NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が今日2016年4月22日放送の17話で、滝子の思惑が語られました。
『森田屋』の森田まつが登場
ヒロイン小橋常子（高畑充希）たち小橋家は、常子たちの「かか（母）」の君子（木村多江）の実家のある東京は深川に里帰りしています。君子の実家は深川で製材問屋「青柳商店（あおやぎしょうてん）」を営んでいます。青柳商店の大女将、つまり君子の母であり常子の祖母である青柳滝子（大地真央）は、威厳のある佇まいで周囲を緊張させてはいましたが、やさしい口調で君子たちを迎え入れてくれました。
君子はさっそく職探し、常子たちも夏休みが開けた後に行われる編入試験のために勉強に励む毎日です。君子の職探しは上手いこといっていないようです。常子は勉強がそれほど得意ではなく、上の妹の鞠子（相楽樹）は勉強が得意そう、下の妹の美子（根岸姫奈）は……どちらかと言えば常子寄りでしょうか。
そんな中、昨日の16話で新たな登場人物がありました。それは青柳商店近くにある仕出し屋『森田屋』の大女将である「森田まつ」です。森田まつ役は秋野暢子さんが演じています。森田屋は元々浅草で80年続く老舗の仕出し屋でしたが、関東大震災で家屋が被害を受けたことをきっかけにして深川へ居を移したとのことでした。ですから青柳家を出ていた君子は森田屋のことを知りません。
公式Webサイトの登場人物ページにはもう少し説明がありますけれども、ネタバレ要素があるためこれ以上は書かない方が良いでしょう。
まつさんは、どこか滝子と似たところがあります。江戸っ子ならではの歯に衣着せぬ性格でありますし、森田屋を女手一つ震災の被害から守った女傑でもあるようですので。似ているからこそでしょうけれども、まつと滝子は仲が良くありません。16話でも早速口喧嘩を始めていました。似た者同士。
筆頭番頭の隈井栄太郎（片岡鶴太郎）も、そんな二人の様子を見て「犬猿の仲」だと言っていました。「どっちが犬でどっちが猿だと思います？」などと笑いながら言っていたので、どいつもこいつもという印象がなくはないですが……。
仕出し屋とは？
仕出し屋とは注文を受けてから料理を作って配達まで行うお店のことです。
滝子の思惑
かかのことを助けるべく、常子は滝子に仕事を手伝わせて欲しいと願い出ています。滝子の広い人脈を頼りに、君子を雇ってくれそうなところがあったらそこへお願いしようという理由です。
滝子は理由を聞き納得した上で自分の外回りの仕事に帯同させることにしました。外回りの仕事は挨拶廻り、単に世間話をするだけでなく仕事の支払いが滞りがちな店への請求も含まれているようです。
支払いが滞っている客との会話の後、二人きりになったところで滝子が常子へ質問をしていました。今の店はしっかり支払いをするだろうか、あるいは口だけ調子の良い事を言って支払わないだろうか、です。常子は店で働いている人間が、店を綺麗に掃除している様子や、働いている人たちの勤勉で礼儀正しい様子から、そのお店は支払いをするであろうと答えていました。
常子の目の付け所の良さに滝子は感心しています。また、滝子の仕事は世間話をしながら情報を集め店の先行きを判断することだと、常子は看破しており、それに対しても滝子は感心していました。
常子も常子で、滝子が他の人物と何気ない世間話をしているから仕事の先行きが危ういと判断して取引を止めることに決めた様子を見て、滝子の仕事ぶりに感銘を受けていました。伊達に200年続く青柳商店を背負ってはいません。200年続くには続くだけの理由があったということですね。
ある日の晩、滝子が君子を呼びます。そこで滝子が君子に言ったことは「常子を養子の清（大野拓朗）の嫁にする」でした。
おわりに
私は滝子さんが好きですね。大地真央さんが若々しすぎる感がなくもないですし、17話の声を張り上げるシーンにもう少し荒っぽい演技をしてもらいたかったけど、滝子さんの高貴な雰囲気に対して好感を持てています。
君子へ対しても厳しいとは思えませんし、常子たちには優しく接してくれていますから、性格の悪さ・陰湿さのようなものも感じられません。まつさんとの口喧嘩も往来で大々的にしているのであれば、ある意味潔いですからね。
ただ独善的な性格が君子にとっては耐え難いものがあったのでしょう。これは母娘ならではのものかもしれません。君子が間にいる分だけ常子たちにはそういった面が伝わりづらいものがあると言いますか。
