Eテレの『2355(ニーサンゴーゴー)』のおやすみsongに「ある ヤドカリの唄」という新曲が流れています。
2355は毎週平日の一日の最後、23:55から放送されている5分番組です。
いつからだったでしょうか、2週間ほど前からだったと思いますが、この「ある ヤドカリの唄」が番組に流れています。このヤドカリはドカリーといい、2355のマスコット的な存在であるトビハゼのトビーの友だちです。そのドカリーの歌です。
- うた: 比嘉栄昇(BEGIN)
- 作詞・作曲: 堀江由朗・うちのますみ・佐藤雅彦
というお馴染みの作詞作曲で、歌っている方はBEGINの比嘉栄昇さんです。BEGINといえばイカ天こと『三宅裕司のいかすバンド天国』ですね。と書きましたけど、私は当時そちら方面にあまり興味がなくて、たまにしか番組を見ていませんでした。大して見ていなかった私でも「恋しくて」は当時から知っていました。良い曲です。でもあの曲に似ているなぁと。今はBEGINといえば「島人ぬ宝」とか「涙そうそう」とかのイメージの方が強いですか。
「ある ヤドカリの唄」に話を戻しますと、比嘉さんが歌っているだけあって沖縄の雰囲気が満載の曲です。三線を弾いていることも大きい。弾いているのは比嘉さんですよね、たぶん。曲から沖縄民謡っぽさを感じさせるのは、三線が奏でられているからなのでしょうか。不思議です。映像も沖縄方面と思われる白い砂浜と青い海が舞台になっています。ロケ地はどこなのでしょうね。沖縄の離島のようですけれども。
歌詞によると、どうやらドカリーは南の海で人間に拾われて、あの、トビーのいる水槽へ越してきたようです。いつかあの海に戻りたいらしい。
よく思うんですけど、トビーやドカリーって番組に登場した当時と今とでは、同じ子じゃないですよね。だとすれば何代目なのでしょう…。同じなのか?
「ある ヤドカリの唄」のタイトルを見て、松本清張の『或る小倉日記伝』を思い出してしまいました。単なる「ある〜」繋がり。1952年に発表され、翌年に芥川賞を受賞しています。これね…読んでいて凄く辛くなるんです。
主人公の彼は、耕作ですか。彼は幸せだったのだと思います。と思いたい、というか。病気があって、賃金の出る仕事に就くことはできず、結婚もできなかったですけど、自分の仕事に邁進することができたし、彼を認め、心から支えてくれる人がいたし、自分の長年の努力が徒労に終わったと気づく前に亡くなったし。徒労に終わったと彼が気づけたとしても、それで彼が不幸になるとも思えないですし。思いたくない、かな。
松本清張というと推理小説というイメージを持たれる方も多いかと思いますが、『或る小倉日記伝』は推理小説ではありません。名作なので気になった方はぜひ呼んでみてください。短編ですからすぐ読み終わりますよ。全体的に灰がかった雰囲気で、決して明るく楽しい作品ではないですけど。