ディスディスブログ

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菊比古がみよ吉&助六と別れました。助六は二代目、八雲への執念が垣間見えます - アニメ『昭和元禄落語心中』8話の感想

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毎週土曜日01:05(金曜深夜25:05)より、TBS“アニメイズム”枠にてアニメ『昭和元禄落語心中』が放送されています。

 

rakugo-shinju-anime.jp

 

以下、ネタバレ要素がありますので注意してください。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年2月27日の放送は第8話でした。サブタイトルがない作品のようです。

 

イントロダクション 

刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、
出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。
拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、
八雲の元では小夏という女性が暮らしていた。
八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく…

 

というイントロダクションです。ABOUT/STORYページから抜粋しました。作者は雲田はるこさん。講談社の『ITAN』にて連載中、既刊8巻。私は本作を全く知りませんでした。完全な初見です。

 

『昭和元禄落語心中』8話

6話で、「八代目・有楽亭八雲(ゆうらくてい・やくも)」、まだ二つ目で「菊比古」ですが、彼が自分は何のために落語をしているのかを明らかにしました。菊比古と同じく七代目・八雲の弟子でありライバルである「二代目・遊楽亭助六(ゆうらくてい・すけろく)」は人のため、菊比古は自分のために落語をしています。自分の行く道筋が見えたとき、2人それぞれの人生は大きく道を分かとうとしています。

8話では物事が堰を切ったように動き始めました。

 

別れと別れ

菊比古は七代目・八雲と一緒に地方巡業中です。巡業中の菊比古は落語の腕前がメキメキ上達してるようで、実際に視聴者の私達にも以前よりも上手に噺をしているように聞こえました。この辺りに声優さんの力量を感じます。

菊比古の真打ち昇進も近いようで、既に話に挙がっている様子。七代目としては同時に弟子となった菊比古と助六を一緒に真打ちへ昇進させたいみたいですけど、「野郎を真打にするには、折る骨が幾つあっても足りねぇや。成は汚ねぇわ、女にはだらしがねぇ、大師匠の落語にケチつけるわで、良い顔をしねぇご長老が多すぎるんだよ。とにかくミソだらけ。熱が出そうだよ」と。

一方で、残された助六は仕事を忙しくこなしながらも遊びも欠かしていません。そんな折、鬼灯市で芸者のみよ吉とばったり出会い、2人で話をすることになりました。みよ吉の奢りで。みよ吉は菊比古が巡業中であることを助六から聞かされて知りました。

それとみよ吉は、菊比古が自分と別れたがっていることもわかっています。満州で色を売っていた自分は七代目に会って変わった。もう独りは嫌だと、菊比古の心が離れようとしていることもわかりつつ、自分からは離れるつもりがないようです。「女として心から好きな人をずっとそばで支えたいの。女にしかできないことよ」と。

そのときのみよ吉は大変色っぽく、助六は思わず抱きしめていました。間が悪いとは正にこのことで、そんな二人を戻ってきていた菊比古が見てしまいます。これは違うの、と言い訳をするみよ吉ですけど、菊比古は「別段、腹の立つこたぁない」と素っ気ない言葉をぶつけます。

みよ吉は平手をしようとしますがそれも菊比古に防がれ、何も言うこともすることもできず駆け去ってしまいます。それを追いかけることもしない菊比古。助六からなぜ追いかけないのかと聞かれ「一世一代の大嘘だい。あの人のことは好きなんだ。けど、あたしゃあの人と別れようと思ってる。そんな野郎が追いかけたら酷だ」と。

助六と菊比古は飲み直し、そこで菊比古は助六との二人暮らしも解消しようと言ってきました。そもそもは師匠から所帯を持つなら、別のちゃんとした女性にしなさいと言われたことがきっかけにあるようです。菊比古は師匠の意見が正しいとは思っていないですが、師匠に逆らってまで一緒になろうまでみよ吉のことを思えなかったそうです。

「誰とも結婚なんざしたくない、とにかく独りになりたい」と菊比古が言ったことで、助六は自分も家を出て行った方が良いと感じ取った訳です。元は菊比古が一人暮らしをしている家に助六が転がり込んで二人暮らしが始まっていますから、出て行くのは助六しかあり得ません。

 

助六の名前はどこから来たのか?

別れ際に、助六が菊比古に餞別としてボロの扇子を渡していました。その扇子は昔世話になった人から貰ったものだそうで、「助六」とだけ書かれています。

昔、助六が寄せ場で世話になってたお爺さんの名前です。「てんぐれん(天狗連?)」という素人が粋がる会があり、そこでその方が付けていた名前だそう。ですから扇子を受け取った初太郎が二代目・助六となっています。

初代・助六は、八雲の師匠に弟子入りして、でも挫折して流れ着いた場所で初太郎に会い育てたそうです。七代目も初代・助六を知っているはずだと言っていましたか。野垂れタヒにした初代・助六のように、自分もいつそうなるんじゃないかと恐れ、八雲になるために有楽亭の門をくぐったのだそう。死んだ初代の代わりに自分が八雲になるんだと。

しかし、今は菊比古が八雲を継ぐと良い、と考えているみたいです。伝統ある落語、作中では変わらない落語と言っていたでしょうか、それは菊比古が継ぎ、自分は時代によって変わる客に合わせる落語をするということでした。

  

おわりに

今回は(も?)派手さこそないものの、物語の大きな曲がり角になっているように感じられる回でした。

菊比古とみよ吉はこのまま別れてしまうのでしょうか。別れてしまうのだと思いますけど、さすがにみよ吉が少々可哀想な気がします。ただ菊比古が言ったように、別れるつもりの男がみよ吉を追いかけてしまったら、それこそ彼女に酷なことですから、あのまま放っておくのが良いのでしょう。

結婚なんかしない、という菊比古の言葉が救いでした。みよ吉にも届けば良いのですが……。

そして、後にみよ吉は助六と一緒になるのでしょう。同棲とか結婚とかそういう関係にはならないかもしれないですけど、男女の関係にはなりそうです。小夏はやはりみよ吉に似ていますから、助六とみよ吉の子で間違いはないと思っています。

今回は、助六の八雲の名前への執念が垣間見え、ここでも声優さんの好演が光ります。助六の担当は山寺宏一さん。凄い。

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