」のメンバーだった「遙アキ(はるか・あき)」が、今回「天弓ナイト」のマスクを被って「ヒカリナイト」としてNUTSと戦っていました。ジュダスの改造手術を受けていてヒカリナイトになったのでしたっけ?ちょっと記憶が定かでないです。

ヒカリナイトは、ライトのロケット弾を被弾し河へと流れ込んだNUTSの燃料に触れた瞬間、煙が出て叫び声をあげていました。燃料に触れたヒカリナイトの脚は焼けただれたようになっていて、ヒカリナイトはジュダスの病院まで運び込まれています。

治療中、ジュダスは爾朗を呼び出し、爾朗から血液を採取してそれをアキに注入すると、その直後にアキは苦しみ始めました。しかし、しばらくすると落ち着きを取り戻し、脚の焼けただれた箇所もすぐに正常に戻りました。

ジュダスが言うには、爾朗の血液には超人の細胞を活性化させ、ときに巨大化させる力があることは業界で噂になっていて、それを知って以前、健康診断名目で爾朗の血液を採血し、実験を試みたということでした。その一環としてアキの改造手術があったと。

神化34年のギガント号や、日本怪獣電波の事件も生物が巨大化して怪獣化しましたが、対象が巨大化するのはあくまで副作用であって、本来は爾朗の血液には「超人の体に未知のエネルギーが生じさせる」力が備わっているようです。

ただしジュダスも真相までたどり着いている訳ではなく、爾朗の血液の秘密について真相を知りたければ、爾朗の血液研究の第一人者である人吉孫竹に聞かないと、と言っていました。

 

 

おわりに

ラスボスは里見になりそうですね。里見自身も超人と思われますけど、超人のいない世界を実現したところで彼自身はどうするのでしょうか。ラスボス候補の対抗馬としては孫竹になるでしょう。

それと、今回爾朗がかなり迷っている様子を窺えました。ジャガーさんこと芳村兵馬(よしむら・ひょうま)からは大人になれと殴られていましたし、アースちゃんも爾朗の心の叫びを受け取って駆けつけていました。1クール目から2クール目になって爾朗は吹っ切れたように見えましたが、まだまだ悩んでいるんですね。神化49年時点で爾朗は三十路近い年齢みたいですけど、年齢は関係ないですか。

里見が明確な超人の敵(悪)として立ちはだかれば、超人を守りたいという頑なな爾朗の想いも活かせそうですけど、それぞれが自分の想いのために動いている超人課やメガッシン、ライト、アースちゃんには届かない思いかもしれません。難しいです。

 

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