NHK連続テレビ小説『あさが来た』の今日2015年11月18日水曜日放送の45話で、あさとはつがが久しぶりに京都に里帰りしていました。
ヒロインの白岡あさ(波留)は、九州は筑豊(福岡県の内陸部と思います)にある加野屋の「蔵野炭鉱」で炭鉱夫たちとともに働いています。そこへ手紙が届き、あさの祖父である今井忠政(林与一)の危篤の報が届きました。
はつの肌色
実家、今井家のある京都へあさと、あさの姉のはつ(宮崎あおい)が向かい、家族と久しぶりの再会を果たしています。はつは母親の今井梨江(寺島しのぶ)から着物を借りているみたいです。ボロの着物ではない、綺麗な着物を着るはつをしばらく見ていなかったので、違和感すら感じさせます。はつは畑仕事をし続けているために、肌が日に焼けていて、あさたちと並んでいると肌色の違いが明らかです。
今井家と銀行
あさの弟である今井久太郎(興津正太郎)も登場していて、すっかり大人になっていましたけど、まだ若干頼りない感じがしてしまうのは、当主の今井忠興(升毅)がしっかりし過ぎているからかもしれません。
久太郎は英語かぶれになっていて、それは五代友厚(ディーン・フジオカ)から英語の辞書を譲り受けていて、銀行の勉強をするべくアメリカ留学をする予定だからだそうです。
その五代も今井家にやって来ていました。五代の誘いもあって、今井家は京都から東京へ引っ越し、両替屋から銀行へと変貌しようとしているみたいです。
おそらく今井の家が始めることになる銀行は、第一国立銀行、第一銀行 - Wikipedia、第一勧業銀行 - Wikipedia、、現在のみずほ銀行 - Wikipediaになろうかと思います。
五代はいずれは加野屋も銀行を始めるべきだと言っていたかと思います。五代は「銀行はお金で人を応援し、救う」と言っていて、この言葉があさを変えていくことになりそうです。
忠政との別離
忠政は家族に看取られ最期を迎えました。子供の頃から男勝りなあさの、唯一と言っていいくらいの味方であったお祖父ちゃんが亡くなり辛そうはありましたが、しっかりとお別れをできたようです。
五代vs.新次郎
五代とあさの旦那様の白岡新次郎(玉木宏)がバトルを繰り広げていました。しかも今井家で。今井家を発とうとする五代を新次郎が呼び止め、五代があさに持たせたピストルを返しています。
新次郎がそのときに「そない大事なものをお貸しにいただくやて、やっぱり洋行帰りのお方は、おなごに親切なことだすな」と嫌味を言うというか探りを入れるというか、ふっかけていました。それに対して五代は「誰にでもという訳ではありません」とやり返しています。
この2人の対決はどうなるのでしょうねぇ。当のあさは、まさか自分のことで五代と新次郎がそんなことになっているだなんて露程にも思っていないでしょう。また、これまでのところ、あさは新次郎のことが大好きみたいでしたから、今のところ新次郎が心配をする必要はないと思いますが……でもわかりませんね。2人のやり取りを、はつが見ていたのがまた興味深いです。
梨江からはつへの贈り物
はつが大阪に帰るときに、梨江からある贈り物がありました。懐から差し出したのは風呂敷に包まれたお金です。しかし、はつは辞退していました。
このときの「たまには弱みを見せなさい」という梨江さんのセリフも良かったですが、それを聞いた発芽「ほんま言うたら、たまに不安で不安で押しつぶされそうになるときもあるんだす」と、お母さんの前で少しだけ弱い部分を見せていたところも良かったです。
あさがあれだけ活き活きと加野屋のために働いている姿を見ると、山王寺屋を潰してしまい、借金取りから逃げ、農家の納屋に住み、畑仕事をしている自分が情けなくなるときがある、と。
そんな時、はつは、かつて梨江さんからもらったお守りを握りしめ、「あんたは幸せになれる」と言われた言葉を思い出しては頑張ってきたそうです。これからもそうでしょう。だからお金は受け取らない、これさえあったらいいんだと言っていました。
それを聞いた梨江さんも泣いていましたし、陰から聞いていた忠興さんも涙を必死にこらえていました……泣けますね、ここは。
おわりに
はつと梨江さんのシーンは名シーンだったかと思います。宮崎あおいさんがヒロインかっていうくらい。この『あさが来た』はあさがメインのヒロインですけど、はつを立たせることで、良い対比が生まれています。Wヒロイン。
はつは、いわゆる“朝ドラらしいヒロイン”像の女性となるかと思います。あさという男勝りなヒロインを据えることで、旧来のヒロインの代表のようなはつが輝き、はつが輝けば、対比としてあさも輝くように描かれている脚本は見事です。視聴率も良いそうで、これは納得ですね。