Formula 1 2016 (F1 2016) のプレシーズンテストが終わりました。第2回のウィンターテストが現地時間の2016年3月1日から4日まで、スペインのバルセロナにある "Circuit de Catalunya" (カタロニア・サーキット)で行われていました。
第1回のウィンターテストも、第2回と同じくバルセロナで2月22日から26日まで行われており、この2回のウィンターテストの後に本格的なシーズンに突入します。
第2回バルセロナテスト3日目と4日目の結果
第2回バルセロナテストの2日目までは以前記事にしていますので3日目と4日目(最終日)の結果を貼りました。3日目はScuderia Ferrari(フェラーリ)のKimi Räikkönen(キミ・ライコネン)が、4日目は同Sebastian Vettel(セバスチャン・ベッテル)がトップタイムを出しています。
Mercedes AMG(メルセデス)のNico Rosberg(ニコ・ロズベルグ)がFerrariへの警戒感を示しているように、Ferrariはプレシーズンテストを通して他チームに対して速さを見せつけています。
Mercedesは1回目を含めたテスト期間で一度もスーパーソフトとウルトラソフトを使わなかったため、それらを使った場合どれだけのタイムが出るかが未知数ですけど、Ferrariが2015年シーズンからの好調を維持し、昨年よりも差を縮めている可能性は少なからずありそうな気がします。
Who was quickest through the speed trap as pre-season #F1Testing wrapped up? Find out... pic.twitter.com/XG05jDejCC
— Formula 1 (@F1) 2016年3月4日
こちらが4日目のスピード・トラップです。McLaren Honda(マクラーレン・ホンダ)は最下位……。
2016年シーズンのチームの序列は?
2016年シーズンのチームの序列はどうなっているのか。あくまでテストを追ってきた私の印象ですけど、以下のようになっているのではないかと考えます。
- Mercedes(メルセデス)
- Ferrari(フェラーリ)
- Williams(ウィリアムズ)
- Red Bull(レッドブル)
- Force India(フォース・インディア)
- Toro Rosso(トロ・ロッソ)
- Renault(ルノー)
- McLaren(マクラーレン)
- Sauber(ザウバー)
- Haas(ハース)
- Manor(マノー)
ウィンターテストで私が見たところ、各チームの力関係・序列は上記のようになっていると見ます。
前述したようにMercedesが1位でFerrariが続き、離れてWilliamsとRed Bull、ほんの少し離れてForce IndiaとToro Rosso、また少し離れてRenaultとMcLarenとSauber、新チームのHaas、Manorが殿です。WilliamsからToro Rossoまでの4チームは一括りにしても良いかもしれません。
個人的に気になるのはToro Rossoです。パワーユニット (PU) が2015年型のFerrariですし、第1回のバルセロナテストでは目立っていなかったと記憶していますけど、第2回に入ってから3日目はMax Verstappen(マックス・フェルスタッペン)がウルトラソフトで最速ラップが1分23秒382の4番手タイムで159周を走り、4日目はCarlos Sainz(カルロス・サインツ)がウルトラソフトで1分23秒134の2番手で133周と、速さでも周回数でも兄貴分のRed Bullを上回って見せました。
Red Bullはソフトタイヤを履いて最速ラップを計測していたため、Toro Rossoと同じウルトラソフトでどのくらいのタイムが出るかは未知数です。Daniel Ricciardo(ダニエル・リチャルド)はテスト期間に「タイムを追求しても無意味」と言っていて、自信を覗かせていますから、Red Bullの本来の力はまだ隠されているかもしれず、Mercedesと同様に不気味な存在ではあります。シーズンに入っても隠されたままかもしれないですが。
McLaren Hondaはどうか?
McLaren Honda(マクラーレン・ホンダ)の第2回バルセロナテストは上々だったようです。先述したとおり、ストレートスピードが最下位を計測していたためパワー不足はあるかもしれませんけれども、第2回のテストに限って言えばPUにも車体にも大きなトラブルがないどころかトラブルフリーでプログラムを消化できたとのこと。非常にポジティブなテストになったことでしょう。
For all those asking about McLaren and Honda https://t.co/onZeROj2BM pic.twitter.com/Tyry6lQPmA
— Andrew Benson (@andrewbensonf1) 2016年3月2日
McLaren Hondaについて気になる意見を発見しました。上記のTwitterがそれで、これは英国BBC SportsのチーフF1ライターのAndrew Benson(アンドリュー・ベンソン)さんの意見です。Bensonさんによると、Fernando Alonso(フェルナンド・アロンソ)は最終セクターで2位、第1セクターで3位のタイムを残していたそうです。しかしながら、フィニッシュ・ラインでは最も遅く、ピットストレートエンドでは2番目に遅かったとのことで、Hondaエンジンの出力不足を指摘しています。
前回の記事にも書いたのですが、Force Indiaのチーフデザイナーである羽下晃生さんが第1回のテストでMcLaren MP4-31のデザインについて言及していました。
まだレッドブルには、なり切れてませんね。
(中略)
さすがに資金力のあるチームだけあって、去年後半はずいぶんいろんなことにトライしてましたよね。目標はレッドブルなんでしょう。そうやって少しずつ、近づこうと努力しているように見えました。でもまだドラッグが、かなり大きそうです。今はまだ、道半ばという感じですね。
このように羽下さんはドラッグ(空気抵抗)がかなり大きそうだと仰っているので、ストレートにおけるMcLaren Hondaのスピード不足はエンジン出力だけが原因ではないかもしれないですね。
おわりに
テストの終了が2016年シーズンの終了を意味するかのようでもあります。以前も書いた気がしますけど、最近のF1はプレシーズンテストの結果≒シーズンの結果だと思っているので、この私の考え通りに行くのであれば、上記に書いたような結果になるのではないかと思いますが、どうなるでしょうか。
F1 2016開幕戦Australia Grand Prix(オーストラリアGP)は3月20日に行われます。あと2週間ほどですか。放送を見られない私はテキストでのレース結果だけを楽しみに過ごすことになろうかと思います……。