毎週水曜日23:00-23:30に放送されているEテレ『ふるカフェ系 ハルさんの休日』、2016年4月20日の放送は「群馬・高崎編」でした。
ふるカフェ系 ハルさんの休日
今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。
こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。私は2016年の初め頃だったでしょうか、Eテレで当番組の再放送をしていたことがあり、それを拝見したことがありました。ブログで記事にもしています。
ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という渡部豪太さん演じる「真田ハル」のセリフが入っていました。古くから営業している喫茶店ではなく、あくまで古民家など古い建物をリフォームしたカフェが対象になるようです。ハルさんはブロガーで、古カフェを取材しその模様をブログにアップする形で番組が進行していきます。
当番組は、カフェのオーナーもお客さんも現地の方を起用しているため、渡部さん以外の出演者は演技の素人さんで基本的には台詞が棒読みです。それを気にしない方でいられる方で、上記のような古カフェが好きな方には大いに楽しめると思います。
群馬・高崎編のカフェは「日本茶喫茶・蔵のギャラリー 棗(なつめ)」でしょうか
2016年4月20日の放送は、群馬県高崎に「明治に建てられた蔵カフェがある」と聞きつけたハルさんが訪ねています。
ただの蔵ではなく座敷蔵だということで、「群馬 高崎 カフェ 座敷蔵」などの検索ワードを使ってネットで調べたところ、『日本茶喫茶・蔵のギャラリー 棗』さんが検索結果に出てきました。「棗」は「なつめ」と読みます。
確証はないですけど、画像にある蔵はドラマで映っていたものと同じに見えますから、おそらく棗さんで合っているでしょう。
棗さんのWebサイトが見つからなかったです。『群馬県のクチコミナビ!ぐんラボ!』さんお記事に棗さんのものがあったのでリンクを貼りました。記事によりますと、棗さんはJR高崎駅西口から徒歩約7分の場所にあるそうです。営業時間は11:00-17:00で金土日曜日が11:00-19:00と2時間延びるようです。定休日は水曜日と木曜日です。
座敷蔵とは?
「座敷蔵(ざしきぐら)」とは何かが『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の番組内でも紹介されました。
ハルさんが言うには「主に東北地方で多く建てられた蔵で、雪や災害に強く頑丈なため、大事な財産の保管に使われ、一部は生活空間としても利用された」とのことです。棗さんは米屋の蔵を再利用したようです。
上記リンクは『秋田県横手市増田町』のWebサイトになるのでしょうか。そこに「内蔵」に関する説明ページがありまして、座敷蔵についても言及されていました。
内蔵とは、主屋の背面に建てられた土蔵を、上屋で覆ったものが増田では内蔵と呼ばれているのだそう。増田の土蔵は文庫蔵と座敷蔵に大別され、その多くが内蔵だということです。
増田における座敷蔵は明治から昭和に多くが建てられており、商人の経営が肥大化したことで部屋が不足し、内蔵に座敷を設けたことがその経緯としてあるようです。座敷蔵の内部は1階奥の間に座敷間がある2室構造が主な構造となっていますが、中には床の間付の場合もあるとのこと。
棗さんの蔵は、ハルさんが言うにはかなり腕の立つ職人が手がけていて、かなり裕福な米屋だったのでは、ということでした。水車の廃材を使ったカウンターが格好良かったです。座敷蔵の2階にも上がっていて、欄間や釘隠し、箪笥、中でも天袋の細工にハルさんは感嘆の声を上げていました。
さらに、開店前に区画整理で道路を広げるため座敷蔵を「曳家(ひきや)」をしたそうです。家などを解体せずにそのまま移動させる方法ですね。ネットで調べたところ座敷蔵の重さは100トンもあったのだそう。
ゆず味噌と竹皮編と焼きまんじゅう
棗さんは日本茶専門店で、煎茶や芽茶、茎茶などがありました。自分で抹茶を点てることもできるようです。和菓子は地元・高崎で大正から続いている老舗のものだそう。
また、茶葉を「柚子味噌(ゆずみそ)」で和えて食べてもいて、これは私には初めて見るお茶の食べ方でした。高崎には戦国時代から続く味噌屋があるのだとか。
「竹皮編(たけかわ・あみ)」についても言及されていました。県庁が高崎から前橋に移転して高崎に活気が失われつつあるところを竹皮編が救ったそうです。世界的建築家ブルーノ・タウトが亡命したときに高崎に2年ほど滞在しその間に竹皮編に感動し工芸品の量産を助言したことをきっかけに、竹皮編が全国で評判を呼んだということでした。
群馬といえば「焼きまんじゅう」ですが、やはりドラマの中にも登場していました。甘じょっぱさがたまらない!と。
おわりに
座敷蔵の重厚な造りは非常に興味があります。特に2階の趣は素晴らしいものがありました。まるで江戸時代に迷い込んだかのような。写真を撮りたいです。
お茶を点てる体験を私はしたことがないのでそちらもぜひ一度体験してみたいです。堅苦しい作法は苦手なのでカフェで体験するというのは私には丁度いい気がします。ですが高崎は遠いですね……。