NHKの朝の生活情報番組『あさイチ』の、2015年7月31日金曜日放送の冒頭に「ヒスタミン食中毒」が特集されていました。
ヒスタミン食中毒
ヒスタミン (Histamine) というと花粉症だとかダニアレルギーなどアレルギーに関連する物質を想像しますが、「ヒスタミン食中毒」はアレルギー体質でなくても誰でも食中毒を引き起こす危険があります。青魚や赤身の魚を食べると起こる食中毒で、夏の暑い時期に特に注意が必要だそうです。
具体的にはサバ、イワシ、アジ、サンマ、ブリ、サワラ、マグロ、カツオ、シイラ、カジキなどに注意が必要だそうです(ネット調べ)。
これらの魚には、ヒスチジンというアミノ酸の一種が多く含まれていて、魚が水揚げされて死ぬと、体内のバクテリア(番組では言っていませんでしたが“ヒスタミン産生菌”というのだそう)が活性化し、ヒスチジンを分解してヒスタミンという化学物質を作り出します。
このヒスタミンを多く摂取してしまうとヒスタミン食中毒が起こります。バクテリアは温度が20〜40℃になると活性化することから、夏のような暑い時期に食中毒が多くなるということでした。
ヒスタミンは、一度発生してしまうと加熱調理しても壊れないと言っていたので、そこは注意が必要ですね。こちらはネットで調べたのですが、加熱するとヒスタミン産生菌は死滅しますが、ヒスタミンは分解されない。つまり、焼き魚や缶詰などの加工品でも起こりうる食中毒ということです。
こちらもネットで調べたところ、食後30〜60分ほどから、顔面(特に口の周りや耳たぶ)の紅潮や頭痛、じんま疹、発熱などの症状が発症します。だいたい6〜10時間ほどで治まってくるみたいです。
ヒスタミン食中毒は食中毒の中では症状は軽めと言われているみたいが、稀にアナフィラキシーショックを起こすなど重症化する場合もあるようですので、医療機関を受診するとよいとのことです。
ヒスタミン食中毒の対策
ヒスタミン食中毒の対策としては下記の3つが番組で取り上げられていました。
- 購入後すぐ冷蔵・冷凍
- 鮮度が落ちたら食べない
- ピリピリしたら食べない
この3つです。長時間常温で置いておくことと危険なので、それさえしなければ大丈夫だそう。
常温での解凍も危険という認識でいいでしょうし、後で加熱するから大丈夫という考え方も危険です。前述のとおり、加熱してもヒスタミンはほぼ分解されずに残っているので。ヒスタミンは一度作られてしまったら、取り除くことはできないと考えて問題なさそうです。
おわりに
私は幸運なことにこれまでヒスタミン食中毒は体験したことがありません。でも食中毒症状が起こったことはあります。病院を受診しなかったのでハッキリとしたことは分かりません。
それはカレーです。作りおきして1日置いたカレーをコンロにかけて火で加熱せず、レンジで温めただけで食べたところ、その後に強い腹痛と下痢が半日ほど続きました。2日目になると腹痛と下痢は治まったものの、お腹の調子は良くありませんでした。
ネットで調べると、私がかかった食中毒は「ウェルシュ菌食中毒」のようです。ウェルシュ菌という菌は、酸素のないところで増える「嫌気性」の菌で、大量にカレーや煮物を作る際に熱などで他の菌が死滅しても、このウェルシュ菌だけは生き残って増えてしまうそうです。鍋底に多いみたいです。ライバルがいない環境になるとこのウェルシュ菌は「芽胞(がほう)」と呼ばれる耐久性の高い状態になり、芽胞のウェルシュ菌は100℃で加熱しても生き残ることがあるそうです。怖い。
なので、こちらも作ったカレーや煮物は常温で保存しないこと、小分けにして冷蔵庫に保存すること、再過熱するときはよくかき混ぜて中まで十分に火を通すこと、が重要です。
私も一度食中毒になってからは、カレーは小分けにして保存し、再加熱も十分するようにしています。今のところ2度目の食中毒はかかっていません。