ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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女子プロレスラー下野佐和子さんがリングで全身脱毛症のカミングアウトしていた姿は素敵でした

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Eテレで放送されている『ハートネットTV』の2015年5月11日放送分は、「File.30 もう隠さない ―全身脱毛症のレスラー・下野佐和子―」でした。ブレイクスルーは毎週月曜日に放送されているはずです。

ちなみにBreakthrough(ブレイクスルー)とは「突破口」や「打開策」の意味です。

 

 

www.nhk.or.jp

 

 

下野佐和子さんのブログは女子プロレスラー・下野佐和子の大女日記、TwitterはOSAKA女子プロレス 下野佐和子 (@sawako_shimono) | Twitterです。

下野さんは4年ほど前から円形脱毛症が始まり、全身脱毛症へと進んでいったそうです。はっきりとした原因は不明だそうですが、精神的なストレスが原因ではないかと考えている、と風間俊介さんとのインタビュー内でご本人は仰っていました。

彼女は心の強さがあり責任感も強い方のようで、プロレスという、多くのお客さんに見られる職業に就いていることから、その責任感の強さが災いしてしまったのでしょうか。

全身脱毛症になってからはバンダナを被って頭部を隠し、メイクで眉毛やまつ毛をしてリングに上っていたそうです。自分を隠してリングへ上っていくうちに、本当の自分というものを見失いつつあったとも言っていました。

ところが、昨年、試合中のアクシデントでバンダナが取れてしまい、お客さんに頭を晒すことになりました。その後も、試合中にバンダナが避けるアクシデントが発生したことから、以降は隠すことを止めて、試合前にお客さんの前で病気をカミングアウトし、試合に臨んでいらっしゃいます。

バンダナが取れてしまったときは、それがリングに落ちていく様子がスローモーションで見えたと言っていました。お客さんに頭部を見られたことは、リングから逃げ出したいくらいの出来事だったそうです。逃げたい、でもリングからは逃げられない。プロレスラーという職業でなかったらどうしていたと思いますか、という風間さんの質問に対して、下野さんは逃げていたと思います、と返していました。風間さんも芸能界で多くの方に見られる職業に就いていますから、その気持ちは分かるようです。

 

私はハゲています。なので同じではないにしても、下野さんの気持ちは多少なりとも分かるもりです。20代前半から進行が始まり、20代終盤にはかなり進んでいました。周りに見られたり笑われたりするのが嫌で、外出時は帽子を欠かしません。元から帽子が好きなこともあるのですが、半分はそういう理由で被っているかも知れないです。

母方の伯父や祖父がハゲていたため、遺伝的に高確率で私にも訪れるであろうことは小さな頃から分かっていました。10代の頃から古着が好きで帽子をよく被っていました。その頃は食生活もメチャクチャで1日1食は当たり前、食べるにしてもジャンクなのものばかりでした。睡眠も大して取らずにいました。洗髪も入念にしていたかというと怪しいです。

そんなこんなで、遺伝的に生まれつき素質がありそうなのに、輪をかけて早くハゲろと言わんばかりの行動をしてきたのですら、若年での脱毛は当然の帰結でした。私は完全に自業自得です。

 

話を戻しますと、下野さんはリングの上で脱毛症をカミングアウトをしたことで、もしかしたら周りやファンの方が離れてしまうかも知れない、最悪プロレスを廃業することになるかもしれないと、考えていたそうです。でも実際にはカミングアウトをしても、周りやファンの方はありのままの自分をそれ以前と同様に温かく受け入れてくれたそうです。下野は下野だと。

それは彼女がそれまでの言動があったからだろうなと感じます。周囲の人たちやファンへの立ち振舞や、プロレスに対する真摯に姿勢が、人々の胸に届いていたのでしょう。

 

下野さんは、これが自分らしさだと今は前向きに捉えていらして、笑顔も晴れやかで素敵でした。全身脱毛症をカミングアウトしたこと、周りが受け入れてくれたことから、自分らしさを再び出せるようになったみたいです。

ただ、他の方が周囲に全身脱毛症や円形脱毛症、私のような脱毛症にしてもそれをカミングアウトすることが、必ずしも事態を好転させるとは限りません。場合によっては心ないことを言われたりされたりするかも知れないですし、自分から離れていく人が出てくるかも知れないです。それで離れていく人なんて、こちらから縁を切ってしまえばいいとは思いますが、傷つきはするでしょう。

 

例えばテレビでは、特にお笑い芸人さんはハゲネタで笑わそうとしている人の方が多いですよね。その都度私はヘコんでいるので、他にも傷ついている方は少なからずいらっしゃると思います。

テレビでお笑い芸人さんやタレントさんたちがネタとして言ったり、逆にネタとして言われたりしていることを、視聴者が真に受けてしまい、テレビで芸人さん等がしているのと同じように一般の人に対してハゲネタを話したり、ハゲている人を笑うことがあります。

 

私の実体験を話しますと、数年前に調べものがあったので近所の本が置いてある公民館的な施設に行きました。そのときはちょうど春休みだったために、近所の中学生がたくさん館内にいました。作業をしてると、中学生の話声が聞こえてきて私の頭に関して笑い話にしていたようなのです。しばらくすると、その中学生の集団の誰かが定期的に「ハゲ!」と、館内に響くレベルで大きな声をあげて言うようになり、何度も何度も言われました。周りにハゲている人間は私の他にはいなかったので、彼らが私に向かって言っていたのは明白です。始めは言われても気にしないでおこうと、無視して作業を続けていましたが、声が止むことはなかったので作業を中断して家に帰りました。それからその施設には一度も行っていません。

芸人さんやタレントさんは、事前・事後にネタとして笑う相手・笑った相手にそのことを謝ることが多いかと思いますが、視聴者にはその部分は見えていません。なので、ハゲネタは言って良いことだと勘違いしてしまう人や、後でケアすることがない人が出てくるケースも少なくないのだと思いますし、差別的にハゲている人を見るようになる人も出てくる、そういうことの一因にお笑い芸人さんやタレントさんはなっているのではないでしょうか。真に受ける方も受ける方ですけど。私がバラエティ番組を見ない原因の一つはそれか、と今書いていて気が付きました。

 

今回の下野佐和子さんが出演している『ハートネットTV』は5月18日月曜日に再放送される予定だそうです。お昼でしょうか。気になった方はぜひ見てください。

 

 

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