ディスディスブログ

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七代目八雲に振りかかる「助六」の呪い。菊比古が助六を追って行ったのは「祖谷温泉」でしょうか? - アニメ『昭和元禄落語心中』10話の感想

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毎週土曜日01:05(金曜深夜25:05)より、TBS“アニメイズム”枠にてアニメ『昭和元禄落語心中』が放送されています。

 

rakugo-shinju-anime.jp

 

以下、ネタバレ要素がありますので注意してください。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年3月12日の放送は第10話でした。サブタイトルがない作品です。

 

イントロダクション 

刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、
出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。
拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、
八雲の元では小夏という女性が暮らしていた。
八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく…

 

というイントロダクションです。ABOUT/STORYページから抜粋しました。作者は雲田はるこさん。講談社の『ITAN』にて連載中、既刊8巻。私は本作を全く知りませんでした。完全な初見です。

 

『昭和元禄落語心中』10話

前回9話で、「八代目・有楽亭八雲(ゆうらくてい・やくも)」、この時点でまだ「菊比古」ですが真打ちに昇進しています。彼の同門のライバルであった「二代目・遊楽亭助六(ゆうらくてい・すけろく)」は七代目の八雲に破門され、菊比古と付き合っていた芸者のみよ吉と二人で暮らすようになり、みよ吉には子供が出来たようです。

 

七代目のタヒ

七代目有楽亭八雲(CV家中宏さん)の落語が流れました。七代目の落語がきちんと放送されたのは本作始まって以来かもしれません。家中さんにとっても本作初の落語となりますが素晴らしかったです。しかも噺の終盤に突然体調を悪くしたため、演技は難しいものだったはずですが。七代目の演目は「子別れ」でした。七代目の十八番でしたっけ。子別れは古典落語で大人気の人情噺だそう。

体調を崩した七代目は菊比古にあることを伝えます。それは「助六」の因縁です。

かつてある男が有楽亭の門をくぐってきました。六代目「八雲」は七代目の実父で、その六代目は男をいたく気に入っていたそうです。このままでは七代目が男のものになってしまうと強い危機感を抱いた後の七代目は、父親に八雲の名は自分に継がせると大勢の前で言わせます。その男はいつしか一門を抜けてその後どうなったかは分からないということでした。男の高座名は「助六」、そう、初太郎が子供の頃に落語を教わったあのお爺さんが有楽亭から去った初代助六だったのです。

後に初太郎が有楽亭の門をくぐって、彼の落語を見た七代目はすぐに初代助六の落語だと気がついたそうです。生き写しのようだったと。さらに初太郎が「助六」を名乗らせて欲しいと言ったときには生きた心地がしなかったとも言っています。因果応報。

七代目はそのことについては目を瞑ろうとしていたようですが、そういった意思とは無関係に、いつしか助六(初太郎)には「八雲」の名は継がせないと必死になっている自分がいたそうです。結果として、菊比古と同様に息子同然に育ててきた助六を破門することになってしまった、と。

菊比古は「正直、師匠のそういうところ、苦手ですよ」と言ってのけます。好きなところもたくさんあるけど、そういうところは絶対に似たくない。でも、だからこそ私の落語ができたんです、と。そのときの七代目の目がとても印象的でした。

その後、七代目は亡くなっています。おそらく七代目の最後となった演目が「子別れ」とは何ともよく出来たお話で。

 

みよ吉からの手紙

金を持ちだして二代目助六と逃げたみよ吉から、かつてみよ吉が世話になっていた「お榮」に手紙、葉書でしたか、が届いています。お榮は菊比古を呼び、そのことを話すと手紙を渡しています。菊比古はみよ吉、というより助六の今を知りたいのでしょう。

菊比古は手紙に捺された消印から、あれはどこでしょうか、どこかの温泉街へと汽車に乗っていきます。現地の人の訛りは関西方面のようでしたし、「祖谷(いや)」とあったので、徳島県三好の「祖谷温泉(いやおんせん)」かもしれません。

菊比古は現地の人に落語を聞けるところがないかと尋ね、向かった先の蕎麦屋では小さな女の子が大層上手に落語を演じている様子がありました。この落語は、と直感した菊比古。落語が終わった後に集金をしているその女の子に話を聞くと、その子は名前を「こなつ(小夏)」と言いました。

 

おわりに

1話に繋がりました。1話において大人になっていた小夏は、助六の娘で、八代目八雲の家に住んでいながらも八雲を憎んでいました。「昭和元禄落語心中」、心中という縁起でもない作品タイトルですから、何やら嫌な予感がしますが。

七代目が亡くなってから後、いよいよ菊比古は「死神」を演じていました。1話で与太郎が刑務所内で見て感動した演目です。唯一無二の演目を手に入れた、まさにその瞬間が10話で描かれたことになります。唯一無二なだけあって、菊比古が演じる様子は鬼気迫るもので、声優の石田彰さんの演技力には目を見張るものがありました。一見の価値ありです。

次回は菊比古と助六との再会が果たされることになりそうです。先述したように縁起でもない作品タイトルが回収されるときが近づいているのでしょうね。助六とみよ吉は……。

 

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