ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

ディスディスブログ

Eテレ『漫勉』で浅野いにお氏が使っていたデジカメは何でしょう。SONYのRX100でしょうか?

スポンサーリンク

Eテレで『漫勉』が昨日2015年9月11日金曜日23:00から放送されていました。前々回の第1回が東村アキコさん、前回の第2回が藤田和日郎(ふじた・かずひろ)さん、そして今回の第3回が浅野いにおさんでした。

 

www.nhk.or.jp

  

日本を代表する漫画家さんたちの制作現場にカメラが入り、撮影された映像を、本人と漫画家の浦沢直樹さんとで見ながら、どのような手法で描いているのか、どのような道具を用いて描いているのか、どのようなことを考えて描いているのか……などを話す番組です。浦沢直樹さんは「YAWARA」「20世紀少年」「MONSTER」などを描いた方ですね。

 

www.nhk.or.jp

 

今回の放送は浅野いにおさんが登場していました。私は浅野いにおさんのお顔だけでなく、お名前も知りませんでした……。氏の作品も知らないものばかりで、かろうじで「ソラニン」だけは聞いたことがありました。内容は知りません。「ソラニン」は実写映画化されていたそうで、それで私にも聞き覚えがあるみたいです。他には「おやすみプンプン」「うみべの女の子」が番組では紹介されていました。記事作成現在は「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を執筆中とのことです。

まず浅野いにおさんの特長はデジタルでの作画です。特に背景は、デジタルカメラを使って撮った画像を使って加工しているそうです。ソフトはPhotoshopと思われます。フォトショで当てはめ、白黒にして、ヒストグラムで中間色をなくしたものに、手描きで線を細く入れていって、アナログ感や質感を出していました。

あまりにハイクオリティなものって案外読者は求めていないから、そこにあえて手描きの線を書き込んでいくことでアナログ感を出して、(浦沢さんの言う)“隙”を読者に見せる、ということを浅野さんは仰っていたでしょうか。デジタルのままだと数式で計算で出せる線になるから、つまりは誰にも描ける線になってしまう、と。手描きのちょっとしたエラーが味になる、と。

とかく画像をはめ込むことは手抜きと同義に思ってしまいがちですけど、氏の背景の描き込みは大変なものでした。本人は描き込みの作業は苦になっていないみたいです。 

今回『漫勉』で浅野いにおさんが使っていたデジカメは、いわゆる高級コンデジの一つ、SONY Cyber-shot RX100のように見えました。RX100は現行はⅣだったでしょうか。浅野さんが所有しているRX100がⅣかどうかは不明です。ⅠかⅡと予想。

RX100 Ⅳの商品スペックは有効画素数が約2010万、撮像素子(イメージセンサー)が1.0型CMOSセンサー、光学ズーム2.9倍、焦点距離は広角側が8.80mm、望遠側が25.70mm、F値は広角側2.8、望遠側1.8だそうです。Ⅳの値段はAmazonで11万円超……高いですね。最初のRX100が4万円しなかったはずなので余計に高く感じられます。

 

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 IV 光学2.9倍 DSC-RX100M4

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 IV 光学2.9倍 DSC-RX100M4

 

 

背景の話に戻りますが、浅野さんはつげ義春さんに影響を受けているようです。学生時代にたまたま読んだそうです。浦沢さんは浅野さんの背景から水木しげるさんを想起したようで、それを聞いた浅野さんはやはり水木さんも強く影響を受けていると言っていました。浅野さん曰く「リアルな背景に超デフォルメされたキャラクターのバランスがたまらない」そうです。画面では、子供の頃に桜玉吉さんが浅野さんの漫画の原点、とありました。 

 

幽玄漫玉日記 1<幽玄漫玉日記> (ビームコミックス)

幽玄漫玉日記 1<幽玄漫玉日記> (ビームコミックス)

 

 

確かに、あの書き込みは水木さんに通じるところがありますね。私は子供時代に『コミックボンボン』を読んでいた頃に「ゲゲゲの鬼太郎」が連載されていまして、水木さんの背景の描き込みや、ぬりかべの体や砂かけ婆の目の点描に強く憧れていました。キャラクターの模写はよくしていましたね。「キン肉マン」や「ドラゴンボール」などジャンプ漫画の模写もしていましたが。

浅野さんは今、SFものを描いているそうで、宇宙船を描いていましたが、そのモチーフが木魚だったり蚊取り線香の入れ物だったりしたのがとても面白かったです。それらも仕事をしている家のベランダで本人が撮影していました。あと、機械がごちゃごちゃしているところを描くための資料として、今自分を取材している『漫勉』の撮影スタッフが使っている機材を逆取材して撮影しているのも新鮮でした。『漫勉』の撮影環境って今までほとんど撮影されていなかったですからね。結構色々持ち込んでいて驚きました。邪魔にならないのでしょうか。

浅野いにおさんの漫画への取り組みは、ある意味これまで放送されたお二方とは対極にあるかなと感じています。例えば、東村アキコさんは最近の漫画家は背景を描き込みすぎと言っていましたし、背景なんていらないとすら言っていた記憶があります。藤田和日郎さんはアタリだけ付けて下描きもなしにペン入れをして、ペンとホワイトを使い込んで線を掘り当てるという、ある種デジタルから最も遠いことをしていると感じるためです。でもお三方とも漫画家として活躍されています。漫画家の数だけ漫画への考え方や漫画の描き方があるんだなぁと改めて知ることができました。

そうそう、浅野さんのペンの持ち方にも驚きました。浦沢さんも驚いていましたが、本当にあれでよく描けるなぁというくらい……親指が人差し指や中指よりペン先に近いところにありますからね。

浅野いにおさんの回の再放送は今日の深夜に放送されるはずです。東村アキコさんと藤田和日郎さんの回の再放送も今日の深夜だったかと。私ももう一度見るつもりです。楽しみ。

 

追記

togetter.com

 

4年ほど前の江口寿史さんのTwitterでの発言に、浅野いにおさんが大きく絡んでいるみたいなので、貼っておきましょう。今回のデジタル画に関わることですね。このまとめの中で“きづきあきら”さんの考え方が個人的に一番納得できました。そして、きづきあきらさんに絡んだ方のツイートにはとても恐ろしいものを感じました。

私はアナログ漫画もデジタルとアナログを組み合わせた漫画も楽しめますし、デジタル+アナログ技法が進んでいってもアナログオンリーが廃れるとも思っていないです。仮にアナログオンリーが廃れたとしても、それが時代の流れなんじゃないのかなくらいにしか思いません。

本件は、江口さんがツイート時に浅野さんの漫画を読んでいらっしゃらない時点で察し、という気がしなくもないですけど。

 

dysdis.hatenablog.com

 

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル)

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル)