ディスディスブログ

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F1 日本GP 2015で、マクラーレン・ホンダがストレートでガンガン抜かれる様は衝撃的でした

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今日2015年9月28日01:15-02:45に、フジテレビの地上波放送にて『2015 F1日本グランプリ』の決勝が放送されました。1年前の日本グランプリ以来の地上波放送で、地上波しか観ることのできない私にとっても1年ぶりのF1観戦です。嬉しいです。

 

www.formula1.com

 

英語サイトですがレース結果とレポートがあります。

 

f1-gate.com

 

日本語はF1-Gate.comさんをどうぞ。貼ったリンク先の記事タイトルをご覧になってお分かりの通り、Mercedes AMG(メルセデス)のLewis Hamilton(ルイス・ハミルトン、英国)が優勝し、2位に同じくMercedesのNico Rosberg(ニコ・ロズベルグ、ドイツ)が入り、Mercedesの1-2フィニッシュとなりました。3位はScuderia Ferrari(フェラーリ)のSebastian Vettel(セバスチャン・ベッテル、ドイツ)が入っています。

母国グランプリとなったHonda(ホンダ)は、2015年はMcLaren Racing(マクラーレン)にPower Unit(PU, パワーユニット)を提供しています。McLarenとのタッグ再結成の決定時は「マクラーレン・ホンダが復活するぞ!」と大いに盛り上がりました。過去形。しかし、日本GPではFernando Alonso(フェルナンド・アロンソ、スペイン)が1周遅れの11位、Jenson Button(ジェンソン・バトン)が1周遅れの16位に終わりました。上位どころかセカンドグループとも勝負にならずに惨敗です。

 

f1-gate.com

 

Alonsoがレース中の無線で「(Hondaは)GP2のエンジンか!」と怒っていたようです。

 

f1-gate.com

 

ButtonもAlonsoほどではないにせよ、鈴鹿でもマシンの力が不足していることを認める発言をしています。

 

sports.yahoo.co.jp

 

少し前に、かつてBridgestone(ブリジストン)やFerrariでエンジニアとして活躍していた浜島裕英さんのインタビュー記事がスポーツナビにアップされていて、その中にMcLaren Hondaの問題点が指摘されていました。あくまで浜島さんの見解ではありますが、個人的には説得力を感じる内容でしたので貼っておきます。

 

現在のマクラーレン・ホンダは、パワーユニットの充電量が十分に確保でき、放電量より少ないサーキットではなんとか戦えるけど、充電量が不足気味なサーキットでは勝負できていない印象があります。(中略)つまり、電力の出し入れ、回生して電力を取り入れる量よりも放出する電力量の方が大きい。モナコのような市街地サーキットだと、放出量が小さいし燃費も問題ないから戦えるけど、放出量が大きなパーマネントサーキット(常設サーキット)では勝負になりません。

 

引用するとこの部分です。HondaのPUの問題点です。

 

f1-gate.com

f1-gate.com

 

私はいまいち理解できていないのですが、PUは、2014年からKERSからERSに発展していて、ERSにはMGU-K (Motor Generator Unit - Kinetic) とMGU-H (Motor Generator Unit - Heat) の2種類があるそうです。前者が運動エネルギー、ブレーキング時のエネルギーを回生し、後者はエンジンから排気ガスの熱エネルギー回生です。HondaはこのうちMGU-Hの方に大きな問題を抱えています。たぶん。

 

f1-gate.com

 

書きながらネットで調べていたところ、HondaのF1プロジェクトの総責任者である新井康久さんも、PUの熱問題を苦戦の理由に挙げていました。なので不振の原因の一つであることは間違いところでしょう。

 

もしパワーユニット側として、“サイズゼロ”のマシンが無理ならば、それをチームに進言して、変更を求めるのもひとつの手だと思います。熱害は本当に大変なんです。昨年はフェラーリもすごく苦しみました。電気系統はもちろんですが、モーターにしても電池にしても、どちらかと言えば冷まして使うものですからね。そういう面で、よほど画期的な冷却システムを構築できない限り、あのサイズゼロコンセプトを貫くことは大変ではないかと思います。

 

浜島さんはこのようにも語っているので、PUだけの問題ではなくMcLarenの車側にも問題があるのかもしれません。Size Zero Dimensions(サイズ・ゼロ)と言われているあれです。

少し前にフジテレビで放送されたF1の番組でも、2014年のFerrariが冷却問題に悩まされて、回生機能を上手く機能させることができなかったと紹介されていました。上に貼ったインタビューでは、Red Bullも同じ熱問題だったのではないかと言っています。2015年のFerrariは、電気系統への冷却機能を向上させるためにサイドポンツーンを大きくし空気の流れを良くしたことが、復調した大きな要因の一つだとも。Vettelの加入も要因として挙げていました。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

しかし、McLarenは今のところ、来年2016年もSize Zeroを継続させるようです。これに対して浜島さんは画期的な冷却方法を見つけ出したのではないか? という受け取り方をしていました。McLarenかHondaが、本当に冷却問題を解決できていれば、大きな武器になりそうですが……。

 

f1-gate.com

sportiva.shueisha.co.jp

 

これまで新井さんは、「ルノーよりは25馬力は上」や「後半戦はすごいですよ」といったビッグマウスな発言をして、ファンの期待を高めては裏切ってきました。結果はご存知のとおり、MercedesやFerrariとは全く勝負になりませんし、Renault(ルノー)PU勢にも負けています。なので、Size Zeroの継続のニュースからは、非常に危険な香りが漂ってきます。

 

f1-gate.com

 

つい先日、ポジティブすぎる新井さんからも「現在のレギュレーションでは追い上げは難しい」と弱音も聞かれるようになってしまいました。ここに来てのレギュレーション批判。彼自身かなりのプレッシャーを感じているのでしょうけれども、でも自分から後半戦はすごいとかRenaultに勝っているとか言ってしまっているのでね……自業自得としか言えない気もします。レギュレーションに関しても、Hondaが2014年から参戦を決めていればまだ良かったのに、1年遅らせる決定をしたも自分たちじゃないのですか?という。

いやいや……1年ぶりのF1は楽しめたとは言いがたいものでしたけど、テレビ観戦できて良かったです。大事故が発生した2014年に比べれば十分に楽しめましたか。RenaultのPUを積む、Scuderia Toro Rosso(トロロッソ)のCarlos Saínz(カルロス・サインツ、スペイン)やMax Verstappen(マックス・フェルスタッペン、オランダ)に、AlonsoやButtonのMcLaren Hondaがストレートで為す術もなく抜かれていく様を、自分の目で確認することができました。衝撃的でしたね、Senna(セナ)やProst(プロスト)がストレートで他車をガンガン抜いていた1988年当時を知る世代としては。

 

dysdis.hatenablog.com

 

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