ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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小島よしおさんの、竜舌蘭の短歌が代表作レベルで良かったけれど落選していました

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Eテレで日曜日朝06:00~06:25に放送中の『NHK短歌』の、月の最終週には初心者向けの短歌講座『短歌de胸キュン』(http://www.nhk.or.jp/tankahaiku/munekyun/) が、日曜日朝06:35~07:00に放送中の『NHKの俳句』の、月の最終週には初心者向けの俳句講座『俳句さく咲く!』 (http://www.nhk.or.jp/tankahaiku/sakusaku/) がそれぞれ放送されています。

先週放送されていたものの再放送です。日曜日が5回ある月は胸キュンとさく咲くが2回放送されます。

 

 

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短歌de胸キュン

今回驚きがありました。番組の最後に次回のスタジオメンバーを決める短歌対決があって、そこでスピードワゴン小沢さんとフルーツポンチ村上さんが次回の男性メンバーに選出されたことが…と書くと誤解を生むかも知れません。お二人の短歌が悪かったということではなく、落選したうちの1人、小島よしおさんの短歌がとても良いと思えたので、どうして?となりました。

スタジオでも、メンバーは小島さんの歌を「やばい!」「やっちゃったぁ(落選を覚悟している)」「凄い良い!」と絶賛していて、落選したときはどうして?と少し騒然としていました。選者は歌人の佐伯裕子先生ですが、彼女も小島さんの歌は代表作と言っていいくらいだと褒めていました。それになのにどうして…という。

小島さんは自分を竜舌蘭(リュウゼツラン)に託して歌っていました。竜舌蘭は花を咲かせるまでに場合によって数十年かかることから、自分が次にいつ咲くか分からないけど、それまで竜舌蘭のように真っ直ぐに立っていよう、と解釈のできる歌でした。

選ばれた小沢さんと村上さんの歌はもちろん良かったんです。小沢さんの歌は、南国のおばあちゃんの家に遊びに行ったら縁側に絞りたてのハイビスカスジュースを出してくれた、という歌です。さらっと作っているけど上手い歌だと先生は仰っています。ハイビスカスジュースだけで南国だと分かるし、縁側が生きている、と。

村上さんの歌は、彼女にフラれてたことを歌に詠んでいて、咲き乱れているツツジがうるさく感じられた、という歌です。先生は「うるさいツツジ」に現代の恋の終わりの感じがよく出ている、とその感性を褒めていました。

今ビデオで改めて視聴しながら書いています。でも…そっかぁ、小沢さん歌も村上さんの歌もとても良いんですよねぇ。今回レベルが高かったです。いやぁ、それでも小島さんの歌を選んであげて欲しかったです。私は一番好きでした。

 

 

俳句さく咲く!

俳句さく咲く!は、新年度から「さく咲くセブン」なる、若手?芸人さんたちが登場しています。今回は彼らの2回目の出演回となりましたが、誰が力があるのかが見えてきました。いや、前回でほぼ見えていたのですが今回で確定したかな、という。

さく咲くセブンのメンバーは、ひのでの“おばたかずき”さん、GAG少年楽団の宮戸洋行さん、すぽっとの赤嶺総理さん、エレファンツの舛方一真さん、シシオガイさん、三浦友加さん、それにNON STYLEの石田さんが加わった7名です。

力のある方は、赤嶺さんとシシオガイさんと石田さんの3人です。石田さんはもう数年この番組で俳句を詠んでいますので、初心者とは言えない実力があると思います。赤嶺さんも俳句甲子園に出場した経験があるとのことだったので、やはり実力があります。一番実力があって、安定して良い歌を読めそうです。そもそも初心者ではない方です。そしてシシオガイさん、彼は未来人という胡散臭い外見・設定とは裏腹に、真面目な句を詠み、番組のミニ句会でも選者の俳人・小澤實先生から2回連続で最優秀の評価を受けています。シシオガイさんは今回の放送内で、取り合わせに苦労したというようなことを仰っていたので、もしかしたら彼も初心者ではないのかも知れません。

番組最後のミニ句会に出場するため、石田さんを除いたさく咲くセブンのメンバーは、毎回事前に予選会を戦って3名に絞られています。ですが実力からすると、赤嶺さんとシシオさんの出場権はほぼ確定していて、残る1席を4名で争うことが今後も多くなりそうです。そのくらいに赤嶺&シシオとそれ他とでは実力差がありすぎるように見えます。

ミニ句会で石田さんが詠んだ句。これは独りで生活しているお祖母ちゃんが、電話帳を開くにしてもなかなかできない様子を、指に唾を付けてページをめくっていると詠んで表現したものでした。スタジオでは、指に唾が汚いということで評価が良くなかったですけど、小澤先生は唾が良かったと、作者(実際は詠み手の祖母)の生きる証が出ている、と評価をしています。私もこの句は良いと思います。お祖母ちゃんが家で独り、正座をして背中を丸めながら、指を口にやりつつ本をめくっている、そんなちょっと切なくなる景色が目に浮かぶので。子供や孫に電話をしようとしているのかなぁ、と。唾が汚いから駄目というのは句の評価とは異なるのではないか、そこ部分だけで句の良し悪しまで判断してしまうのは少し違うのではないか、と思いながら見ていました。

 

 

おわりに

短歌は小島さんには可哀想な結果になりました。全体的にレベルが高かったから仕様がないかなぁとも思えます。そして、これは絶対的な評価ということではなく、あくまで佐伯先生的には選ばれなかっただけで、他の選者さんなら異なる評価を受けていたかも知れないです。私は一番好きでした。

女性では寿るいさんの歌が良かったです。以前から思っていたのですが、寿さんは自虐の歌を詠むと良い(失礼)印象があるので、その言いづらい部分を突いて行くと今後も出演が増えてくるかも知れないですね。

俳句は昨年度が嘘みたいに安定して面白いです。昨年度は崩壊気味でしたので、よくここまで持ち直したなぁと思います。

 

 

 

NHK短歌 2015年 06 月号 [雑誌]

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NHK俳句 2015年 06 月号 [雑誌]

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